動画配信・DRM・VSEO・動画マーケティングでタグ「著作権」が付けられているもの



Cnet Japan の記事
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20414184,00.htm

 米Yahoo、Facebook、eBayを含む4社は米国時間5月26日、ニューヨーク州南部地区米連邦地方裁判所に法廷助言要約を提出した。この裁判所で2007年3月、MTV Networksの親会社ViacomGoogleに対して10億ドルの著作権侵害訴訟を起こしている。

このあたりの企業は当然、Google擁護に回る。アメリカの判例がないと、結局日本も動かないので、米国内の判断がどのような結論になるかは大いに注目。
Cnet Japan の記事
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20414039,00.htm

 GoogleYouTubeの買収から程なくして、MTV NetworksとComedy Central、Paramount Picturesの親会社であるViacomに対し、Viacomのテレビ番組と映画をYouTubeにライセンス提供してくれたら、約6億ドルの売上高を保証するという条件を提示していたことが、記録によって明らかになった。

なかなか興味ぶかい内容。そろそろ判決がはっきり出てほしいところ。
マイコミジャーナルの記事
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/03/20/012/?rt=na

iPadでの電子書籍販売サービス「iBookstore」提供やオリジナルコンテンツ拡充に向けて米Appleが現在でもコンテンツ企業各社との交渉を続けていると、米Wall Street Journalが19日(現地時間)に関係者からの情報を紹介している。4月3日の発売まであと3週間を切ったiPadだが、Appleとの提携が既存のコンテンツビジネスに及ぼす影響を恐れる事業者もおり、交渉が難航している様子が散見される。
メモ。
RBB Today の記事
http://www.rbbtoday.com/news/20100320/66512.html

 また、猫がピアノを弾く映像だろうと、親戚の結婚式のビデオだろうと、作成された時点で著作権が発生するものなので、今回の問題は著作権の問題ではなく著作物の使用許諾の問題であるとし、現実的に、すべての権利者がすべてのアップローダーに個別に許諾を与えるなど不可能であり、これがDMCAの考え方であり、世間の常識であると述べている。

このあたりの解釈問題も、そろそろはっきりさせてほしいところ。それほど常識的な考えではないと思う。

日本国内で国内法に乗っ取って解釈されたら、多分逮捕される。
Internet Watch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100319_355769.html

 例えば、YouTube公開直後の2005年4月25日にChad氏が送信した内部メールでは、「BootieChristが投稿したビデオは取り下げるべきだと思うんだ。これはレイプものだからね。だけど『South Park』のやつは著作物だからどうすべきかな。よくわからない」といったものがある。

 このメールに対してChen氏は、「同意するよ。彼のビデオの一部は取り除くべきだな。最初に公開されているビデオのラインナップは、このサイトで我々が見て欲しいと思っている種類のビデオになるから本当に重要になる。ビデオのチェックをしなきゃだめだ!」と返信し、著作物の存在を認識したことがわかる。

 また、2005年8月にはChen氏が、「映画やテレビ番組みたいなのは削除しよう。今のところは短いニュース映像はそのままにしておこう。すぐにではなく、時間をかけて厳しくしていった方がいい。例えばCNNのスペースシャトルの映像みたいなモノは気に入っているんだ。我々がもっと大きくなってよく知られるようになったら、削除すればいい。だけど今のところこの映像はいいと思う」とメールし、Jawed氏も「それでいい」と認めている。これは著作物の放置を暗に認めたようにも受け取れる。

こんな証拠が残っていたら、日本だったらメディアに徹底的に叩かれてあっという間に社会的に抹消されているか。残っていなかったとしても、「作為的な不作為」みたいなことを言われて、しょっ引かれてただろう。
IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1003/02/news052.html

 Webサイトに誤ってコンテンツ削除を要求してしまった著作権保有者は、幾ら賠償金を払うべきだろうか?

ちょっとわかりにくい内容だが、フェアユースの範囲内であるにも関わらず、著作権者が削除依頼をだし削除させることが違法かどうかということらしい。

日本には、フェアユースの定義があいまいなため訴訟自体が成立しないか。
Cnet Japan の記事
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20408691,00.htm

 書籍と雑誌、新聞の出版社を対象とするApple価格設定モデルは、同社が「iTunes Store」の楽曲を対象に設定しているモデルとほぼ同じである。つまり、コンテンツの提供元は売上の70%を受け取り、Appleインフラストラクチャコストとサービス提供の対価として残りの30%を受け取るのだ。

 Appleコンテンツ提供元に対し、価格設定への一定の管理権も認めているが、新聞と雑誌業界はそれで十分だとは考えていない。新聞および雑誌出版社らはFinancial Timesに対し、「この売上共有プランは、購読料のような繰り返し発生する料金には適していない」と述べた。

コンテンツ(商品)を持っている側と、商流を持っている側のどちらが主導権を握って交渉を行うかという問題?このあたりのことは、詳しいことをよく理解していないので、要注目。
マイコミジャーナルの記事
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/12/03/059/?rt=na

法的に難しいことはよくわからないが、続報などには要注目。
IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/27/news007.html


法律の専門家ではないので、日米の著作権法の違いの詳細は分からないが、投稿サイトへの著作権法の運用については日本のほうが進んでいる(うまくいっている)のかもしれない。

われわれはちょっとした戦争のまっただ中にいる。一部では「著作権戦争」と言われ、故ジャック・バレンティ氏(元米国映画協会会長)は「テロリストとの戦 い」と呼んでいた。彼の言う「テロリスト」はわれわれの子供たちを指しているようだ。だが、ちょっと目を閉じて「著作権戦争」について考えてみてほしい。 皆さんが思い浮かべるのはガールトークのようなアーティストでも、ステファニー・レンズさんのようなクリエイターでもないだろう。「著作権戦争」の敵は P2Pファイル共有だ。コンピュータでコンテンツを「盗む」若者たちが標的だ。新たな創作物の形をめぐる戦いでも、新しいアートを作るアーティストをめぐ る戦いでもない。
こういったことも、日本ではWinny で体験済み。かなり法的な摘発なども行われている。

 「リミックス」文化への回帰を正しくバランスを取って奨励すれば、並々ならない経済成長をもたらし得る。われわれの文化は、人類の歴史のすべての文化 ――20世紀の先進国世界の幾つかの文化を除いて――を特徴付けてきた、多くの人々が消費するだけでなく創造するという活動へと立ち返る。それは、本を読 む時間はないが、「メディア」を聞いたり見たり作ったりするのに毎週何時間も費やす世代に、もっと深く、もっと意義のある学びの活動をもたらす。
この部分が一番難しいところだが、日本では利権者が露骨な態度をとると反発が強くなるので、割とバランスがとれているか。
InternetWatch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/20/21241.html


 私的録音録画補償金制度の見直しを検討している、文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」の第4回会合が20日に開かれた。携帯音楽プレー ヤーを補償金制度の課金対象とする、いわゆる“iPod課金”について関係者の合意が得られず、文化庁では今年度中の結論を見送る方針を示した。

 文化庁は5月8日の会合で、補償金制度を縮小することを前提に、暫定措置としてiPodやHDDレコーダーなど「記録媒体を内蔵した一体型機 器」を課金対象とする制度改正案を提示。7月10日の前回会合では、権利者側が受け入れる姿勢を示したが、メーカー側は「補償金制度縮小の道筋が明らかで ない」などと反対。その後も両者の意見は平行線をたどり、合意が得られない状態になっていた。

 3カ月ぶりの開催となった今回の会合では、事務局を務める文化庁著作権課の川瀬真氏が「非公式な場で関係者と妥協点を探ったが、結論が出ない状 況」と現状を報告。小委員会の任期である2009年1月までに結論を出すことは難しいとして、文化庁が提示した制度改正案をめぐっては、両論併記のかたち で報告書をまとめる意向を見せた。今後は、11月末から12月初旬をめどに報告書案を作成。その一方で、関係者の調整による解決も探るという。

「ダウンロード違法化だけでも」権利者側は早急な法改正求める

  小委員会ではこのほか、著作権法第30条の範囲を見直すことで、違法複製物や違法サイトからの私的録音録画を違法とする、いわゆる「ダウンロード違法化」 についても議論されていた。この点について報告書では、ダウンロード違法化に賛成する権利者側の意見だけでなく、パブリックコメントの意見募集の結果など も踏まえて対応策をまとめるとしている。

 この問題について権利者側の委員は、「ネット上の違法流通の被害は深刻」と主張。補償金制度見直しの議論とは切り離して、早急な著作権法改正を 求めた。「京都府警が9月18日に逮捕した仙台市の男性は、日本で未公開の洋画に日本語字幕を付けてWinnyにアップロードしていた。容疑者は、ファイ ル共有ソフトでダウンロードした映画を加工して、新たにアップロードしていたと聞いている。このように、違法なアップロードとダウンロードは密接に関係し ており、どちらか一方を取り締まるだけでは、不正な流通を防ぐのは難しい」(日本映画製作者連盟の華頂尚隆氏)。

 一方、30条改正に反対しているジャーナリストの津田大介氏は、「法改正後の流れとして、30条の制限がすべての著作物に適用されることにな る」と懸念を表明。さらに、ダウンロード違法化を進める代わりとして、SNS世界最大手の米MySpaceが提供する音楽サービス「MySpace Music」のように、ユーザーが合法的に音楽を楽しめる環境を整えるべきだと訴えた。MySpace Musicでは、自らのプロフィールページに好きなアーティストの楽曲のプレイリストを作成し、音楽を再生することが可能。スポンサーの広告費によって、 楽曲のフルコーラスが無料ストリーミングで楽しめる。

 この意見に日本レコード協会の生野秀年氏は、「CDレンタルがあるのは日本だけ。日本ほど正規品の流通がしっかりなされている国はない」と反論した。

メモ。
インフラなどの状況が最も進んでいるのは日本なのだから、他国のことを持ち出すのはやめたほうがいいと思うのだが・・・。

世界に先駆けて、デジタルコンテンツ流通に関する合理的なルールが決まることを1年くらい前はちょっと期待したが、そんな気配が全くないのが残念なところ。
IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/03/news037.html

 米著作権料委員会(CRB)は10月2日、音楽ダウンロードサービスが権利者に支払う著作権料率を据え置く決定を下した。

 iTunes Storeなどのダウンロードサービスは、これまで通り1曲当たり9.1セントを音楽出版社や作曲家などの権利者に支払う。音楽出版社は著作権料率を1曲当たり15セントに引き上げることを求めていたが、音楽サービス各社はこれに反対していた。

 iTunes StoreやAmazon.comなどの音楽サービスが加盟する米国デジタルメディア協会(DiMA)は、この決定はデジタルサービスの革新と成長を後押しするとして歓迎している。

 CRBは、CDなど物理媒体の著作権料率についても1曲9.1セントに据え置くことを決めた。初めて着メロに対する著作権料率も定め、1件当たり24セントとした。また、先週全米レコード協会(RIAA)などの著作権団体が提案した音楽ストリーミングサービスの著作権料率も承認した。この案では、ストリーミングサービスは売上高の10.5%を著作権料として支払う。

米国内の著作権料は日本でもビジネスにも影響する。メモ。

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/24/news071.html

 全米レコード協会(RIAA)を含む5つの著作権団体が9月23日、音楽ストリーミングサービスに課す著作権料率で合意したことを明らかにした。

 この著作権料率は著作権料委員会に提出する草案の段階という。インタラクティブなストリーミングサービスへの著作権料率の提案はこれが初めてだとRIAAは述べている。

 RIAAらの案は、月額料金制の音楽サービスや、広告付き音楽サービスなど、楽曲をストリーミング配信および限定的にダウンロード配信するサービ スを対象とし、売上高の10.5%を徴収することを提案している。場合によっては、宣伝のために無料で楽曲を利用することも認めるという。楽曲の恒久的な ダウンロード販売は対象外。

 この合意にはRIAAのほか、米国デジタルメディア協会(DiMA)、全米音楽出版社協会(NMPA)、ナッシュビル作曲家協会(NSAI)、米作曲家組合(SGA)が参加している。

売上の10%強で済むのならかなりお得な感じがするが、インフラコストを考えると限定的ダウンロードやストリーミングでは、それでも今は黒字にはなりにくいのだろう。

Yomiuri Online の記事
http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20080819nt05.htm

 ニコニコ動画を運営するニワンゴは、ユーザーが投稿動画内で引用できる公式楽曲を500曲用意し、8月19日に公開した。米Getty Imagesゲッティイメージズ傘下のPump Audioから提供を受けている。

 動画に付けたコメントがスクリプトとして動作する機能「ニコスクリプト」の1つである「@BGM」用の楽曲として提供する。@BGMは、指定した動画の音を別の動画のBGMに使える機能。動画投稿者がコメント欄に「@BGM 動画ID」(※動画ID部分は、ニコニコ動画内の各動画のIDを入力する)と書き込むと、自分の動画の上に指定した動画を小さく重ねて表示できる。動画を非表示にして、音楽だけ再生することも可能だ。

 今回公開された500曲はいずれもPump Audioがライセンスを持つ。なお、Pump Audioは独立系ミュージシャンの音楽が商用メディアで利用されることを目指した音楽権利管理会社とのことだ。

ここ最近、ニコニコ動画の発表がまた増えつつあるように思う。
アクセスは横ばい傾向と見られるだけに、まっとうなサイトとしてのアピールとメディアへの露出は不可欠というところか。

Internet Watch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/08/19/20590.html

 米BayTSPは18日、動画をスキャンして、他者の知的財産が含まれているかどうかを監視し、発見するサービス「Content Authentication Platform(CAP)」の能力を大幅に増強したと発表した。毎日100万分の動画(約1万6700時間)をスキャンできるようになったとしている。

 さらに、BayTSPはこれまでにCGM型動画サイトに投稿された4億9200万分のビデオをインデックスした。その結果、著作権で保護されたコンテンツが投稿される傾向、ユーザー行動、キーワード、メタデータに関する過去のトレンドに関するデータが得られたとしている。

 BayTSPの能力について、同社CEOのMark Ishikawa氏は「毎日100万分を処理するということは、米国と世界中のメジャーなCGM型サイトを我々が監視できるということだ」とコメントしている。

 BayTSPでは現在、パートナー企業4社が開発したフィンガープリント技術のテストを行っており、今年後半に開始する商用CAPサービスに統合する計画だ。

 このことについてIshikawa氏は「CAPでは、コンテンツ保有者が複数の動画と音声用のフィンガープリント技術やデジタル透かし技術にアクセスすることができる。これは、コンテンツを発見する可能性を増やし、1つの技術にロックインされるリスクをなくすことにもなる」とコメントしている。

高い精度で知的財産の侵害が発見できるのであればすごいサービスだが、今のところ他者の評価がない自社発表のみ。コンテンツベンダーからすれば関心の高い分野だけに、注目。

TechOn の記事
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080811/156329/

わざわざ7ページに分けてあるのが読みにくいが、内容的には非常にわかりやすい良記事。

 YouTube社がサーバーを置いている米国では,著作権侵害に問われないというのが,YouTube社の見解です。これまで同社は,著作権者の指摘を受けて問題があるコンテンツを随時削除したり,問題があるコンテンツを自動認識して削除する技術を開発したりしてきたからです。このような努力によって侵害を免責されるという主張の根拠は,米国で2000年に施行された法律にあります注1)

 ただし,YouTube社の主張に納得せず,努力が不十分であると考える著作権者もいます。例えば米Viacom Incは,2007年3月に著作権侵害でYouTube社を訴えており,現在も係争は続いています。YouTube社の現在の努力が十分といえるかどうかは,結局は裁判の決着を待つしかありません。

Viacomの裁判は米国内での運用に関して非常に重要な意味を持つことになるので、最終的な司法の判断を待たざるを得ない状況。日本の著作権者も固唾をのんで見守っているといったところか。

 一方,YouTubeのような動画共有サービスのサーバーを日本国内で運営すると,著作権者の許可なくコンテンツが掲載され閲覧が可能になった時点で,サービスの運営者は基本的に違法行為をおかしたとみなされます(図1)。日本の著作権法が著作権者に認めている「送信可能化権」という権利を侵害するためです。送信可能化とは,インターネット上のサーバーや,Winnyなどのファイル交換ソフトウエアを利用しているパソコンのように,一般の人たちの要求に応じて情報を自動的に送れる装置にコンテンツを記録することを指します。

 実際,日本音楽著作権協会(JASRAC)は,動画共有サイト「TVブレイク」を運営するジャストオンラインを,送信可能化権の侵害を根拠にして2008年8月6日に提訴しました。ただしジャストオンライン側は,2002年に施行された「プロバイダ責任限定法」の規定に基づきTVブレイクを問題のないように運営してきたと主張しており,JASRACと全面的に争う姿勢です。

これも結審を待つしかないのだが、上記の米国内、日本国内の両方の判例でこの業界の潮目は大きく変わることになる。

日本の裁判ではおそらくJASRACに有利な判断がなされると思うが、米国内での決着がYoutube側に有利になった場合には運用面での重大なジレンマを抱えることになる。

Internet Watch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/static/index/2008/08/12/hoshokin.htm

振り返る気にもなれないが、メモ。

Nikkei Business Online の記事
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080804/167132/?P=1

これまでの議論は、議論にもなっていない感じだったので、総務省ではなく、経済産業省が動き始めることで、いろいろと決まってくることに期待。

BB Watchの記事
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/22678.html

  E-Times Technologiesは、同社が運営するライブ映像配信サービス「Stickam Japan!」での楽曲使用について、日本音楽著作権協会(JASRAC)とJASRAC管理楽曲の利用許諾契約を7月31日付で締結したと発表した。

 Stickam Japan!は、Webカメラを利用してライブ映像を配信できるコミュニティサービス。今回の契約締結により、8月1日よりJASRAC管理楽曲をユーザーが演奏・歌唱した動画のアップロードが可能になる。対象はユーザーによる演奏のみで、市販楽曲やカラオケなどのアップロードは本契約の対象外。

 8月20日にはJASRAC管理楽曲用の管理機能を追加し、ライブ配信を行うユーザーはライブ配信終了後に管理機能からJARAC管理楽曲の使用を申請する。動画ファイルや一部アカウントで利用できる音楽ファイルの場合は、アップロード後にJASRAC管理楽曲かどうかをチェックする。申請を行わないユーザーに対しては、運営側から警告などが送られるという。

国内に法人をおいてサービスを行うには、当然に必要な流れ。

ただし、初期のブレイクの段階では、むしろ国内にブランチがあることがむしろ足かせになる可能性もある。その辺りが動画系のビジネスの難しいところ。

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/24/news117.html

 権利者にとって目に見える成果も出てきたという。成果とは(1)JEITA加盟社にも、権利者に理解を示すメーカーが出てきた、(2)補償金制度が報道されるようになり、消費者の関心が集まってきたこと――で、椎名さんは「プラス思考でいきます」と話す。

 (2)についてはアイシェアが7月7日に発表した補償金についての意識調査(ネットアンケート)で、24.2%が「補償金は著作権のためなら仕方がない」と、25.9%が「課金される補償金の金額次第(で受け入れる可能性がある)」と答えていたことを紹介。「課金されてもいいと考える人が55%に上っている。ネットユーザーを中心とした調査結果では、これまでに考えられなかった画期的な数字。少しずつだがユーザーの理解が進んでいる」(椎名さん)

すでにInternetWatchで報じられているが、IT Media News では上記の部分についての記述が加わった形。

アイシェア調査については、質問の仕方がいまひとつ(恣意的)な調査が多いが、これもその一つ。「課金に賛成か反対か?」と聞かれるとそれは当然反対と答える%が大きくなる。「権利者に対価報酬のための課金に賛成か反対か?」という質問であれば、また違った答えとなるはず。

日本人はモラルも高いので、JEITAの理不尽な主張が変質せず、一般に知られるところとなれば、ネットの一部のフリーライド賞賛の言論も、急に潮目が変わってくる可能性はあるはず。

 

TechCrunch Japanese
http://jp.techcrunch.com/archives/20080725redlasso-shuts-down-in-response-to-foxnbc-lawsuit/

ブロガーによるTV録画クリップの投稿を可能にした動画サイト「Redlasso」がベータ版サービス閉鎖に追い込まれた。Huluを運営するFox、NBCが最近起こした提訴を受けたもの。

Fox、CBS、NBCの各社は去る5月、著作権侵害でRedlassoにC&D取り下げ勧告を提出したが、Redlassoはこれを大幅に無視し、6月に入って大勢のスタジオ元幹部率いる「メディア諮問委員会」を結成し、TVネットワーク各社との関係円満化を図る方向に期待を繋いでいた。

8ヶ月前のサービス開始以来、Redlassoはブロガーたちの間で爆発的成長を遂げ、ニュース、ゴシップ、政治分野のトップのブログ多数がここの動画をブログに貼った。サイトではTV番組多数の録画フィードが視聴可能で、その“クリップ”の部分はサイトで再生用に使える。対象テレビ局には ESPN、Fox News、CNNも入っている。

Redlassoはコンテンツすべてを録画し、自社サーバーから配信しているのだが、そのいずれにも合法ライセンスは取っていない。同社はずっと長い間、これは憲法修正第1号で守られている行為であり、ブロガーが映像配信に使うスニペットもフェアユース範疇という信念でやってきた(埋め込みできるクリップの長さは最大たったの10分だ)。 スニペットにはフェアユース条項が適用できても、サイトが全放映回数分の映像をホストしていることには変わりない。実績のあるブロガー相手にしか流していないとしても。

サイトは今後、Bussinessサービス、“Radio to Web”サービスの顧客を対象に営業を続ける。

どう考えてもフェアユースには当たらない運用だけに、閉鎖はやむを得ないか。日本ではすぐに閉鎖が裁判所から命令が出るところ。

 

Internet Watch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/24/20367.html

 音楽や映像などの権利者団体で構成される「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」が24日に会見を開き、私的録音録画補償金制度の支払い義務者をメーカーにすべきと訴えた。また、補償金制度の見直しに合意しないメーカーの強気な姿勢の背景には「経産省の介入がある」と指摘。補償金制度の見直しを巡って、今後は経済産業省との交渉も辞さない構えを示した。

しばらく経産省とやり続けることになるだろう

 7月10日に開かれた私的録音録画小委員会では、電子情報技術産業協会(JEITA)の委員が、「DRMが施されているコンテンツなどの私的複製は、権利者の大きな経済的な損失が認められない」と発言。地上デジタル放送の新録画ルール「ダビング10」についても、「DRMが機能している範囲では、契約で許諾する私的複製と同じである」として、権利者への補償は不要であると主張していた。

 この点について実演家著作隣接権センター(CPRA)の椎名和夫氏は、「ダビング10などのように契約によって対価を徴収できない分野で、なぜ不利益が発生しないと言えるのか」と疑問を示す。また、DRMの普及に伴い補償金制度を縮小・廃止する前提で、当面は補償金制度を継続する方針を盛り込んだ「文化庁案」にJEITAが反対したことについても、「結局は、議論を振り出しに戻す『ゼロ回答』。2年間にわたる議論が、徒労に終わりかねないのは残念」と失望感を募らせた。

 椎名氏は、私的録音録画補償金制度の見直しに合意しないJEITAの“ちゃぶ台返し”の背景には、経済産業省の介入があると指摘する。「経産省は、メーカーだけでなくコンテンツ産業も所管する役所。これまでは補償金を巡る議論で何の調整も行わなかったが、土壇場になってメーカーの意を受けて介入してきた。コンテンツの権利者を屈服させようとしたことは、極めて由々しい事態だ。個人的には、PSE法が成立した際、『中古楽器が販売できなくなる』となったときに経産省と事を構えたが、経産省は大企業の方しか見ていなかった。結局、強きに流れてばかなことをやる体質は、何も変わっていない。今回もしばらく経産省とやり続けることになるだろう」。

補償金の支払い義務者をメーカーに

 補償金制度の見直しに合意しないJEITAの姿勢について椎名氏は、「補償金の負担のサイクルからメーカーが逃れようとしている」と非難。「メーカーがこれだけ補償金に強くこだわるのは、補償金の支払い義務者は事実上メーカーであるから」として、今後はユーザーに私的録音録画を可能にする機器・記録媒体を販売することで巨大な収益を得ているメーカーを、補償金制度の支払い義務者にすべきだと訴えた。また、「その話をする相手は今後考えた方がいい」として、経済産業省と交渉する姿勢も見せた。

 「メーカーは、補償金がかかれば製品の値段が上がると説明するが、おそらくそれは間違い。例えば、パナソニックのブルーレイディスク(BD)レコーダー『DMR-RB500』の価格を量販店と価格比較サイトで調べたところ、最安値と最高値の価格差が4万6806円もあった。仮に最高値で補償金額を算出してみると759円。メーカーと量販店との取引価格は、取引実績や市況で決まるので、759円が小売り価格に影響を与えることは少ないだろう。また、買い物の仕方次第で4万以上も損したり得したりする中で、759円が『法外な金額』とはいえない。

JEITAは補償金制度の自然死を待つために時間稼ぎをしている

 さらに椎名氏は、「瀕死の状態にある」という補償金制度の窮状を訴えた。私的録音録画補償金の徴収額は、2001年の 40億円をピークに右肩下がりを続け、2007年では12億円までに縮小したという。「権利者としては少しでもこの状態から脱することができればと思い、文化庁案を支持してきたが、もはやその意味合いは大きく薄れたと言わざるを得ない。JEITAにしてみれば、法改正に反対すれば補償金制度は自然死を迎えることから、明らかに時間稼ぎをしている」。
 また、日本音楽著作権協会(JASRAC)の菅原瑞夫氏は、補償金の対象にすることが決まったブルーレイディスク(BD)についても、「いまだに政令指定を受けていない」と指摘。北京五輪商戦として販売されているBD製品が、補償金制度の対象外になっている現状を示した。「政令指定後には補償金額の料率の交渉もある。そこでJEITAが延ばすとなると、実質的にはどうなるんだろうかという問題がある」。

 また、iPodをはじめとする携帯音楽プレーヤーを課金対象とする、いわゆる“iPod課金”については、MDやDATなど補償金額が少ない物を補償金の対象から外した上で、携帯音楽プレーヤーを新たに対象とすることも検討していると言うが、「そのことも(JEITAに)否定されている」状況だという。

 「フランスではiPhoneに2月から補償金がかかっていて、速やかに動いている。なぜ日本はこれができないのか。それには当事者間の合意が前提となるが、JEITAが『ノー』と言い続ければ合意は永遠に訪れないことになる。iPod課金にも法改正が必要となるが、それまでに補償金がどんどん少なくなっていく状況をどう考えていただけるのか」(菅原氏)。

JEITAの「そんなの関係ねぇ」発言は社会を愚弄するアウトローな主張

 日本映画製作者連盟の華頂尚隆氏は、「もし権利者側が地上デジタル放送のコピーネバーを主張していれば、機器や記録媒体は売れないのでメーカーの利益はゼロ、権利者もコピーが行われないので補償金による対価もゼロ、消費者の利便性もゼロ。ネガティブだが、フェアな構図」との持論を展開。しかし実際にはダビング10が解禁され、消費者とメーカーだけに利益がもたらされていると指摘し、「権利者にも適正な対価の還元があってもいいんじゃないか」と述べた。「JEITAは『デジタル環境でのコンテンツ流通はWin-Winであるべき』と発言しているのに、なぜかダビング10では補償は不要と言う。『そんなの関係ねぇ』みたいな感じだ。」(菅原氏)

 華頂氏は「そんなの関係ねぇつながりで」として、JEITAが7月10日に開いた記者会見で、「BD課金は、ダビング10スタートのために文科省と経産省が決めたこと。ダビング10開始は歓迎するが、対象機器についてJEITAが申し上げたことはない」と発言したことを指摘。「勝手に決めたことに従う意思がないというアウトローな主張。社会全体を愚弄するする看過できない発言だ」と厳しい非難を浴びせた。「両省の大臣は、ダビング10の環境整備のためにBDを課金対象にすると言っている。BDは、ダビング10の補償以外の何者でもない」。

 このほか菅原氏は、補償金制度が著作権を保護する文化保護制度のひとつであるとして、補償金制度に反対するJEITAの姿勢を改めて批判した。「JEITAの一連の発言や対応を見ると、文化保護の制度が要らないと言っているに等しい。そのような保護の制度がなぜ不要なのか、JEITAに証明してもらいたい」。

 「JEITAは議論が尽くされていないと言うが、2007年では17回の小委員会が開かれ、うち補償の必要性は8回も議論が出た。尽くされていないというのは、自分たちが発言していないのか、自分が思うような進み方がないと、議論がされていないというのかわかりませんが、いかがなものでしょうか。」

これまで表面上に出てきている記事などを読んでも、論理性で言えばJEITAのほうにはほとんどないに等しく、それでいて強気に議論を拒否している状況なので、矛先を経済産業省に変えるというのは正しい方法か。

 

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/10/news117.html

うんざりするだけの議論が続いている。感想は特になし。

 

NIkkei Net の記事
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCGG6834.html

 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米グーグル(Nasdaq:GOOG)の弁護団は3日、傘下の動画投稿・配信サイト、ユーチューブのユーザーを特定できる可能性のある情報の秘匿性を事前に高めることについて、米メディア大手バイアコム(NYSE:VIA)(NYSE:VIAB)に許可を求めた。グーグルは、ユーザーがどの動画を視聴したかの記録であるユーチューブの「ユーザーログ」を、判事の要請に応じてバイアコムに提出することになっている。

 この前日、ニューヨーク連邦地裁のルイス・スタントン判事は、グーグルに対する10億ドル規模の損害賠償を求めてバイアコムが提起した著作権侵害訴訟に関連して、ユーチューブのユーザーを結びつけるデータベースを、ユーザーがユーチューブを通じてこれまで視聴した全動画クリップとともにバイアコムに手渡すように、グーグルに命じていた。

 バイアコムの広報担当者は3日、同社がグーグルに要求したデータは、ユーザー個人の特定ではなく「ユーチューブとグーグルを相手取った訴訟において、当社の主張を立証する目的のみに利用する」とコメントした。また、このデータは「裁判所の保護命令に従って、極秘情報として取り扱う」と付け加えた。

 バイアコムは、ユーチューブとグーグルが著作権を侵害しているとする自身の主張を強化するためこのデータを要求している。特に、同社の著作権で保護された動画が他の素人作品に比べてどの程度視聴されているかを見極めたい考え。このデータは、バイアコムの著作権で保護されたコンテンツ(情報の内容)が、ユーチューブへのユーザーの呼び込みに寄与し、グーグルが金銭的な恩恵を受けているとする原告団の主張に関連づけられる可能性もある。

 ユーザー情報に関する議論は、ユーチューブのデータベースからいかに多くの情報が収集できるか、という議論が高まるなかで浮上した。データベースには、ユーチューブで動画を視聴するたびにユーザーに割り当てられる個別のログイン認証コードと、ユーザーのパソコンのインターネット・プロトコル(IP)アドレスが対にして集積されている。

 データベースには個人名や電子メールアドレスなど、個人を識別できる情報は含まれていない。ただ、グーグルにデータの提出を強制した裁判所の判断は、それがインターネットを通じて動画を視聴するユーザーの視聴パターンを暴露する可能性もあると危ぐするプライバシー擁護派の批判をすぐさま招いた。プライバシー保護論者らは、例えば、ユーザーがIDに自分の名前の一部を使用する例が多いと指摘する。

 グーグルの弁護団はバイアコムにあてた3日付の書簡で、法廷の請求が「著しい量の公的な抗議」を招いたことに言及。提出前にデータ中のユーザー名とIPアドレスを編集する許可を求めた。

 バイアコムの広報担当者明は声明で、同社がグーグルの懸念への対応を図っているとしたものの、書簡に書かれた具体的な要請に関するコメントは避けた。その上で「われわれはこの件に関する協力を続ける。バイアコムは、強力な機密保護を備えた枠組みを構築することを約束する」と語った。

 訴訟書類によると、グーグルは、バイアコムのユーザーデータの提出要請に対し、バイアコムが「ユーザーのログインIDやIPアドレスに基づいて、ユーチューブのユーザーの視聴・動画アップロードの習慣を把握できるようになる」として反論していた。

 スタントン判事は、プライバシーに関する懸念が「憶測的」とし、データベースは「個々の動画がさまざまな期間にどのような頻度で視聴されたか」を示す、現存する唯一の記録である、と書いた。

 プライバシー擁護派は、グーグルとユーチューブがそのユーザーと、ユーザーの利用するオンラインサービスに関して膨大なデータを保存していることを、こうした議論は思い出させる、と指摘。ユーチューブの広報担当者は、一部市場で特定の種類のコンテンツを禁止するより、法律に順じるため、またユーザー体験を向上させるため、同社はIP情報にこだわっている、とコメントした。

 スタントン判事は2日、この事案の一環として、ユーチューブにはサイトの設計図であるソースコードを提出する必要はない、と判断した。

 今回の裁判所の判断に対し、グーグルの主任弁護人であるキャサリン・ラカベラ氏は、グーグルが「ユーザーの私的な動画や、当社の検索技術にバイアコムがアクセスすることを退けるなど、裁判所が証拠開示手続きにある程度の制限を設けたことを歓迎している」と述べた。また、「視聴履歴に対するバイアコムの行き過ぎた要求を裁判所が認めたことに、われわれは失望した」と語った。

この件に関しての、双方の主張と判例、実際に提出されるデータの書式などは、今後の動画配信ビジネスにおける著作権侵害、および個人情報保護の観点などから重要な前例となる。

要注目。

 

Tech Crunch Japanese の記事
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/sports/ichiro/?1213236663

テレビ番組をビデオクリップとして直接エンベッドして引用できるRedlassoは、役に立つが賛否両論あるサービスだ。同社はこのほど訴訟好きな著作権所有者対策として「メディア諮問委員会(Media Advisory Board)」を設置、紛争について助言を受けることとした。委員会のメンバーにはViacomの元CFO、Michael DolanとParamount Station Groupの元社長、Anthony Cassaraが含まれている。2週間前にはRedlassoはCBSの元CEO、Michael Jordanを上級顧問に迎えている

Redlasso はブロガー(ブロガー以外は利用できない建前)に対し、テレビ番組の一部をビデオクリップとして自分の記事中にエンベッドできるサービスを提供している。このサービスはCNN、Fox News、ESPNを含む多くの放送局からの何時間分もの人気コンテンツを利用できるもので、たいへん便利だ。

ところが残念なことに、Redlassoはこのコンテンツを配信する正式なライセンス契約をなんら結んでいない。同社ではブロガーがビデオクリップを利用するのは「公正な引用(fair use)」に当ると主張しているが、この点については議論の余地がある。しかしそれ以前に、Redlassoのサーバ上には何千もの番組がアップロードされてブロガーなら誰でも閲覧することができる。これは明らかに著作権法違反だ。

先月、Fox、CBS、NBCはRedlassoにサービスの差し止め要求を出し、著作権のあるコンテンツをサーバから削除するよう要求している。またテレビ局側は、Redlassoがコンテンツ所有者との間になんら関係がないにもかかわらず、提携関係があるかのように偽装したとして非難している。これに対してRedlassoは「コンテンツ所有者にとってもメリットのあるような協力関係が成立することを目指して引き続き努力するが、当面サービスは継続する」と宣言した。一言でいえばテレビ局側の差し止め要求に従う気はない、ということだ。

もちろんRedlassoはコンテンツ配信契約を結びたがっている。(何年もネットワーク局と交渉を続けているということだ)。ということで、今回コンテンツ所有者側の大物を次々に雇い入れているのはこの著作権紛争対策なのだろう。しかしテレビ、映画の側ではHuluのような独自の配信チャンネルに莫大な投資をしている上に、こういったサイトもブロガー向けに引用可能なビデオクリップを提供しているのだから、RedlassoがこれらのOBのパワーにどれほど期待できるのか疑問ではある。

これを日本でやったら、テレビ局に連名で訴えられてサービス停止の命令が裁判所から降りそうなものだが、訴訟社会のアメリカでこの状態のまま続いているのが驚き。いずれにしても本道のビジネスではない。

ASCII の記事
http://ascii.jp/elem/000/000/132/132100/

タイトルからしてちょっとどうなのだろう、と思ったがこちらの先生のご意見ならこういう書き方のほうが自然。

権利者寄りの文化省側の見解に納得しにくい人も多いだろうことは分かる。しかし、「ユーザーの要請は無視するのか。」と一言でさらりとかいてあるのだが、「ユーザー側の声」は例のパブリックコメントの大多数の意見がそうであったように、無茶苦茶な論理で議論の土俵にのせられない、ということも大きい。ここが伏せてあるのがポイント。

正当なユーザーの要望というのを、もう少し整理すべき。

日本のアニメ文化が、日本の固有の広告代理店、テレビ局、スポンサー、制作会社という関係性がなければ育まれえなかったことを考えれば、日本独自のコンテンツ業界へのお金の回る仕組みをユーザーも巻き込んで考えてもいいと思う。(国が決めることでもないと思うが。)

 

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/12/news030.html

タイトルからするとだいぶ違う内容のインタビュー記事だが、独立系の著作権管理業者がどのようなスタンスでやっているのかがわかるよい記事。

独立系の著作権管理業者が生まれることによって、混乱ではなく適正な運用が進むことを期待。

 

フジサンケイビジネスアイ の記事
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200805120006a.nwc

 2008年4月1日、ニワンゴは動画の画面上にコメントを書き込むことができる動画共有サイト「ニコニコ動画」について日本音楽著作権協会(JASRAC)の許諾条件に同意し契約を締結、著作権侵害問題に適切に対処すると発表した。しかし、いまだに著作物の無断アップロードは続いている。

 インターネットコムとJR東海エクスプレスリサーチは「ニコニコ動画」に関する調査を行った。調査対象は、官公庁、地方自治体、民間企業に勤務する全国の20代から60代までの男女330人。回答者の中のうち「ニコニコ動画を知っている」と答えた149人に質問を行った。

 まず、ニコニコ動画を「利用したことがある」45・0%(67人)回答者に、ログインの頻度を聞くと、「週に1回程度」31・3%(21人)が最も多く、「月に1回程度」17・0%(12人)、「週に2~3回程度」11・9%(8人)が続いた。調査対象に30~40代が多かったためか、ログイン率はあまり高くないようだ。

 続いて、ログイン時の平均滞在時間を聞いたところ、「30~1時間未満」26・9%(18人)、「15分未満」25・4%(17人)、「15~30分未満」23・9%(16人)。約7割が1時間未満しか視聴していない。

 さらに、動画にコメントしたことがあるか聞いたところ、22・4%(15人)が「ある」と回答。しかし、動画コンテンツを投稿したことがあるかと聞くと「ある」と回答したのはわずか6・0%(4人)だった。

 ニコニコ動画に投稿されている著作物(アニメ、音楽など)について聞いたところ「良いとは思わないが、あってもいい」47・8%(32人)、「良いと思う」26・9%(18人)、「特になし」16・4%(11人)、「削除すべき」6.0%(4人)。 「良いと思う」「あってもいい」という回答を合わせると7割以上が著作物を投稿しても良いと考えていることがわかった。

 その他、「著作権は保護されるべき」「ネット時代にふさわしい著作権のあり方の過渡期にある」「アレンジしたものならいいのでは」「テレビで流れたものだからネットで配布されても仕方ない」「宣伝効果もあるため、一概にダメとはいえない」などの意見が挙がった。

コンテンツ提供事業者が7割もOKしてるのかと見出しでびっくりしたが、利用者側の意見。それはそういう結果になるのは必然。

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/08/news131.html

あまり議論の方向性が「明確なおとしどころ」に向けて進んでいない気もするが、利害が対立しているので仕方ないか。コンテンツ業界に金が回りにくい状況になっているのは事実なので、補償金が拡大してもよいのかもという印象が最近はある。

ガソリン税をなくして消費者に還元したところで、個人貯蓄に変わって業界全体に金が回らないような悲惨な状況になるのであれば、とりやすいところから吸い取って、業界にお金を回したあとで、使い道は徹底的にチェックするような形のほうが当面の活性化にはつながるのかも。

議論の方向性については、引き続き傍観。

 

毎日.jp の記事
http://mainichi.jp/life/electronics/cnet/archive/2008/05/02/20372582.html

 ニューヨーク州南部地区米連邦地方裁判所は米国時間4月30日、AOL、RealNetworks、Yahooのオンラインメディア大手3社のウェブサイトでストリーミング配信された楽曲について、米国作曲家作詞家出版者協会(ASCAP)が「妥当なライセンス料」の支払いを受ける権利を有しているとの判決(PDFファイル)を下した。

 現在、これら3社が所有するサイトで配信される楽曲は広告付きで、ASCAPへ分配金は支払われていない。

 3社に対する適切なライセンス料は、これから裁判所が決定する。AOL、RealNetworks、YahooはいずれもASCAPライセンス適用を申し出ていたが金額で合意に至っていない。ASCAPは32万以上のソングライター、作曲者、(レコード会社以外の)音楽パブリッシャーを代表する団体で、3社からの支払いの総額は1億ドルにのぼる可能性がある。

 このライセンス料は、2002年7月1日から2009年末までに配信された音楽を対象とするものだ。ソングライターと作曲者は、他のアーティストによって演奏された楽曲の配信についてレコード会社と取り決めをしていないことが多く、現在のところ、今回の訴訟の当事者となった3社によるデジタル配信について使用料を受け取っていない。

これはインパクトの大きいニュース。これが判決が履行されたら、AOLはともかく、Yahoo、RealNetworks は経営上の問題も発生するのではないか?

TechCrunch Japanse にも関連記事。
http://jp.techcrunch.com/archives/20080501aol-realnetworks-and-yahoo-get-100-milliion-bill/

収益の2.5%の5年分というのは、市場に減速感のある現状では、いかにも厳しい。

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/04/news128.html

 「JEITAの大きな変化を、高く評価したい」――日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本レコード協会など24の権利者団体と65の賛同団体 で構成する「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」は4月4日、私的録音録画補償金問題に関して、エレクトロニクスメーカーの業界団体・電子情報技術 産業協会(JEITA)の「譲歩」を歓迎すると表明した。今後はiPodやHDDレコーダーなどが補償金の課金対象になるよう、文化審議会の小委員会など で訴えていく。

 私的録音録画補償金問題をめぐっては、権利者側とJEITAの主張が対立していた。権利者側は、地上デジタル放送の録画ルールを「コピーワンス」 から「ダビング10」に緩和するためには補償金が必須とし、「ダビング10の合意にも、補償金制度の継続が含まれている」と主張していた。

 これに対してJEITAは、「DRM(デジタル著作権管理)があれば補償金は不要」と訴え、ダビング10というDRMが採用される地上デジタル放送機器は、補償金の課金対象にすべきではないと主張してきた。

 権利者側は「JEITAは一度合意した内容を破棄しようとしている」と、真意をただす公開質問状をJEITAに送付するなどし、「補償金制度撤廃に議論が動くなら、6月2日のダビング10への移行が凍結される可能性がある」とJEITAをけん制していた。

「文化庁案」で歩み寄り

 補償金の扱いや課金対象については、文化庁文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」などで、権利者やJEITAの代表者を交えて議論し てきた。だが「最初に議論が始まってから4年近く経ち、原理主義的な理想論がいろいろな立場から述べられて収集が付かなくなっていた」と、実演家著作隣接 権センター運営委員の椎名和夫さんは指摘する。

 こう着状態を打破しようと、文化庁は今年1月17日の小委員会で折衷案を提示。「権利者がコンテンツの複製回数をDRMで完全にコントロールでき れば、補償金は不要になる」という前提に立ちながらも、「当面は補償金による対応が必要な分野」として、(1)音楽CDからの録音、(2)無料デジタル放 送からの録画――を挙げた。

 この案では、ダビング10は「権利者が策定したルールではない」として権利者への補償が必要という考え。ダビング10対応の地上デジタル放送録画機器も、補償金の対象に含めることを検討すべきという方向性を示した(関連記事:「DRMが普及すれば補償金縮小」で合意へ

 4月3日に開かれた今期第1回の私的録音録画小委員会で、 JEITA著作権専門委員会委員長の亀井正博さんは「文化庁案に沿って、バランスの取れた解を見つけるために真摯(しんし)に努力する」と発言。権利者側 はこれを「JEITAが、デジタル放送録画機器への補償金課金を含む文化庁案を容認する意思表示」ととらえ、「大きな変化」と歓迎した。

 「こう着した議論の中では、まず誰かが一歩降りる必要がある。コピーワンスの緩和でまず降りたのはわれわれ権利者だったし、今回も一歩降りてい る。6月2日にダビング10が実施できるかのボールは今、メーカー側にある。よりよい解決の方向に決断をいただきたい」と椎名さんは述べる。

HDDレコーダーやiPodへの課金目指す

 文化庁案では、補償金維持を検討する分野として(1)音楽CDからの録音、(2)無料デジタル放送からの録画――を挙げている。権利者側は(1) について、iPodなどデジタル音楽再生機器を、(2)については、HDDレコーダーやBlu-ray Discレコーダーなどを新たに、補償金の課金対象に加える方向だ。

 「消費者が使うメディアはシフトしているのに、補償金の課金対象機器は変化がない。同じ録音・録画ができるのに、課金される機器とそうでない機器 があるという不公平な状況の中、補償金は年率2割ずつ減り続けている」と椎名さんは指摘。「中間整理の段階で、録音・録画専用機器については、課金対象に 加えることでおおむね合意した」と話す。

 PCなど汎用機器については「どの程度録音・録画に利用されているかを調べて、その割合にあった金額を按分するといった手があると思う。今後、議論になっていくだろう」とした。

 文化庁案は、補償金は暫定的に維持するものの、DRMの普及を見ながら順次、制度を縮小していくという方向性を示し、権利者側も受け入れる方向 だ。これについて椎名さんは「権利者の大幅な譲歩、と理解されているが、消費者の利便性を損なわず、権利者の利益も損なわない状態が実現するのならば大き な前進であり、妥協でも挫折でもない」と話す。

 「だが、補償金制度が縮小すると、ユーザーが無許諾で行える私的複製の範囲が狭くなり、許諾を必要とする複製が増える。それがユーザーにとって望ましいか議論する余地を文化庁案は残しており、議論は続くと思う」


JEITAが「保証金の制度自体をなくすべき」としていることのメリットがJEITA自体にもあるのかが分からない。この手の商品で、値段が10%下がっ たからといって、売上が10%上がるわけもなく、コンテンツの権利者との対立の構図を作ってしまうこと自体が大変なデメリットで、何も得はないようにすら 思える。

上記の記事中で、「権利者がコンテンツの複製回数をDRMで完全にコントロールでき れば、補償金は不要になる」という前提自体が将来においてありえない話に思える。それでは、DRMで完全だと宣言しておいて、破られたときにはJEITAが完全に責任を持って補償するということか?

Cnet Japan の記事
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20370104,00.htm

 「昔はCDを買った人がクラスのヒーローだったが、今はどこからかコピーを持ってきた人がヒーローであり、お金を出して購入した人は負け組になっている」――著作権問題をめぐる議論に関して、ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏は現状の問題点をこのように指摘する。

 これは3月25日に東京都内で開催された、社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)主催のシンポジウム「動画共有サイトに代表される新たな流通と著作権」のパネルディスカッションにおいて述べたものだ。

川上量生氏 ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏

 川上氏は、「デジタルコンテンツで収入を得る場合、現在はコンテンツのコピーに対して課金している。DRM(著作権管理技術)が100%完璧なら問題はないが、実際のところ、何らかの方法でDRMを破って無料でコピーを手に入れることができる」とデジタル技術が抱える課題を指摘。

 その上で、実際に高校生に聞いた話として、「着うたなどでも『無料のものを探してもみつからなかったから、仕方なくお金払った』と言う。お金を払った人が負け組だという意識を解決しないと、ユーザーはデジタルコンテンツに対してお金を払わない」として、コピーに課金すること自体、構造的な問題があるとした。

 川上氏が代わりの方法として提言するのは、サーバへのアクセス権に課金するという方法だ。「海賊版が横行する中国のゲーム業界で、唯一成立しているのがサーバ型のオンラインゲームだ。サーバのデータはコピーできないので成り立っている」

 同様のモデルを採用している事例として川上氏が挙げたのがAppleだ。AppleはDRMフリーの楽曲をiTunesで配信したり、映画を視聴期間を限定するレンタル方式でオンライン配信したりしている。「サーバ上の権利に課金し、ユーザーはそのコンテンツをいろいろなところで使えるようにしている。そこ(使い方)にはできるだけ保護をかけないという方法だ。購入したものをユーザーが自由に使える状況になれば、お金を払った人がヒーローになる」(川上氏)

 この川上氏のアイデアには、パネルディスカッションのコーディネーターを務めた中央大学法科大学院教授で弁護士の安念潤司氏が「著作権とはコピーライト(コピーに関する権利)のことであり、『コピーに対して課金するのではない』という考え方は、著作権の根底を覆すものだ」と驚きの声を上げた。

 川上氏はニコニコ動画を運営するニワンゴの取締役も兼任している。ニコニコ動画では、権利者の許諾を得ない動画がアップロードされて問題になっているが、この点については「動画にIDを付与して、違法動画を自動検知する仕組みを開発している。ユーザーと権利者がニコニコ動画という環境でビジネスをしたり、楽しんだりできる文化を共有できるように、著作物を管理する仕組みを検討している」として、著作権者が柔軟にコンテンツの利用管理ができる環境を整えているとした。

 JASRAC のシンポジウムなだけに、従来の建前論が並ぶ。あまり目新しいことは、なし。

遅ればせながら、JASRACと投稿サイトの著作権協議のニュース

IT Pro のニュース全文を引用
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20071030/285961/

 映画やアニメ、テレビ番組などが勝手に大量にアップロードされ、見放題。ユーザーが重宝がる一方で権利者側は怒りをあらわにする。提供会社は違法動画の削除にも取り組むがモグラたたき状態で、権利者との溝は広がるばかり――動画投稿サイトの著作権をめぐるそんな状況が、大きく転換する兆しを見せている。

 動画投稿サイト世界最大手の米YouTube。再生中の動画の画面上にコメントを付けられるという独自機能でユーザーの支持を急速に広げている「ニコニ コ動画」の運営企業、ニワンゴ。この2社がそれぞれ、日本音楽著作権協会(JASRAC)との間で音楽著作権の包括許諾に向けた協議を始めたことが、 2007年10月30日に明らかになった。

包括許諾のガイドライン「順守する」と表明

 JASRACは、動画投稿サイトに対して音楽著作物の利用を包括許諾するためのガイドラインを2007年6月に策定している。包括許諾とは、ユーザーが個々の二次利用についてJASRACに許諾を求める代わりに、動画投稿サイトの運営者がJASRACと 協議し、そのサイト内で投稿される動画においてまとめて許諾を得るという仕組みである。サイト運営者は、どんな楽曲がどの投稿動画で使われ、どの程度のア クセス数があったかを記録しておき、まとめてJASRACに著作権使用料を支払う。ユーザーがJASRACに許諾申請する手間をなくし自由に楽曲を使える ようになる。サイト運営者にとっても、音楽著作権に関する権利処理を事前にクリアできるため動画投稿サイトの運営が容易になり、集客にもプラスに働くなど メリットは大きい。

 このガイドラインはもともと、動画投稿サイトの開設を計画していたヤフーの要請を受け、同社と協議の上でJASRACが策定したもの。許諾条件は いくつかの項目に分かれているが、例えば「運営者側の責任によるアップロード作品の目視などによる事前チェックもしくは事前と同等のチェック」などによ り、違法動画を運営者が積極的に削除する態勢作りなどを求めている。また、利用者のパソコンなどにデータが蓄積されない「ストリーム形式によるサービスで あること」も条件に含まれる。

 ヤフーはその後、動画投稿サイト「Yahoo!ビデオキャスト」の本格サービスを2007年6月25日に開始。それと同時に、JASRACとの間 で音楽著作権の包括許諾について仮許諾を締結した。著作権使用料の算定基準は、Yahoo!ビデオキャストにおける音楽の利用実態などを踏まえて算定する 予定としており、現在は利用状況などのデータを収集しながら両者で意見交換を進めている段階だ。

 JASRACはこの包括許諾のためのガイドラインを策定した2007年6月、動画投稿サイト約40社向けに送付。同年7月にはJASRACの Webサイトで公表している。このガイドラインについて、YouTubeとニワンゴがそれぞれ順守する旨をJASRACに対し申し入れ、包括許諾に向けた 協議入りを求めた。「YouTubeからは10月26日に、ニワンゴからもごく最近申し入れを受けて協議に入ったところ。公表されているガイドラインを順 守すると表明しているのだから、JASRACとしては当然協議入りを拒む理由はない」(JASRAC広報部)。

他事業者・団体との協議に弾みも

 現時点では協議入りをしたばかりであり、YouTubeもニワンゴもJASRACとの仮許諾にこぎつけるかどうかは「今後の協議次第」 (JASRAC広報部)である。例えば、YouTubeが開発している違法動画の自動検出・削除ツールが十分に機能しないとJASRACが判断すれば、 YouTubeは違法動画の監視・削除態勢の強化を迫られる可能性がある。

 また、Yahoo!ビデオキャストとJASRACの仮許諾と同じく、許諾の範囲はJASRACが管理している音楽分野の著作権のみである。動画に ついては許諾の範囲外であり、音楽でも原盤権・実演権などの著作隣接権は包括許諾されない。包括許諾によりユーザーが自由に投稿可能になるのは、アマチュ アバンドの演奏や児童・生徒の歌唱など一部にとどまる。例えば市販されているCD音源を動画のBGMとして使うには、JASRACに加え各レコード会社の 許諾が必要である。

 とはいえ、動画投稿サイトの分野で強い影響力を持つYouTubeとニワンゴが権利者団体と積極的に話し合う姿勢を明確にしたことで、今後はコン テンツ事業者や著作権団体と動画投稿サイトが歩み寄りを見せる場面が増えそうだ。既にYouTubeは2007年7月にアニメ配信事業者のGDH、スカイ パーフェクト・コミュニケーションズ、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)、吉本興業などとの協業を発表済み。ニワンゴも、音楽チャンネル「MTV」の日本向け事業を手掛けるViacom International Japan、エイベックス・エンタテインメント、エフエム東京(TOKYO FM)子会社のティーエフエム・インタラクティブ、吉本興業などとの協業を表明している。ヤフーは食品メーカーや映画会社などの広告主と共同で、特定の テーマに沿った投稿動画を募集するといったタイアップ企画を複数実施済みだ。

 今後、こうした各社を中心に、プロモーションの一環として楽曲を限定して動画投稿サイトにおける二次利用を自由化するといった取り組みが出てくる可能性がある。


この動きは、動画を投稿サイトに投稿するだけではなく、一般のサイトを作成する場合にすら重要なニュース。技術的な問題よりも、このあたりの問題のほうが普及のためのブレイクスルーを阻害しているようなところもあるので、何が白で何が黒かということについての明確なガイドラインがあり、かつそれに合意したという実績ができていくことがカギ。


Internet Watch 9月の記事。
文化庁の著作権法第30条が認める著作物の私的複製の適用範囲についての記事。重要なので、全文引用。


私的録音録画小委員会の2007年第13回会合
 私的録音録画補償金制度の抜本的な見直しを図るために、文化審議会著作権分科会に設けられた「私的録音録画小委員会」の2007年第13回会合が、26 日に行なわれた。今回の会合では前回に引き続き、これまでの議論をまとめた「中間整理(案)」をベースに、著作権法第30条が認める著作物の私的複製の適 用範囲などについて議論が交わされた。

 中間整理案では、違法録音録画物や違法サイトからの私的録音録画について、第30条の適用範囲から除外することが適当であるとしている。これが 法制化された場合、海賊版からの録音録画をはじめ、違法ダウンロードサイトやファイル交換ソフトで入手した違法コピーから著作物を録音録画することは違法 行為となる。ただし、罰則については適用されない見込みだ。

 なお、本日の会合では、第30条の適用範囲から除外について検討してきた「違法録音録画物、違法サイトからの私的録音録画」の利用形態の説明と して、「視聴のみを目的とするストリーミング配信サービス(例 投稿動画視聴サービス)については、一般にダウンロードを伴わないので検討の対象外であ る」という脚注を追記することが事務局から提案された。

 この脚注を加えた理由について文化庁著作権課の川瀬真氏は、一部の新聞や雑誌で「YouTube」などの動画共有サイトを視聴することも第30 条の適用から除外されるという記事があったためと説明。この点については「誤解である」と述べ、視聴のみを目的とするストリーミング配信は一般にダウン ロードを伴わないため、動画共有サイトを視聴するだけでは違法行為にはならないとする見解を示した。

 なお、YouTubeなどの動画共有サイトを視聴する際には、動画ファイルのキャッシュがPC内のHDDに一時的に保存される。この点について IT・ジャーナリストの津田大介氏は、「違法ダウンロードが法制化された場合は、キャッシュとして保存することも複製と見なされ、違法行為になってしまう のか」と疑問を示した。

 この質問に対して川瀬氏は、「それが複製にあたるかどうかの知識はない」と前置きした上で、2006年1月に提出された文化審議会著作権分科会 報告書の内容を紹介。それによれば、文化審議会著作権分科会に設けられた「法制小委員会」において、仮に現行の著作権法でキャッシュが「複製」と解釈され ても、権利制限を加えるべきではないとする見解が示され、法改正事項として挙げられていると答えた。

日本レコード協会、違法ダウンロードへの民事訴訟「ないとはいえない」

 違法サイトなどからのダウンロードを第30条の適用範囲から除外することに反対意見を表明し続けている津田氏は、権利者団体がユーザーに対して、法改正が実施された場合に民事訴訟を行なう意思の有無を確認した。

 これに対して日本レコード協会の生野秀年氏は、法改正後にはまず啓発活動でユーザーに違法行為であることを伝え、適法サイトであることを示す識別マークを普及させることが優先としたが、悪質なユーザーについては「訴訟しないとはいえない」と回答した。

 さらに津田氏は、法改正で違法サイトからのダウンロードが禁止されれば、「お前は違法ダウンロードをした」と脅して、金銭を振り込ませる架空請 求メールが増えると指摘。罰則が適用されないにもかかわらず、わざわざ法改正を実施するとすれば、「消費者に混乱をもたらすだけ」とコメントした。また、 送信可能化権によって違法アップロードを取り締まれば、新たに違法サイトからのダウンロードを取り締まる必要はないと訴えた。

 続けて津田氏は、動画共有サイトに公開されている動画について、専用ソフトを使ってダウンロードする行為は「情を知って」録音録画することにな るのか質問。これに対しては川瀬氏が、動画共有サイトに違法著作物がアップロードされていることを理解している場合は「情を知って」に該当すると回答。さ らにストリーミング配信から専用ソフトで動画をダウンロードすることが、コピーコントロールを回避する行為と認められれば著作権侵害になると答えた。

 なお、これまでの会合では「違法サイトと知らずに利用した人にまで権利侵害とするのは行き過ぎ」などの意見が出たことから、中間整理案には「違 法サイト等と承知の上で(「情を知って」)録音録画する場合や、明らかな違法録音録画物からの録音録画に限定する」など、利用者を保護する記述が盛り込ま れた。


関連情報

URL
  私的録音録画小委員会(第13回)の開催について
  http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/kaisai/07091308.htm

関連記事
私的録音録画小委員会、違法サイトからの私的複製禁止に異論も(2007/09/13)


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