動画配信とSEO(VSEO)に関するブログでタグ「ニコニコ動画」が付けられているもの

先日来話題になっている、社員に反省文を読ませる動画をアップロードした社長の会社が業務に支障が出るようになり、動画を削除したとのこと。

ソース:
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0811/27/news099.html

しかし、本日時点ではニコニコ動画の動画は削除されておらず、会社名で Google 検索した場合に上位表示されたままである。そのほか今回の件を取り上げたブログなどが上位表示されている。

また、Youtube 内でも勝手にコピーをして、再アップロードしているのもいるようなので、いずれまたじりじりと順位を上げてくるかもしれない。

こういったことが、異様な盛り上がり方を見せるのがなんとも不思議だが、「実際に起こってしまう」ということは事実なのでそういったことに対する対処法は必要である。
ソース
http://www.j-cast.com/2008/11/25030869.html

株式会社〇ァースト〇テップという会社の社長が、遅刻社員に駅で反省文読ませる様子をYouTube公開したことが、ネット上で騒ぎになっているらしい。具体的な内容については、上記記事を参照として、その会社名で Google 検索すると、Youtube のページとニコニコ動画のページが上位表示されている。

ここに至るプロセスにおいて、以前レピュテーションマネージメントの記事で書いたとおりの展開となっている。

http://www.privatestreaming.com/seo/2008/10/seotips.html

つまり、企業名で検索して動画が上位表示されるというのは、

「順序としては主要なフォーラムな どで散々見られた後で、Googleには上位表示されている可能性がたかく、むしろ、Google の結果に出てきている頃には手遅れ」

ということになるのだろう。

上位表示されているもののうち、youtube に上がっているものについては自分でアップロードしたもののようなので、それは削除すれば検索結果からは消えるかもしれないが、ニコニコ動画のものについてはおそらく他人が勝手に上げたものなのですぐにはコントロールできない状況になっている。これからまとめサイトのようなものも出てくるかもしれない。

動画を公開するということはかなりインパクトも強いが、ネガティブに働く場合のダメージも大きいので特に社長ブログなどにおいては、慎重に行うべきであろう。


今週私自身は気がついたが、ニコニコ動画もサムネイルつきで表示されるようになっている。

10月には自分のチェックしているキーワードでは確認できていなかったので、比較的最近インデックスされるようになったのではないだろうか。

Google Video で引っかかってくるということは、ユニバーサル検索の動画検索結果にも表示されるということなので、これからさらに国内ではニコニコ動画のプレゼンスが上がってくることになるのかもしれない。(今後はYahoo! でもさらに有利に働いてくることは間違いがなさそうだし。)

ここは注意深く観察が必要である。
先日、嘉悦大学がニコニコ動画に教育機関としては初めてニコニコ動画に公式チャンネルを設置することを発表した。

ソース
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/06/21435.html

それから数日のうちに「嘉悦大学」で検索すると、該当のニコニコ動画の公式チャンネルが1ページ目に表示されるようになり、そのまま今日時点では上位に表示されている。Google の場合は、いわゆる Google ハネムーンのような現象もあるので、これから落ちることも考えられるが、おそらくは何も対策をしなければこのまま上位表示され続けることになるだろう。

ここで問題なのが、ニコニコ動画にアップロードした学長のメッセージ動画についたコメント(しかも画面上でスクロールされる)が、見るに堪えない下劣なものばかりであるということである。他の教育機関はこういったことの懸念があるために、ニコニコ動画への公式チャンネルの設置に二の足を踏んでいたため、嘉悦大学が教育機関としては初の公式チャンネルを持つという形になったのだろう。

初めてこういった試みを行った大学の学長の動画へのコメントを、このままの状態でさらし続けるようでは、ニコニコ動画は「まっとうなサイト」としての評価をますます得にくくなるのではないかと思うが。

動画を使った活動というのは、インパクトがあり、しかもものすごいスピードで伝播していくだけに、かなり注意深く行っていく必要がある。
ソース:
http://www.reelseo.com/video-seo-defensive-reputation-management/

かなり良い記事だと思うが、最近は英文を全訳するモチベーションがわかないので、ところどころ英語で引用。

we could summarize defensive reputation management with video using two key strategies. 1) Bumping down the negative video with your own positive video (through SEO and buzz), and 2) taking any appropriate legal action to have the negative video removed.
現実的には確かにこの2つくらいしかやりようがない。日本ではアメリカよりコンテンツの著作権違反や人権侵害みたいなことへの判断が厳しめに出そうな雰囲気があるので、実際には2)の対応だけでかなり対応できるかも。

“Our clients are mostly concerned with the Google search results pages (SERPs).  If a video link is on the first page they that’s where it’s really of concern to them.” Says Jordan. “Buzz monitoring, or proactive tracking, is another matter. But it really seems to come back to the Google SERPs.”
確かに、自分に関わる固有名詞等でサムネイル付きでGoogle に上位表示されるのは気になるだろう。これに加えて、日本ではニコニコ動画のコンテンツが上位表示されて、その動画が盛り上がっているのを見るのは心理的に相当なダメージになりうる。

“If you see a negative video and decide to get it removed a good intermediate step is to post your own positive video,” says Jordan. “Its helpful to have a whole slew of [your] videos out there,” focusing on shorter format which will allow for more quantity. That way you will have more videos co cross-link them to each other, both on your site and in the video sharing sites such as YouTube.”
上記の手法については、ちょっと個人的な見解とは違うものの、一応米国の専門家のコメントとしてメモ。

When does the time come that just a positive Video SEO strategy isn’t enough, and legal action may need to be taken? “Sometimes you really have no choice.

とか、
Jordan says to resist the temptation to post public comments in response to a negative video about your company, brand, or person, even in the case of making a correction.  “It’s like a retraction a newspaper makes days after the original article is published, who reads it, and the damage is done.” Hey says. ”And once you do it, its may be out there forever” and you can’t take it back.
は鋭い指摘。ネガティブなものに対してネガティブに行動を起こすのは、むしろ傷口を広げてしかも未来永劫残る可能性はあり。むしろ放っておくほうが最善ということもありうるだろう。


日本国内での動画投稿サイトとして無視ができないニコニコ動画だが、主要検索エンジン2社、Yahoo! とGoogle インデックスの方法はおそらく違う。

Google の場合は、ログインしていない状態表示されているページだけをクロールしているようである。Google のキャッシュを見ても、サインインしていない状態でそのページにアクセスした際のログイン画面を取得している。

ニコニコ動画がYoutube と比べてGogle であまり上位に表示されない理由は、ログイン画面をクロールしているので、内部リンクがあまり有利に働かないという部分も大きいのだろう。

一方、Yahoo! の日本語版に関しては、インデックスのされ方として、
「ニコニコ動画から提供されたインデックス」
「クローラーで取得してインデックス」
があると思われる。

このあたりがどのように使われているのかは、正直判然としない。前者はもしかしたら、まだ動画検索にしか利用されていないのかもしれない。Yahoo!の動画検索でニコニコ動画がサムネイル付きで表示されるのは、ニコニコ動画から提供されたインデックスを利用していると考えるのが自然だろう。

一方、Yahoo! のサイト内検索でニコニコ動画のキャッシュを調べてみると、Google と同様に、サインアウトした状態での、ログインを要求する画面がキャッシュされていることがほとんどである。たまにそうでないものもあるので混乱するのだが。

個人的な観察では、前回・前々回のYSTアップデートがニコニコ動画に若干有利に働いているように見えたが、それは実際には提携関係があるニコニコ動画に(「信頼サイト」のような)特別なパラメータがあるわけでもなく、外部リンク要素など汎用的なSEO要素が、観察したページやキーワードで、たまたま有利に働いている、と考えたほうがよいのかもしれない。

このあたりは、アップデートの度ごとに大きく傾向も変わると思われるので、その都度確認していくしかないか。
日米のYahoo! の検索スタッフからアップデート情報が提供されていて、SEO関連のブログでは当然ながらさっそく話題に。

Yahoo! Search Blog ~ Weather Report: Yahoo! Search Index Update
http://www.ysearchblog.com/archives/000625.html

Yahoo! 検索スタッフブログ ~ Yahoo!検索 Index Update
http://searchblog.yahoo.co.jp/2008/09/yahoo_index_update_3.html

ブログ各所でレポートされているとおり、今のところ一般サイトでの動きはそれほど大きくないように思う。(前回のアップデート時にほんの短い期間にだけ現れた1ドメインのSERP独占現象は現れていないが、あれはおそらく単なるフィルタのかけ忘れのようなものだったのではないかと推測。)

動画サイト関連の動きで行くと、やはりニコニコ動画が全般的に少し有利に働いていそうな感じで、以下のような全くコンテンツのないページなどが比較的ビックなキーワードでさらに上位に表示されていたりする。
http://www.nicovideo.jp/watch?v=utNQjj2HZH8-s

リンク元をたどってみると、やはりゲーマー関係のブログからリンクが張られている。以前はこのページにゲーマーが喜ぶ動画があった模様。

ニコニコ動画とYahoo!との提携の強化によって、GoogleでのYoutube のように、これからニコニコ動画がYahoo! で上位表示されやすくなるのだろうとは推測されるが、ニコニコ動画内の質の悪いページやその残骸がSERPに上位に頻出するようになると、Yahoo! にとってもあまりよくないこのことのように思うのだが・・・。しばらくは試行錯誤が続くのだろう。

そのほかの投稿サイトなどもユニバーサル検索でも、少し有利に働いている感じはあるが、相変わらず Youtube はサイトの規模や人気の割にそれほど上位には来ていないか。

ここ数日で少しずつ動くと思われるので、このあたりの傾向についてはこのまま推移するか要観察。


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