動画配信・DRM・VSEO・動画マーケティングでタグ「stage6」が付けられているもの



TechCrunch Japanse の記事
http://jp.techcrunch.com/archives/liveuniverse-trying-to-acquire-stage6-from-divx-2/

Stage6を巡る奇妙な話はてっきり終幕とばかり思っていたが、Brad GreenspanのLiveUniverseが絡んできて、話のプロットがまたさらに厚みを増した。

LiveUniverseから出た情報リリースによると、DivXの2月25日のサイト閉鎖に 先立ち、LiveUniverseはStage6に買収のオファーを提示していたようだ。提示額はキャッシュ&キャリッジで$11M(1100万ドル)、 プラスStage6とDivXソフトウェアのプロモーションに対する株主持分。そう明記した上で、LiveUniverseはDivX取締役会が「5日以 上の期間に渡りLiveUniverseとの直接対話に応じなかった。そしてその間にDivXはStage6を閉鎖した」と主張している。

サイトは2週間近く閉鎖が続いている。にも関わらずLiveUniverseは未だに買収したがっており、会社に売却に応じるよう圧力をかけて欲しいとDivX株主に呼びかけている。 DivXの株主はwww.livevideo.com/SaveStage6に行って、そこで「イニシアティブに参加し、株主にとって正しいことをするよう取締役会に積極的に働きかけることができる」。

「社外向けの電話やメールは毎日あるのに、Stage6買収目的で最初に紹介を受けたDivX法務顧問David Richterはじめエグゼキュティブには誰一人としてLiveUniverseからは連絡がつかなかった。今も捕まらない」とLiveUniverse は主張。「上場会社の経営陣は株主に対し、株主の利益を代表し最善のビジネス交渉を得る努力を行う信認義務を負う。それが何よりも先決であり大事なこと だ」、「当時も今も、より優れた手堅い買収提案がLiveUniverseからあるにも関わらずDivX取締役会はサイトとそのコミュニティの破壊を決め た。このことは、売却の適正なプロセスを踏まえていたかどうかに対し疑問を提起するものである」

LiveUniverseの記述でひとつ抜けているのは「なぜ?」の部分だ。なぜ彼らはStage6を買収したいのか? もちろん素晴らしいサイト だった。トラフィックも何トン分もあった。でもあれはただBitTorrent式に海賊版コンテンツのバイキングがダウンロード抜きで楽しめるから素晴ら しかったのであって、海賊版映画を抜いてしまったらStage6のトラフィックなんて意味ない。LiveUniverseはあのサイトについて僕らが知ら ない何かを知ってるのだろうか? それでなかったら彼らは大きなリスクを背負い込むことになる。

これから再開されたとしても、記載されているとおり、違法コンテンツの巣窟にならない限りはサイトのトラフィックの維持は難しいので、このままひっそりとなくなるべきと思うが。
Tech Crunch Japanse の記事
http://jp.techcrunch.com/archives/serious-drama-and-lots-of-stupidity-behind-stage6-shutdown/

昨日(米国時間2/25)サンディエゴの「DivX」が人気動画サイト「Stage6」の閉鎖を発表した。 サイトは月間ビジター1740万人。みんな満足していただけに、利用者は驚きと落胆をもってニュースを受け止めている(閉鎖発表の投稿には5000件を超えるコメントがついている)。

DivXのサイト閉鎖の理由を巡っては「海賊版対応の問題」というものから、「HDコンテンツを全部配信するのにかかるCDNコストが雪だるま式に 嵩んだ」ことまで、いろんな噂が飛び交ってるが、複数のソースから得た情報によると現実に起こったことはDivX取締役レベルのエゴの醜いぶつかり合い だ。そのとばっちりでチームのスタッフが粗方、会社を単に辞めてしまった。つまり早い話が、DivXは絶対勝利間違いなしなところから一転、敗北したので ある。

まず最初に経緯をざっくり振り返ってみよう。

- DivXは2006年後半上場に踏み切る直前に、DivXコーデックのケーパビリティを披露する手段としてStage6をローンチし た。PRらしきことは何もしなかったのにサイトにはあれよあれよという間にユーザーが集まり、ベータ版公開の2007年半ばには利用者が数百万人、ページ ビューは数千万件という人気サイトになっていた。なにしろキーは高品位な動画。―ユーザーは迷いもなくこれに飛びついた。

DivX共同ファウンダー兼CEOのJordan Greenhallにはヒットの確かな手応えがあった。そこでStage6売却の可能性を探ることに決め、投資銀行Montgomery & Co.を雇い、買い手候補探しに乗り出した。その一方でベンチャーキャピタリスト相手には部門をスピンオフしたら出資する気はないかというアイディアの売り込みも始めた。利益の衝突を避けるため彼はDivXのCEOを辞め、 代わりにプレジデントKevin Hellが会社の経営を引き継いだ。Darrius Thompson(DivX共同ファウンダー)、Mark How(DivX VPビジネスディベロップメント部門VP)、Mark Chweh、Chester Ngほか、DivX社員約20人が彼に加わった。Stage6では全員が全員、「共同ファウンダー」の肩書きを共有していた。

Montgomeryは2007年下半期ずっとかけてStage6を売り込んだが、買い手からはさほど関心は得られなかった。が、VCたちはスピン オフに出資するアイディアとなると熱心に投資したがった。11月になる頃には投資後の企業価値$90M(9000万ドル)をベースに$20M(2000万 ドル)の投資を行うことでCrosslink Capital、Sofinnova France、Mission Venturesが約束し、さらに戦略投資家から$5M(500万ドル)、プラス“友人・家族”から$2M(200万ドル)入ることが確実に。それやこれ や合わせてStage6は$27M(2700万ドル)のラウンド調達完了に向け準備を進めた。DivXは投資が入る新会社の所有権の20%を確保するはず だった。

そのまま順調にいけばDivXは新会社の株式の相当部分を得るだけでなく、著作権料だけで推定月額$1M(100万ドル)もの運営費用を経費として帳簿に計上し、Stage6は2008年収入のほとんどをDivxに償還する手筈になっていた。

その収入は些細どころではない。Stage6で動画視聴をしたいユーザーは、まずDivXプレイヤーをダウンロードしなければならないが、このダウ ンロード・パッケージにオプションとしてYahooツールバーが含まれている。YahooからDivXへの支払いは年間$16M(1600万ドル)にも上 るが、われわれの情報源によるとこの額の半分、およそ年間$8M(800万ドル)がStage6のツールバーからのものだという。しかもその割合は上昇し ており、2008年のツールバー収入は$10M(1千万ドル)に達し、Stage6はほとんど損益が均衡すると見込まれていた。

そして昨年11月末。DivXの取締役会でStage6のスピンオフとベンチャー資金調達の承認が議題に上った。ところが、この土壇場になって取締役会はスピンオフをキャンセルしStage6を支配下に置き続けることを選んだ。

理由は明らかでない―Stage6の評価額を聞いてびっくりし、スピンオフさせるのが惜しくなったのかもしれない。それとも長期的にみて、 Stage6からのツールバー収入が手放せないと考えたのかもしれない。聞いたところによると、ここで激しいエゴの衝突が起き、結局Stage6の独立は ご破算になった。が、このとき同時にStage6のファウンダーたちも辞任してしまったのだ。DivXはGreenhallが辞任したことを告げる短い告知を出し、そこで 「当社がStage6の将来に関していかなる方針を採るべきか考慮するためにさらに時間を必要とする」と付け加えた。

でもまだその時点では誰もがDivXがそのままサイトの運営を続けるものと思っていた。ところが12月から1月にかけてDivXは動画ストリーミン グの運営コストと、システムの面倒を見るキーになる技術者がいないことがまたしても心配になったらしい。今から3週間前にDivXはGreenhallに 最初のスピンオフ・プランに戻る気はないかと尋ねたという。Greenhallは断った。

そこでDivXはStage6の閉鎖を決めた。閉鎖によって何百万というDivXのダウンロードも、それにともなうYahooからの収入も水の泡と なった。結局DivXは赤ん坊もろともタライの湯―何百万ドルもの収入と何千万のユーザー―を捨ててしまったわけだ。DivXの取締役会と経営陣は、ひと 言でいえば、バカというに尽きる。投資家も同じ意見のようだ。DivXの株価は過去最低を記録している。

DivXはこの記事に関してコメントを拒絶した。

単に運用コストの問題や、違法アップロードの問題が主な理由と受け取ってただけに、この記事は非常に興味深い内容。
上記の記述が事実ならば非常に残念。高い事業評価を受けてスピンアウト可能な状況であったにもかかわらず、取締役の判断ミスでどうにもならなくなるのは、動画配信ビジネスではよくある話。

技術的なことをよく理解したうえでしっかりと効率的に運用できるスタッフがいることが、動画配信のビジネスではきわめて重要。この業界には「半可通」な経営者が多くてうんざりすることも多い。


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