動画配信・DRM・VSEO・動画マーケティングで「VOD」と一致するもの
TBSは、2005年11月より有料の動画配信事業をリニューアル開始し、同社が運営する有料動画配信サービス「TBSオンデマンド」が2009年度に単年度黒字を達成する見込みになったと発表した通期での黒字化達成は、テレビ局が運営するVOD(ビデオ・オン・デマンド)事業では初の快挙。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20100316/345850/
海外と比べて日本はビデオ・オンデマンド(VOD)サービスの利用が進んでいない。海外とのビジネス環境の違いは何か。
米国には月額料金を基本とした巨大な有料放送のビジネスがあり、視聴者は有料サービスの利用に慣れている。このことが要因だろう。逆に米国にはNHK(日本放送協会)のような受信料制度はない。英国の環境は日米のハイブリッド型だ。NHKの受信料に相当するライセンス料の支払いが必要なBBCと、有料放送のBSkyBが共存している。フランスも英国同様だ。ポイントは、有料放送のビジネスが日本よりも大きいこうした地域では、VODのような有料コンテンツに追加の代金を支払うことに消費者が慣れているということだ。
昨年12月にスタートしたNHKのPC向けVODサービス「NHKオンデマンド」は、有料利用者数が予想を大きく下回っている。(中略)
NHKオンデマンドの苦戦の経験から関本氏は、「PCだけでは市場として成り立たない。市場は実は、ない」とまで言う。「市場がない中でNHKは何をやっていくのか、NHKのミッションは何なのか、頭を悩ませている」
「半年前、テレビ局の人に、テレビ番組はお茶の間でリアルタイムで見てもらうのが大事なんだと言われて愕然とした。日本国民はそんなに暇じゃない」(夏野氏)
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/12/04/029/
Windows Media DRM形式でやるだけならそれほどのインパクトはないか。有料動画配信サービス「ビデックスJP」 を展開するビデックスは4日、英BBCの番組を高画質でネット配信するサービスを開始したと発表した。4月までに245作品を配信する予定で、「ガラパゴ ス」「ブルー・プラネット」については、BBCの番組配信としては、EU、北米に先駆けたフルハイビジョンでの配信となる。
ビデックスによると、BBCの番組のネット配信は、これまで5~10本などの規模では行われてきたが、200本以上というまとまった数でネット配信するのは日本で初めてという。
4日の配信第1弾作品は、自然ドキュメンタリーの「ブルー・プラネット」やコメディ「リトルブリテン」など76作品。2009年1月に第2弾(76 作品)、2月に第3弾(37作品)、3月に第4弾(36作品)、4月に第5弾(20作品)の配信を予定しており、2009年4月までに計245作品を配信 する。
このうち、「ブルー・プラネット」「ガラパゴス」については、EUや北米に先駆け、ビットレートが5~8Mbpsのフルハイビジョンで配信。その他 の作品も、3Mbpsの高画質となっている。配信は、PCへのダウンロード型レンタルサービス(1週間)で行い、ほとんどの作品が字幕付きとなっている。
対応OSはWindows 2000/ XP/ Vista、Windows Media Player 10以降が必要。Mac OSには非対応。データはDRM保護されている(Windows Media DRM 10)。
料金は、210円~420円(税込)/作品。決済はクレジットカードまたはプリペイドサービス「ビットキャッシュ」の利用が必要となっている。
柳下社長は「NHKオンデマンドにも負けないサービス」と自負
ビデックスは2004年に設立。2006年から、映像の有料ネット配信サービスを開始し、現在有料会員22万人、約4万2,000作品を配信している。BBC番組の配信は、英BBCの海外事業を展開するBBC Worldwideとの提携により実現した。
4日開かれたサービス開始の記者会見で、ビデックス代表取締役社長の柳下洋氏は「アクセス数が全てというインターネットの世界の中では『悪貨が良貨を駆逐する』という状況が続き、無料サービスが主流になってきた」と現状を指摘。
「良質な映像の価値を最大限に高めるためには何らかの取り組みが必要であり、そのために、(1)有料サービス、(2)高画質、(3)グローバル展開、(4)マルチデバイス、の実現に取り組んできた」と説明。
「配信インフラのコストを削減することで、削減した資金を高画質化のために振り分けてきた」とこれまでの同社の取り組みについて述べた。
その上で、「今回のBBCの番組の配信は、1日に始まったNHKオンデマンドにも負けないタイトル数や品質となっている」と強調。「今後は、PCだけでなく、テレビや携帯電話、ゲーム機などに配信対象を拡大していきたい」と述べた。
同社執行役員でVOD事業部 事業部長の田谷小百合氏は、「お勧めはやはり『ブルー・プラネット』。被写体の動物が画面一杯に映る高画質でダイナミックな映像を楽しんでもらいたい」と話していた。
海外の映像を持ってきてもそれほどエンターテイメント的な需要もないので、なかなか難しいのでは。
http://www.rbbtoday.com/news/20081125/55963.html
NHKオンデマンドがVODサービスあるいはIPTVサービスのキラーになる可能性はある。プロジェクトXや大河ドラマなどの人気番組はもちろん、利用 者の多い語学番組も視聴に向いているコンテンツといえるだろう。語学番組に関しての詳細は不明だが「新3か月トピック英会話」「100語でスタート! 英 会話」「テレビで中国語」「テレビでイタリア語」などが挙がっている。所氏が言うように、VODという言葉を聞いてもピンと来ない人々は大勢いる。これら の人がNHKを介して接触するようになれば、マーケット創出への第一歩となるかもりれない。優良なコンテンツはふんだんにあるだけに、こちらの展開には期待したいが、コンテンツごとに数百円ずつとなるとNHKでもなかなか難しいかも知れない。
http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20080929nt0f.htm
業界動向としてメモ。富士ソフトは12月、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」向けに、映画やアニメをビデオオンデマンド(VOD)で購入できるソフト「みんなのシアター Wii」を提供する。ソフトをダウンロードして購入できるサービス「Wiiウェア」向けのソフトとなる。
専用に開発した動画再生プレーヤー「ULEXIT(ウレキサイト)」を搭載した。Wiiを接続したテレビで、DVD画質並みの映像が再生できると いう。なお、動画はストリーミング再生となる。また、同社によれば、WiiウェアにおけるVOD配信サービスは世界初という。
映像コンテンツは、未就学児から小学生とその親の世代が楽しめるアニメや子ども向け教育番組、映画などを用意する。価格は1本100~400円となる見込み。なお、代金はWiiポイントで支払う必要がある。(CNET Japan)
http://jp.techcrunch.com/archives/20080904hulu-vs-amazon-amazon-never-stood-a-chance/
今朝(米国時間9月4日)Amazonがビデオのオンデマンドサービス(略語:VODサービス)を始めてから、ぼくはそのサイトのあちこちを調べて、Huluと互角に戦えるか検討した。Huluはなんといってもベストのオンラインビデオサービスだし、提供しているコンテンツもプロの作品ばかりだ。そしてすぐに分かったのは、Amazonはまだまだ、だめだということ。
オンラインのビデオ市場にしっかりした足場を築くために、Amazonはやれることをすべてやっている。まず、Unboxサービスによってフィルムのストリーミングで既存勢力に対抗し、今度はテレビ番組やムービービデオのオンデマンドストリーミングでも対抗しようとしている。こうしてユーザがAmazonの上で、自分のコンピュータで直接、テレビ番組や映画をストリーミングで見れるようになると、どうやらAmazonにとってiTunesは比較的どうでもいいもので、むしろビデオの次の競争前線であるオンラインストリーミングにこれからは注力するのだな、と見えてくる。
選択の幅
Amazonは、コンテンツの途中にコマーシャルが入らないことを第一の売り物にしている。しかしそのためには、一回分のテレビ番組を見るのに1ドル99セントを払わなければならない。たしかに、AmazonのVODサービスにも無料のコンテンツはある…たとえばぼくは30 Rockを何度か見た…でも、有料コンテンツの豊富さに比べると無料コンテンツのラインナップはお笑いだ。
でも、有料サービスと比較してもおかしくない優秀な無料サービスは世の中に存在している。たとえばHuluは、The Officeの五回分をわずかなコマーシャル入りで無料で提供している。この番組は、Amazonでも無料だろうか?。ノー。冒頭のたった2分間を見たころで、“続きを見たければ買え”というバナーが現れる。
テレビ番組を有料で見ることに抵抗のない人なら、アマゾンの豊富な品ぞろえを見て嬉しいだろう。なにしろ、合計4万本の映画とテレビ番組を揃えているそうだ。各シーズンの各番組の各回をすべて、AmazonのVODサービスでは有料で見ることができるといってもいい。局も、TV LandからNBCまでと幅広いのが嬉しい。だから、選択の幅が広いという点ではAmazonの宣伝に嘘はない。ただし、無料のストリーミングがあまりに少ないので、欲求不満を覚える。Webの上では無料のテレビ番組を至る所で見れるのだから。
使用体験
全体的にAmazonのVODの使い勝手はHuluとほぼ同じだ。左カラムで局を選び、番組を選び、見たい回を指定する。私が見たビデオの画質は高精細で、しかもHuluのように小画面ではなく表示が大きいので意外性と嬉しさを感じた。
でも、ビデオの再生はときどき不安定になるし、ひんぱんに駒飛び(スキップ)する。それは今日のアクセス数が異様に多いせいかもしれない。でも今のところ、良くなる気配はない。また、再生画面に余計な物が多いのも嫌だ。たとえば下のほうには、番組のすべての回のリンクが並ぶ。またAmazonのあらゆるページに出現する‘おすすめ’情報も、画面がごたつく原因だ。
コマーシャルなしは良いことか?
さっきも言ったが、AmazonのVODのメインの売り物が、コマーシャルがないこと、コンテンツの数が多いこと、そして画質が良いことだ。でもストリーミングは不安定、サイトのレイアウトは??、それに、よそで無料で見れるコンテンツがけっこうある。
HuluでThe Officeを見ていてコマーシャルが邪魔だと思う瞬間はある。でも、どんな内容か分からないものを見るのに事前にお金を払うよりは、コマーシャルがあったほうがずっとましだ。AmazonのVODサイトを見て、あらためてつくづく、そう思った。好きな番組なら有料でもいい。しかし番組一回ぶんを見るだけで1ドル99セントは高すぎるし、Huluで無料で見れるなら、誰もAmazonで見ようとは思わないだろう。
米Amazon.comは2008年9月3日(現地時間),VOD(ビデオ・オン・デマンド)方式による動画配信サービス「Amazon Video On Demand」を,同日に開始すると発表した。配信する動画は,「Windows」と「Mac OS」を搭載したパソコンやHDD(ハードディスク駆動装置)レコーダーの「TiVo Box」,ソニーの液晶テレビ用STB(セットトップボックス)「BRAVIA Internet Video Link」,「Xbox 360」などのWindows Media Center extender対応製品,携帯メディアプレーヤーといった幅広い機器で視聴できる。米Amazon Digital Servicesが運営し,米国向けのサービスとなる(発表資料(英語))。
配信するコンテンツは映画とドラマが中心で,4万本を超えるという。Webサイトの作品購入画面にアクセスすると,最初の2分間が試聴できる。その後にレンタルあるいは購入の手続きをすると,利用者の「Video Library」にその作品が追加される。そのままWebブラウザーの画面でストリーミング配信される作品を視聴できるほか,パソコン用の視聴ソフト「Amazon Unbox」を使えば,作品をダウンロードしてオフラインで楽しんだり,携帯メディアプレーヤーに転送したりして視聴できる。
STBのBRAVIA Internet Video Linkでは,リモコンのボタン操作だけで作品の検索から購入,視聴までできる。Video LibraryをAmazon.comのアカウントでひも付けすることで,パソコンとBRAVIA Internet Video Linkのどちらで購入した作品も相互に視聴できる。
Amazonはこれまで,WindowsパソコンとHDDレコーダーの「TiVo Box」向けのダウンロード型動画配信サービス「Amazon Unbox」を提供していた。今回の新サービスは旧サービスよりも対応機器を拡張し,利用者の利便性を高めたサービスとなる。新サービスの事業責任者であるRoy Price氏は,「旧サービスの利用者からは,コンテンツのダウンロードが終わってから視聴するのではなく,すぐに見られるようにしてほしいというリクエストが最も多く寄せられた。今回それが実現し,さらに対応機器が増え利用者の選択肢が広がった」と述べている。
Amazonが始めるということが大きなニュース。ソニーが独自サービスではなく、Amazonの仕様に合わせてSTBを提供しているという話は非常に興味深い。日本国内でやる場合には、他社ブランドを取り込むということにどのような対応を考えているのだろう。
BB Watch の記事
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/22957.html
東京放送(TBS)は28日、同社が運営する動画配信サービス「TBS BooBo Box」を、9月1日より「TBSオンデマンド」にリニューアルすると発表した。
TBS BooBo BOXは、TBSが2005年10月に開始したストリーミング型の動画配信サービス。TBSやTBS系列のBSデジタル放送「BS-i」などで放送された番組などを、コンテンツプロバイダーを通じて配信している。
今回のサービスでは、サービス名称やロゴを一新するとともにコンテンツを拡充。11月22日公開予定の映画「ニュータイプただ、愛のために」を11月14日よりTBSオンデマンドで独占先行配信する。TBSでは、新作劇場映画をテレビ局が運営する動画配信サービスで先行配信するのは本邦初の試みとしている。
このほかバラエティではTBSの深夜番組「第二アサ(秘)ジャーナル」、CS「TBSチャンネルの「Beach Angelsシリーズ」などを配信するほか、地上波で放送された森山未來主演のドラマ「被取締役(とりしまられやく)新入社員」などを配信。音楽では東方神起、コブクロ、Superflyなどのライブ配信を予定するほか、スポーツでは「2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ 南米予選ブラジル×コロンビア」の開催日当日配信も予定する。
TBSオンデマンドオリジナルのコンテンツも用意。TBSアナウンサーの小林麻耶や出水麻衣、青木裕子がそれぞれ出演するオリジナル番組を制作・配信する。
コンテンツの配信形式はTBS BooBo Boxと同様配信事業者を通じて配信。PC向けにはBIGLOBE、goo、OCN、ぷらら、eonetシアター/PC、ShowTime、STB向けにはアクトビラ、ひかりTV、MOVIE SPLASH VOD、J:COMオンデマンド、Nextensive、BBTVを通じて配信する。
テレビ局全体の収益性からすると、全く桁の会わない数字での展開と思われるし、これからも劇的にはその状況に変化はないと考えられるが、新作映画の先行ネット配信の動向には若干の興味。それほど劇的なアクセスにはならないとは予想。
IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/30/news071.html
ツタヤ・ディスカスは、オンラインDVD・CDレンタルサイト「TSUTAYA DISCAS」で音楽配信サービスを7月31日に始める。楽曲は「OnGen」を運営しているUSENから提供を受ける。
サービス名は「TSUTAYA DISCAS 音楽配信」。OnGenで取り扱う約100万曲を配信する。価格もOnGenと同じで99円から。中心価格帯はシングルが150~200円、アルバムが1500~2000円。
各アルバム・楽曲の購入ページには、CDレンタルの申し込みページや、CDなどを販売する「TSUTAYA online」へのリンクも備えた。TSUTAYA DISCASのユーザーが投稿したレビューも掲載する。
「TSUTAYA DISCASを通じて、音楽ダウンロード、レンタル、CD購入をワンストップで提供する。未配信の楽曲はCDレンタルで楽しむなど、ユーザーは、自分のライフスタイルにフィットした楽しみ方を選べる」(ツタヤ・ディスカス事業開発チームの山本由紀子リーダー)
楽曲のファイル形式はWMA。Windows Media DRMによる著作権保護処理が施されており、同DRMに対応したポータブルプレーヤーで楽曲を持ち出すことができる。
ツタヤグループはこれまで、レンタル店舗「TSUTAYA」や、販売サイト「TSUTAYA online」などを手がけてきた。6月にはテレビ向けVODサービス「TSUTAYA TV」も始めた。TSUTAYA DISCASは、オンラインレンタルのほか、映像配信サービスも展開している。
ツタヤ・ディスカスの根本浩史社長は、同グループの戦略について、「あらゆるコンテンツをあらゆるツールで提供する“ALL TSUTAYA”がミッション」と話す。
OnGenとの提携は独占ではなく、今後ほかの音楽配信サービスと提携する可能性もあるという。TSUTAYA DISCASの現在の会員数は約40万で、今年度中に72万まで拡大を目指す。
世界的な流れとしては、DRMフリーのMP3音楽販売が大きな流れになりつつある中、国内でWMVのDRM配信がどれほど伸びるかは興味深いところ。日本人はモラルは高いので、ちゃんとしたビジネスになる可能性はあるか?本来はそうなるべきものなので、日本の大手での成功事例はどこかで起こってほしいところ。要注目。
IT Pro の記事
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20080630/309737/
公式サイトには毎月1450万人以上のユニークユーザー(来訪者)が訪問、毎月5億以上のPV(ページビュー)を獲得――。インターネットを駆使した新しいビジネスモデルで急成長している米プロレス興行大手、WWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)が日本進出を本格化し始めた。
今年1月に日本法人WWEジャパン(東京・渋谷区)を設立、2月には有明コロシアム(東京・江東区)でイベントを開催した。既に日本語サイトも立ち上げている。6月に来日したシェーン・マクマホン副社長は「アジア市場、そのなかでも特に日本は我々のグローバル戦略において非常に重要だ。今後もパブリックビューイングイベントを開催するなどして、コアなファンから一般層まで幅広くWWEの知名度を上げていきたい」と語る。
WWEは2007年12月期、連結売上高4億8570万ドル、純利益5210万ドルを記録。560人の社員を抱え、本社内には自前のテレビスタジオを持つ。米国外の売り上げは過去5年間、年率20%ずつ伸びており、現在では売り上げ全体の25%を占めている。1999年には米ニューヨーク証券取引所への上場も果たした。全国各地で開く興行収入を主な収益源としている日本国内のプロレス団体とは異なり、積極的なネット戦略で業績を拡大してきた。
マクマホン副社長は「毎月5億以上というPVの数はヤフーのランキングでも上位に入っている」と話す。ストリーミング(動画のリアルタイム配信)サービスや映像コンテンツをネットで購入できるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービス、携帯電話を使ったコンテンツ配信やレスラーの人気投票など、デジタルメディア分野を成長領域と位置付け、様々な形でネットを活用している。
「テレビ局と組んで興行をテレビ放映することもあるが、映像コンテンツの権利はすべて自社で保有している。だからこうした多面的な展開が可能になった」(マクマホン副社長)。興行による収入は売上高の23%に過ぎないという。プロレスをはじめ日本のスポーツビジネス界では、テレビ局などに放映権を渡し、放映権料を得る形がまだ一般的だ。興行団体が自ら映像コンテンツの権利を管理するのに加え、ネットを使った配信事業を独自に行っているケースは珍しい。WWEの日本市場進出が成功すれば、日本の興行ビジネスのモデルを変える可能性がある。
今後の具体的な展開としては米国同様、試合から記者会見まで様々なコンテンツを無料でストリーミング配信することを検討中だ。また、315円均一で販売しているVODについても、「現時点では数年前の古いコンテンツが多いが、最新の映像の比率を高めていく」(WWEジャパン)方針だ。
日本ではK-1などの総合格闘技がプロレスを上回る人気を持つが、「総合格闘技はスポーツ、こちらは純粋なエンターテインメント。視聴者としては両方を見られたほうがいい」と、経営の傍ら、自らレスラーとしてリングに上がるマクマホン副社長は意に介さない。「物語性や音楽、照明などで凝った演出を駆使してドラマチックな戦いを見せられれば、日本の格闘技ファンにもより広く受け入れてもらえるはずだ」と話す。
テレビ局と広告代理店が非常に強い日本国内では現状では成立しにくいビジネスモデルだが、海外からのコンテンツでこういった流れになってくると業界も面白くなるか。
Internet Watch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/06/24/20049.html
IP技術を利用した動画配信サービス「IPTV」に関して、仕様を共通化することで普及・促進を目指す「有限責任中間法人IPTVフォーラム」が、通信事業者や家電メーカー、放送事業者などの参加により発足した。仕様の標準化により、同じ機器で異なる通信事業者のIPTVサービスを利用できるようにすることを目的としており、IPTVフォーラムでは最初の標準仕様を8月末をめどに策定する。
IPTVフォーラムはこれまで、民間協議会「次世代ブロードバンドコンテンツ流通フォーラム」に設置されたフォーラムとして、2006年から IPTVの技術検討を重ねてきた。IPTVフォーラムでは、最初の標準仕様が策定される見通しとなったことなどから、フォーラムを有限責任中間法人に移行。IPTVサービスの仕様維持団体として、恒久的、継続的な技術およびサービスの基盤を整えるとしている。
IPTVフォーラムには発足時のメンバーとして、通信事業者4社(NTT、NTTぷらら、KDDI、ソフトバンクBB)、家電メーカー5社(シャープ、ソニー、東芝、日立製作所、松下電器産業)、放送事業者6社(NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京)などが参加。理事長は、慶應義塾大学の村井純教授が務める。
IPTVフォーラムでは今後、8月末をめどに最初の標準仕様(バージョン1.0)を策定する。IPTVフォーラムで技術委員会の主査を務めるフジテレビの関??行氏は、標準仕様について「市販されている端末で、どの通信事業者のサービスでも使えるようにというのがコンセプト」と説明。仕様には、 VODサービスやダウンロード型サービス、IP放送やIP再送信サービスなどが含まれ、標準仕様に基づいた機器であれば、同一の機器で異なる通信事業者の IPTVサービスが利用できるようにすることを目指す。
また、「アクトビラ」やNTTの「ひかりTV」など、既に提供されている動画配信サービスについては、これを包含するような形での仕様になると説明。ITU-Tなどでの国際標準化の動きとも歩調を合わせていき、IPTVフォーラムの標準仕様についてはWebなどで誰でも見られる形で公開していくとした。
メモ。
Nikkei BP Net の記事
http://www.nikkeibp.co.jp/news/manu08q2/574307/
通信事業者や放送事業者、機器メーカーらで構成する「IPTVフォーラム」は2008年6月9日、IPTVサービスの受信機に関する技術仕様案をまとめたことを発表した。この技術仕様案は、IPマルチキャスト技術を用いた放送サービスと、ストリーミングやダウンロードで再生するVODサービスを想定する。この技術仕様に則って受信機を開発することにより、例えば「アクトビラ」や「ひかりTV」などのサービスに対応できるようになる。任意団体であるIPTV フォーラムは今回の成果を新たに発足する規格団体に引き継ぎ、その規格団体が受信機仕様の確定やメンテナンス作業を進める計画である。「2008年6月中に新しい団体の設立について発表する予定」(IPTVフォーラムの事務局)とする。
仕様が統一化されるというのはよいことだが、多チャンネルのスカパーや、双方向のBSデジタルなどでもそれほど利用が広がっていない状況なので、そもそも需要があるかどうかは疑問。
Japn.internet.com の記事
http://japan.internet.com/wmnews/20080606/12.html
数年前には程遠いと見られていたビデオ オンデマンド (VOD) 革命だが、現在に至るもすべてが期待どおりには進んでいるわけではない。
ニューヨークで開催された広告関連のカンファレンス『Advertising 2.0』(6月4-5日) におけるテレビ企業経営陣のパネルディスカッションではこの問題について、配信の枠組みが複雑であることなど、いくつかの理由が議論された。
Viacom 傘下の MTV Networks でデジタル配信および事業開発担当の上級バイスプレジデントを務める Greg Clayman 氏は次のように述べた。「われわれは、放送ネットワーク、Web サイト、共同配信番組の各分野で事業をどのように切り分けるかについて、いまだに議論を続けている」
米国では1か月あたりのオンラインビデオ視聴数が100億本を超えていることを考えると、Web 上でのビデオ配信はもはやニッチな市場とは呼べなくなってきている。
テレビ会社は、ユーザーがオンラインでアクセスしやすいチャンネルを自らが提供しなければ、海賊版が出回ってしまうということを学びつつある。
Clayman 氏によると、MTV Networks の『Comedy Central』チャンネルで放送中の『South Park』がピアツーピア サイト『BitTorrent』上で最も頻繁に共有されている番組であることを知って、同社では危機感を覚えたという。
MTV は、こうした動きへの対抗策として、『South Park Studios』という広告収入による Web サイトを開設し、過去に放送された South Park の全エピソードをノーカットで提供している。
Clayman 氏によると、このサイトは大きな成功を収めているという。BitTorrent 上で交換される South Park の番組ファイルは減少し、代わって視聴率が上昇した。
Walt Disney Company の上級バイスプレジデント Bernard Gershon 氏は、同社も同じような方法に辿り着いたと語り、「オンラインで質の高いコンテンツを提供していくことが、海賊版を抑える有効な対策であることは確かだ」と認めた。
より難しい問題は、いったんオンライン化したコンテンツからどのように収入を得るかということだ。『iTunes Store』のビジネスモデルは単純明快で、視聴者は1.99ドルを支払えば、『Lost』のような番組を1話分丸ごとダウンロード購入できるようになっている。しかし、ストリーミング ビデオの場合はもっと厄介だ。
NBC Universal と News Corporation の共同事業である動画ストリーミング サービス『Hulu』のモデルでは、ノーカット版のテレビ番組を、冒頭と中間に広告を挿入して配信しているが、これらは従来のディスプレイ広告のように対象を絞った広告ではない。
パネルディスカッションの出席者によると、ビデオ オンデマンドにとっての最終的な目標は動的広告配信だが、そのようなモデルに対応できるほど技術が進歩していないという。
動画配信と収益性の問題、P2Pでの配布の問題は非常に難しい問題。当面は、現状のような試行錯誤が続くと思われる。
Nikkei TechOn の記事
http://www.nikkeibp.co.jp/news/manu08q2/570952/
NHKは、パソコンやテレビ向けのVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービス「NHKオンデマンド」の開始に向けたスケジュールを明らかにした。まず2008年10月をメドに、トランスコーダー(動画像データの圧縮に向けた符号化方式の変換装置)や、番組のメタデータやサムネイル画像の制作システムなどを自局内に設置する。そのうえで10月中に、NHKのトランスコーダーなどと、提携先であるISP(インターネット・サービス・プロバイダー)や情報システム開発会社など動画配信プラットフォームの提供事業を手がけるASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)や、ケーブルテレビ(CATV)事業者などのシステムを使い、動画配信のテストを行う計画だ。その後、約1カ月にわたり、NHKやASPなどの担当者が局内や社内のシステムの操作に慣れるようにするための訓練や、サービス開始時点で配信対象にする動画コンテンツの投入作業を実施する。NHKオンデマンドの開始日は決定していないが、「デジタル放送の日である12月1日に開始しようという雰囲気になっている」(所洋一アーカイブス・オンデマンド推進室副部長)という。
NHKはパソコンユーザーに対してASPの動画配信プラットフォームを利用して、NHKオンデマンドを提供する方針だ。現在、契約を結ぶASPの選定を進めている。パソコンユーザーには高ビットレートと低ビットレートの2種類の配信を行う方針で、具体的な数字としては1.5Mビット/秒と768k ビット/秒を想定している。テレビ向けの動画配信プラットフォームには、ジュピターテレコム(JCOM)のVODサービス「J:COMオンデマンド」と、アクトビラのVODサービス「アクトビラ ビデオ・フル」を採用することを決めている(日経ニューメディア、2008年2月4日号(同誌読者限定サイト)、p.2参照)。将来的には携帯電話機向けにも提供することを視野に入れているが、「実現はしばらく先になる」という。
メモ。
ビットレートが1.5Mビット/秒と768k ビット/秒というのはどちらも中途半端な感じ。ADSLの実測値では768K は厳しいのではないか。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/16/news139.html
USENは4月16日、企業向けの動画配信受託サービス「GyaO STREAM」を始めた。企業がGyaOのインフラを使い、自社サイトなどで動画を配信できる。
(1)企業から預かった動画をGyaOサーバを通じて企業のサイトで配信する「type VOD」、(2)映像を企業サイトでライブ配信する「type LIVE」、(3)ストリーミング配信の設備を持っている企業に、GyaOの大規模なバックボーン回線を提供する「type TRANSIT」――の3種類。
ファイル形式はWMVで、DRMの有無を選べる。日ごとや週・月ごとのアクセスログを集計したデータも提供する。動画配信に障害が起こった際などに対応するサポートセンターも準備した。料金は数十万円程度から。
今年9月以降、ハイビジョン配信対応の「type HD」、動画をダウンロード形式で配信する「type DOWNROAD」、携帯電話向けに動画を配信できる「type MOBILE」を提供する予定。
「いまさらインフラのサービスか」、という印象。Jstreamなどでもかなり苦戦しているようにも思われるので、アプリケーションのサービスのレベルで勝負したほうがよいと思うが。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080307/295692/
いろいろ書いてはあるものの、現状のフレッツ光のオンデマンドサービスでもいまひとつ魅力に欠けるので、それほど魅力的なサービスとは感じられにくい。高画質なだけでは、厳しいか。NTTぷららとアイキャストは2008年3月7日、NTT東日本・NTT西日本の光ファイバー網を用いたテレビ向け動画配信サービス「ひかりTV」を3 月31日に始めると発表した。NTTグループの既存の3サービスを統合し、新サービスとして提供していく。NTT東西が3月末に開始予定のNGN (next generation network)サービス「フレッツ光ネクスト」に向けた主力コンテンツとしてひかりTVを位置付け、NGN網の普及を図っていく。
ひかりTVで提供するのは、(1)ビデオ・オンデマンド(VOD)方式の映像番組、(2)多チャンネル放送、(3)カラオケ、(4)地上デジタル放送のIP再送信。
VODで提供する映像は、映画、海外ドラマ、スポーツ、アニメなどを計画しており、当初は7000タイトル、2008年7月には1万タイトルを用 意する。一部のタイトルは月額2625円の定額料を支払えば無制限に視聴可能とする計画で、当初は4000タイトル、2008年7月には5000タイトル を月額定額料で見放題とするという。これ以外のVODの映像は、視聴ごとに課金されるペイ・パー・ビュー(PPV)方式で提供する。
多チャンネル放送サービスでは、75チャンネルを提供する。うち40チャンネルについて、月額2625円で見放題の料金プランを設定する。それ以 外のチャンネルについては、チャンネルごとの追加料金を支払う。カラオケサービスは2008年夏に提供開始予定で、約1万3000曲を用意する。利用料は 24時間当たり525円または月額1785円。
地上デジタル放送のIP再送信は、ユーザーの居住している地域の地上デジタル放送を、ひかりTV経由で視聴可能にするもの。IP再送信サービスの 利用には、ユーザーがフレッツ光ネクストを利用している必要があり、既存の「Bフレッツ」「フレッツ・光プレミアム」網経由では視聴できない。
動画コンテンツの符号化には、H.264/MPEG-4 AVC(H.264)を採用。光ファイバー網経由でユーザー宅内に伝送されたデータを、専用のセットトップボックス(STB)で復号化した上でテレビに表 示する。地上デジタル放送はハイビジョン画質で提供し、それ以外の映像コンテンツも可能なものから順次ハイビジョン画質で提供していく予定。なお、STB のレンタル料として月額525円が必要。
NTTグループの現行の動画配信サービス「OCNシアター」「オンデマンドTV」「4th MEDIA」は、2008年5~6月をメドにひかりTVへ移行する計画。STBは機種によって、そのまま継続して使える場合と、交換が必要になる場合があ る。既存ユーザーは、2008年12月分まで現行の利用料金のままひかりTVを利用可能とする。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080225/294638/
東芝がHD-DVDから撤退することを決めた。キッカケになったのは,米Warner Brothersが,それまでHD-DVDとBlu-rayの両方式でリリースしていた映画を,Blu-ray方式に一本化することを決めたことである。 この結果,米ハリウッドメジャーの映画スタジオのシェア(市場占有率)はBlu-ray陣営が68.4%,HD-DVD陣営が22.8%となり,両陣営に 決定的な差が付いた。2月に入るとBest BuyやWal-Mart Stores,Amazon.comなど米国の小売店大手が次々とBlu-ray方式の支持を表明,東芝がHD-DVDから撤退する決定打となった。日本 でもビデオレンタル事業者などによる研究会が,期間限定ながらBlu-ray対応ソフトのレンタルを開始するなど,Blu-ray優勢の雰囲気が定着しつ つある。
2006年のソフト販売を機に表面化したHD-DVDとBlu-rayによる次世代DVD規格の争いは,Blu-rayが勝利を収めた。ただし, このままBlu-rayが順調に普及するかという点については,予断を許さない。急速に市場規模を拡大しているインターネットを使った動画配信が, HDTV(高精細度テレビ)動画の配信に乗り出したからだ。
2007年9月1日,デジタルテレビ向けポータルサービスの「アクトビラ」が,HDTV作品を含む映像コンテンツの配信サービスを開始した。 2008年1月15日には米Appleが同社のコンテンツ配信サービス「iTunes」でHDTV作品を含む映画のレンタル事業を開始するなど,世界的に HDTV動画をネット配信する動きが本格化している。また日本では2008年3月末に,NTTグループの次世代ネットワーク(NGN)を利用したIPTV サービスの開始も予定されており,VOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスを含むHDTVによる映像配信が行われるとみられている。
こうしたなか,映像配信の重要性の高まりを象徴する出来事が起きた。2008年2月12日,レンタルビデオ事業大手であるTSUTAYAグループ のTSUTAYA BBが,アクトビラ上での映像配信サービスを3月に開始すると発表した。サービス開始から3カ月以内にHDTVによるコンテンツ配信を開始する予定であ る。TSUTAYA BBの親会社であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)はまだ本業のレンタルビデオ事業で次世代DVDのレンタルを開始しておらず, HDTV映像のソフトレンタルは次世代DVDとネット配信が同時期に始まるか,むしろネット配信が先行する可能性が出てきた。
デジタルコンテンツ協会の調査によると,2002年に2722億円だった国内のDVD販売市場は,2005年の3915億円をピークに2006年 には前年比約19%減の3184億円と減少に転じた。2006年に前年比25%増の2858億円と成長を続けるDVDレンタル市場も,2005年の前年比 約102%増の伸びと比べて勢いは急速に落ちている。こうした旧来の映像ソフト売上に対して,動画配信市場は2002年の39億円から毎年2倍を超える急 成長を継続して続けており,2006年には647億円まで拡大している。
AppleのSteave Jobs・CEOは「(動画配信による映画のレンタルは)購入する場合に比べて価格が安く,視聴者のすそ野が広がるだろう」と語る。ネット配信は,コンテ ンツを見るのに店舗に出かける必要がなく,24時間いつでも見たいものを見られる。レンタルの作品リストがそのまま自宅のライブラリーになるわけで,単に レンタル市場を置き換えるだけでなく,DVD販売の市場もある程度取り込みながら市場の拡大が見込まれる。HDTVコンテンツの覇者を巡るBlu-ray の戦いは,HD- DVDから動画配信へと相手を変えて続くことになりそうだ。
次世代の記録メディアを超えて、ネットでのコンテンツ配信が将来的に取って代わるというような記事も最近増えてきている。物理媒体の直感的な操作性のようなものがしばらくは勝ると個人的には考えているので、あまりそういった論調に安易に同調しないことにしているが・・・。