動画配信・DRM・VSEO・動画マーケティングで「Napster」と一致するもの



携帯 Watch の記事。
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20100301_352021.html

 タワーレコードとナップスタージャパンは、ナップスタージャパン提供の全サービスを5月31日までに終了すると発表した。

 発表によれば、ナップスタージャパンへのライセンスを供与する米Napsterが欧米での音楽市場に向け、著作権保護技術を利用しない(DRMフリー)方式への対応を進めているという。この動きを受け、日本では、楽曲の許諾およびシステム運用への大規模な支出なくしては、日本向けサービスを継続するのが困難と判断。サービスを終了することになった。

なんというか、時代の流れを感じさせる記事。
Tech Crunch Japanese の記事
http://jp.techcrunch.com/archives/20081216lala-the-black-sheep-of-music-startups-just-may-have-the-right-formula/
つまり、Napsterのころから無料で(=盗んで)集めまくった曲がいっぱいあっても、それらの曲のあるコンピュータをインターネットに接続できるなら、どれでも聞くことができるのだ。曲をハードディスクからほかのハードディスクにコピーする手間は、まったく要らない。

だから、LaLaはほとんどパーフェクトだ。自分が持っている曲を全部聞けるし、フレンドたちから新しい音楽のおすすめをもらえる。聞いて気に入ったら、10セントでコレクションに加える。

もうすぐiPhoneのアプリも出るそうだから、そしたら自分のすべての音楽をiPhoneからもストリーミングして聞ける。iPhoneやiPodのハードディスクは小さい、と不平を言う必要がなくなる。どの曲とどの曲をアップロードしようかなと思案する必要もない。

LaLaには音楽シーン全体に揺さぶりをかけられるほどのお金がある。競合他社は1回ストリーミングするたびにお金を失うが、Lalaには損失を出 すことのない(と同社が言う)ビジネスモデルがある。しかも、銀行には未使用のベンチャー資金が$20M(2000万ドル)ある。

音楽配信もいまだにいろいろな試行錯誤が続いているが、何らかの形での汎用的な課金システムというのが構築されていくであろうことは今後の流れ。

おおよその本筋を外すことがない、Tech Crunch の論評だけに、注目に値するか。
IT Meda News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/29/news063.html

 インターネット経由で映画やテレビ番組を配信するのに使われている米Adobe Systemsのソフトにセキュリティホールがあり、ユーザーが米Amazon.comのビデオストリーミングサービスからビデオを自由に録画、複製できるようになっている。

 この問題は、オンラインビデオコンテンツを、Napster時代に音楽業界を苦しめていた違法コピーの横行にさらすものだ。また膨大な数の視聴者から利益を得ようとする小売業者、映画会社、テレビネットワークの取り組みを台無しにしている。

 「Adobeの設計の根本的な欠陥だ。間抜けな設計になっている」とセキュリティ研究者で英British Telecom(BT)のCTO(最高技術責任者)でもあるブルース・シュナイアー氏は語る。

 このセキュリティホールは、Webに接続したコンピュータのほとんどにインストールされているAdobe製プレーヤーに接続するFlashビデオサーバに存在する。

 このソフトはオンラインコンテンツを暗号化せず、再生開始や停止などのビデオプレーヤーへの命令のみを暗号化する。Adobeはダウンロード速度を上げるために、サーバソフトとプレーヤー間の接続を保護する厳しいセキュリティ対策を外した。

 「Adobeはプレーヤーからサーバソフトに至るまで、すべての製品のセキュリティに力を入れている。ユーザーを潜在的な脆弱性から守るためにかなりの取り組みを行っている」と同社は声明文で述べている。

 Adobeは今月、オンラインコンテンツを守る最善の方法を記したセキュリティ情報を公開し、同社のソフトのセキュリティ機能と、ビデオプレーヤーの有効性を確認する機能を併用するよう顧客に呼び掛けた。

 Amazonの広報担当者は、4万作の映画とテレビ番組を提供する同社のVideo On Demandサービスのコンテンツは、ビデオストリームキャプチャソフトで無断複製することはできないと語った。

 しかしReutersのテストでは、少なくとも1種のオンラインビデオ録画ソフト(Applian TechnologiesのReplay Media Catcher)で、Amazonや、Adobeの暗号化技術とビデオプレーヤー認証を使っているほかのサイトの映画を録画できた。

 「Adobe(のストリーム)は実際は暗号化されていない」とApplianのビル・デタリングCEOは指摘する。「同社のソフト設計の失敗の1つは、ストリームをキャプチャできる点だ。同社は近いうちにもっと強固な対策を施すだろう」

タダで視聴できる仕組み

 Replay Media Catcherの無料デモ版を使えば、録画されているあらゆるビデオの75%、YouTubeビデオの100%を誰でも視聴できる。39ドルの製品版を使えば、すべてのビデオを視聴可能だ。

 あるWebサイト(www.tvadfree.com)では、このソフトを使う手順を1つ1つ説明している。

 Adobeソフトを使ったAmazonのVideo On Demandでは、映画とテレビ番組の最初の2分間を無料で視聴できる。映画を24時間レンタルするには3.99ドル、ダウンロード購入するには最高で14.99ドル掛かる。

 Amazonはこの無料プレビューの間に、映画全体のストリーミングを始める――たとえ最初の2分が経過した時点で、Webブラウザ上でビデオが停止されても。ユーザーが料金を払った後でビデオの残りの部分を見られるようにするためだ。

 「以前からあるトレードオフだ。一方は利便性、もう一方はセキュリティ」と米Gartnerのアナリスト、レイ・バルデス氏は言う。

 だが、ユーザーがお金を払っていなくても、映画のストリーミングはブラウザではなくストリームキャプチャソフトに送信される。

 Video On Demandは、映画やテレビ番組のパッケージ販売の減少と、ネット上で視聴、保存できるデジタルコンテンツへの需要増に対するAmazonの解だ。

 Amazonとは異なり、Hulu.com、NBC.com、CBS.comはビデオを無料で提供しているが、番組の合間にCMが入る。だがストリームキャプチャソフトはCMと番組を2つのフォルダに分けるため、広告抜きの番組を保存できる。

 米News Corp.傘下のFox Networkと米General Electric傘下のNBC Universalの合弁であるHulu.comは、動画共有サイトYouTubeへの大手テレビネットワークの対抗策だ。YouTubeには多くのユーザーが、テレビ番組などメディア企業のコンテンツをアップロードするようになっている。

 テレビ局は、拡大するネット視聴者から新たな広告収入を得ようと、先を争って自社サイトにビデオを掲載したが、Webで番組を流すときの最適なCMの見せ方に苦労している。

 オンラインビデオブームを巻き起こし、2006年11月に米Googleに16億5000万ドルで買収されたYouTubeも、ユーザーが急速に増え続けているにもかかわらず、その人気を収益に変えるのに苦戦している。

ビジネスモデルを破壊するか

 このセキュリティホールの解決策の1つとして、デジタル権利管理(DRM)システムを使うことが考えられる。Widevine Technologiesというシアトルの企業には、Flashを使ったオンラインビデオを暗号化するDRMシステムがある。

 「ここで根本的な問題は、Adobe側に技術がなく、このビジネスモデルを維持できないということだ」とWidevineのブライアン・ベイカーCEOは指摘する。

 同氏は、コンテンツ保護の欠如は、Webビデオに今日用いられているすべてのビジネスモデルを脅かすと主張する。

 iTunes Storeで映画とテレビ番組を販売する米Appleは、独自のDRM技術「FairPlay」を使っているが、これはiTunes Storeで購入したビデオにのみ有効だ。

 米Forrester Researchのアナリスト、ジェームズ・マクベイ氏は、ビデオストリーミングキャプチャ技術が、テレビ局がオンラインビデオに利用している広告収入ビジネスモデルを完全に頓挫させることはないだろうと語る。

 「ほとんどのユーザーには複雑すぎる」とマクベイ氏は語り、BitTorrentのようなファイル交換サービスは以前からあるが、少数の人しか使っていないと指摘した。

 「人々は見つけやすく、使いやすいものを求めている」


日本のコンテンツでこんな状況だと、いまだにWinnyを使っていて情報が漏洩する事件が発生しているくらいなのでがんがんコピーされてアップロードされそうだが、英語が出来ないことが幸いしているのかもしれない。

いずれにしてもDRMの技術の未熟さのために、動画のデジタルコンテンツの流通が進まない状況。Windows Media は割りといい線いっているのだろうが、プラットフォーム依存なのが問題か。日本ではYahoo! やGyao、Biglobe などで広く使われているのだが。

もうしばらくは混沌とした状況が続くか。
TechCrunch Japanse の記事
http://jp.techcrunch.com/archives/20080915best-buy-puzzles-with-napster-acquisition/

Best Buyが本日(米国時間9/15)、Napsterを買収したことを明らかにした。$121M(1億2100万ドル)のキャッシュ取引きで、Napster現経営陣とNapsterサービスは合併後もそのまま残す。推定70万人のユーザーは当面、大きな変更抜きでサービスを使い続けることができそうだ。

3月31日締めの2008会計年におけるNapsterの売上高は$127.5M(1億2750万ドル)、損失は$16.5M(1650万ドル)。 損失だけ見ると、$36.8M(3680万ドル)の赤字を出した前の年に比べて、財務状況は改善されている。

Best BuyはNapsterを黒字転換するか、少なくとも顧客が価値を認めるサービスが提供できると考えている(Best Buyは2004年に、当時の親会社RoxioとNapsterとの間で$10M[1000万ドル]の配信提携を成立させている)。しかし、せっかくNapsterを買収しても、Best Buyの何が助かるというのだろう?

かつて人気を博したNapsterも、今はライバルからの猛攻で、差がつき過ぎており、もはや競争相手と見なされていないのが現状だ。

iTunesは世界最大の楽曲ストアであり、当面トップの座を譲る気配もない。しかもAmazonDRMフリーMP3ストアも力をつけており、さらにはMySpaceも広告ベースの無料ストリームで音楽業界参入である。市場に自らの地盤を固めようにもNapsterに残されたスペースは、もうほとんどない。

この(楽曲分野の競争という)方程式でNapsterがすんなり入れる隙間は何か? 顧客70万人、売上高…ともに立派な数字だが、より良いサービスが他に最低3つもあって、ユーザーベースも零細気味な同社は、あとどれだけ競争力が維持できるのだろう?

Napsterのビジネスモデルは単に他社そっくりで時代遅れに過ぎ、とても今の市場では生き残ってゆけない。同社では楽曲のダウンロードができる購読ベースのモデルと、無料オンライン楽曲ストリーミングが楽しみたい人のために「freenapster.com」も運営している。もちろん唯一の問題は音がひどいこと。iTunesとAmazonストアが成功する中、Napsterはもはや大半の人にとって月額$12.95払うほどの価値がないものとなっている。

MySpaceからは広告収入ベースのストリーミングに挑む新たなビジネスモデルも近々登場する。現状維持のままでNapsterは、業界で最も人気のサービスにどうのし上がっていけるのか?

自分たちの手で”改善”する、という名目でBest Buyは、買収という太っ腹な措置をとった。Napsterを何か使用に値するものにできる、との期待をもって。Napsterは最初、違法ダウンロード 天国だった。それが合法になって当初の魅力が剥がれ落ちてしまうと、今さら使う理由なんて、ない人がほとんどだ。

Best Buyが払った$121M(1億2100万ドル)は無駄金だと思う。

私も、第一報を見たときには「はぁ?なぜ Best Buy?」という印象で、TechCrunch あたりでネガティブな反応があるだろうと思って待っていたら、上記の記事。

顧客リストがほしかったのだろうか?



Yomiuri Online の記事
http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20080901nt07.htm

 困難な状況にあるオンライン音楽のパイオニアであるNapsterは、米国時間8月29日付けで株主にあてた書簡の中で、投資銀行のUBSを引き 続き採用していくこと、また自社の株式公開の維持について自らを「戦略的な選択肢」と位置付ける、すなわち売却の可能性があることを明らかにした。

 この書簡はNapsterの役員会を代表して出状されたもので、3人の反対活動家の候補者を役員として投票しないように株主に要請している。「そ の反対派のグループが最近提出したプレスリリースでは、役員会は会社の売却を検討するつもりはないということがほのめかされているようだ。それは真実では ない」と書かれている。

 さらに役員会は、反対派の候補者ではなく、現在の役員メンバーであるRichard Royko氏、Philip Holthouse氏、Robert Rodin氏を再度選出するように呼びかけている。

 Napsterはデジタル音楽における草分け的存在であり、良くない意味で有名であった。無料のピア・ツー・ピア(PtoP)サービスは、注目を 集めた法廷闘争の後、姿を消した。Napsterは合法的なサブスクリプションベースの音楽サービスで再起を図ろうとしたが、トップに返り咲くことはな かった。また600万曲のデジタル著作権管理(DRM)フリーのMP3は、「Amazon MP3」が同じことをしなければ、より印象深いものとなったことだろう。

 Napsterの株主への書簡では、候補に挙がっている新しい役員メンバーは、会社を間違った方向に導くだろう、と主張している。(CNET Japan)

上記記事にあるとおり、ナップスターといえば以前はPtoPで裁判に負けた企業という印象が強く、その意味では「まだ生き残っていたのか」という感じすらある。 詳しいことはよくわかりにくいが、もう一段階の淘汰の時代に入ったということなのかもしれない。


TechCrunch Japanese
http://jp.techcrunch.com/archives/20080828what-the-veoh-decision-means-for-youtube-and-others/

今日(米国時間8/28)、Veoh訴訟で出された略式判決を見て、アメリカ中でオンライン・ビデオサイトの弁護を引き受けている弁護士たちは大喜びした。(そのうちの何人かと直接話したから間違いない)。一言で要約すると、こういうことになる。著作権侵害コンテンツがサイトに投稿されることに対して合理的な程度に対策を採っていればオーケーだ。ただし、訴訟を起こされるなら北カリフォルニアの連邦裁判所で審理されるように努力することだ。ここでは他の地区の連邦裁判所に比べて判事がずっとインターネットに理解がある。

特に、オンライン・ビデオサイトが次のような措置を取っているかぎり、DMCA〔デジタルミレニアム著作権法〕の定める免責を受けることができると判決は述べている(私自身の解釈)。

  • 著作権を侵害するコンテンツのアップロードは禁止されている旨の適切な表示。
  • DMCAに基づく削除要求を受けた場合、通告を受け取ったその日の内に(あるいは数日のうちに)、速やかに削除する
  • フィンガープリントその他の著作権のあるコンテンツを識別するテクノロジーを利用していること。ただし、そのテクノロジーに欠陥が発見されても被告の責任ではない。
  • 著作権侵害を行ったユーザーに適切に対処していること。特に、著作権を侵害したアカウントおよび関連するメール・アドレスは将来にわたって無効とされ、新しいアカウントを作ることが禁止されていなければならない。今回の判決ではIPアドレスをベースにした禁止は必要ないとされた。 違反したユーザーの身元を調査し(確認し)、あるいはIPアドレスそのものをブロックすることがより効果的かつ合理的な対策であるという証拠は何ら提出されなかった。
  • ビデオサイトがアップロードされたファイルのフォーマットをFlashに変換しても、依然DMCAによる免責が適用される(われわれの前の記事参照)。
  • ビデオサイトはコンテンツをランダムに抜き取り調査することが望ましい。著作権を侵害しているおそれの高いコンテンツを発見した場合は削除すること。
  • ビデオサイトはすべてのビデオを直接チェックする必要はない。判決は、「本法廷はいかなる陪審員も、投稿されたすべてのファイルに対する包括的なチェックが可能であると合理的に結論することはありえないと認める。仮にそのようなチェックを行うことが可能だったとしても、Veohは本件で問題とされているような著作権を侵害しているコンテンツを正確に発見することが可能であった証拠はない」。
  • ビデオサイトに著作権を侵害するコンテンツ以外のコンテンツが大量に存在することが重要である。判決では、 VeohがDMCA通告を受けたファイルの割合は全コンテンツの7%に過ぎなかったことが留意されている。この事実が、VeohがNapsterのようなサービスとは異なるという主張の裏付けとなった。Napsterは“著作権侵害を容易にするサイトを提供することが唯一の存在理由だった。Napsterは著作権侵害を助けるためのフォーラムを提供することを唯一の目的としていた。

YouTubeはもちろんこの判決に大いに感激して、主席法律顧問のZahavah Levine名のメールを送ってきた。

YouTube のように法を守り著作権を尊重するサービスがDMCAによって保護されることが裁判所によって確認されたことはすばらしい。 YouTubeは人々がオンラインでコミュニケーションし体験を共有することを助けながら、同時に、コンテンツの所有者を守るために法が定めるところを超えて対策を取ってきた。われわれは常にコンテンツ所有者に対して、削除させる、放置する、あるいはさらにそのビデオの公開から収入を得るという選択肢を提供している。われわれはコンテンツ所有者が著作権をより有効にコントロールできるようにするツールを最新テクノロジーによって開発している。

今回の判決で、著作権侵害ビデオを発見するためにすべてのビデオをチェックすることは非現実的だと認められたことはGoogle/YouTubeの訴訟にとって重要だ。YouTubeには毎分13時間分のビデオが投稿されているという。もしVeohにとってすべてのビデオをチェックすることが困難なら、 YouTubeの困難さの度合いは文字通り桁違いに大きい。

ただし、これは連邦地方裁判所の判決であり、おそらく控訴されるはずだという点に留意する必要があろう。YouTubeは弁護士の1人でも10人でも、Veohの控訴審を助けるために貸し出すとよいのではないか。

そうではあっても、この判決はきわめて重要なものであり、おそらく現在係争中のYouTube対Viacomの$1B(10億ドル)の訴訟や同様の訴訟に大きな影響を与えるものと思われる。

中盤の箇条書きはこの記事の筆者の個人的な見解なので、多少は割り引いて考える必要はあるか。

日本では、デジタルミレニアム著作権法に相当するようなネットに対応した法律の制定が遅れていることや、すでに投稿サイトの運営者側でアップロード前に確認するサービスがあったりするので、国内法の基準でいくとサイト側に不利に働く可能性が高い。

今回のVeohに続き、仮にYoutubeとViacomの裁判でYoutubeに有利な判決が米国では出るとなると、日本国内でのこういったサイトの運営は非常に大きなジレンマを抱えることになる。下手をすれば、日本の大手出資で米国会社で米国インフラを利用して、日本向けのサービスをしたほうがまし、などということになりかねない。

ビジネス面では法務上の運用も無視できないだけに、先日のJASRACの小規模投稿サイトの提訴の国内でのおとしどころがどのようになされるかに非常に大きな注目が集まることになる。

Internet Watch の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/01/20107.html

米RealNetworksが運営する音楽サービス「Rhapsody」は6月30日、DRMフリーのMP3フォーマットで楽曲を販売する音楽ストアをオープンしたと発表した。

 同時にRealNetworksはMTV Networksとも提携し、「Music Without Limits」イニシアティブを立ち上げた。音楽サイトで楽曲の完全ストリーミング放送を行い、そこからMP3フォーマットでのダウンロード販売を行えるようにする。

 さらに、RealNetworksは米携帯キャリア大手のVerizon Wirelessとも提携。携帯電話からMP3フォーマットの楽曲を購入できるようにする。

 RealNetworksが開始した「Rhapsody MP3 Store」は、4大メジャーレコードレーベルであるUniversal Music Group、Sony BMG Music Entertainment、Warner Music Group、EMIと提携。多数のインディーズレベルとも提携し、合計500万曲を用意している。ほとんどのアルバムは9.99ドル、シングルは99セントで販売する。

 多くの音楽ダウンロード販売サイトでは、購入前には30秒程度のサンプルを聞くことしかできないが、Rhapsody MP3 Storeでは、最初から最後まで聞くことができる。その上で、気に入った曲をダウンロード購入し、iPodなどを含むMP3プレーヤーに転送できる。

 RealNetworksではMP3ストア開店を記念して、大々的な広告キャンペーンを展開する。まず、7月4日までにRhapsodyに登録した最初の10万人に、無料でアルバムを進呈する。また、2008年第3四半期だけで1500万ドルの広告費を投入するほか、2009年までに合計 5000万ドルの広告キャンペーンをテレビ放送、インターネット、出版広告で展開する計画だ。


 

音楽サイトやSNSでフルコーラス再生可能、月25曲まで

 MTV Networksとの提携によって発足したMusic Without Limitsイニシアティブには、米Yahoo!、音楽発見サービスのiLike、MTV Networksが参加している。

 提携企業の傘下にあるYahoo! Music、MTV.com、CMT.com、VH1.comなどの音楽サイトでは数週間後に、月に最大で25曲までフルコーラスで楽曲を聞けるようになる。また、そこからRhapsodyでDRMフリーのMP3ファイルを購入できるようにリンクが設置される。

 iLikeとの提携では、ソーシャルネットワークを使った音楽配信の新しいビジネスモデルが採用される。このイニシアティブによって、 iLike上でRhapsodyが提供する楽曲をフルコーラスで再生できるサービスが提供される。しかしiLike上だけでなく、メジャーなSNS向けの iLikeアプリケーション(例えばFacebook、MySpace、hi5、Orkut、BeBoに提供しているアプリケーション)上でも、同じように聴けるようになる。月に25曲という制約は変わらないが、それを超過した場合でも30秒のサンプルは聴くことができる。

 重要なこととして、このようにしてストリーミング放送される曲のアーティストやレコードレーベルには、Rhapsodyとの契約によって、1回再生されるたびにロイヤリティが支払われる。また、ここにもRhapsody MP3 Storeで購入できるリンクが設置されるため、楽曲が売れればアーティストもレーベルも利益を得る。iLikeは2800万の登録会員を持つ人気のソーシャル音楽発見サイトであり、これは音楽業界にとっても興味深いビジネスモデルといえる。


 

携帯電話からもDRMフリーMP3楽曲を購入可能に

 Verizon Wirelessの提携によって、携帯電話からもDRMフリーMP3ファイルを購入できるようになった。このサービス「V CAST Music with Rhapsody」では、1楽曲を1.99ドルで購入し、同時に2つのコピーを入手できる。1つは携帯電話のため、もう1つはPCに保存しておくためだ。さらにこのサービスの専用ソフトをPCにダウンロードし、Rhapsodyの月額会員に登録すると、Rhapsodyの全サービスにアクセスできるようになる。

 Rhapsodyサービスは、現時点では米国内でしか提供されていない。会員になるには米国内の正当な住所を登録する必要がある。そのため日本国内からは残念ながら利用することができない。

 米国では、DRMフリー楽曲への流れがどんどん加速している。現在では、Wal-Mart、Amazon、Napsterが、いずれもDRMフリーのMP3フォーマットでダウンロード販売を行っている。また最大手AppleのiTunes Storeでも、「iTunes Plus」サービスにおいてDRMフリーでAACフォーマットの楽曲をダウンロード販売している。

RealのサービスでMP3の話でしか出てこなくなったのはさびしいところ。しかも米国のみ。日本国内のメジャーなプレイヤーではなくなってしまった。

 

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/19/news010.html

 Dvorakキーボードのように、新しい音楽フォーマットは解決策と同時に、難題ももたらしている。

 Dvorakは標準的なQWERTYキーボードの代替で、もっと速く効率的にタイピングできるようキーの配列を変えている。だが、ハードコアなプログラマー以外はほとんど使っていない。既存のQWERTY配列と置き換えるのは非常にコストがかかり、難しいからだ。それとほぼ同じ理由で、代替音楽フォーマットは、実証済みのMP3に取って代わるための厳しい戦いに直面している。

 Motion Pictures Experts Group(MPEG)は今月ドイツで会合を開き、「MT9」と呼ばれる新しいデジタル音楽フォーマットを国際標準にすることを検討する。

 韓国のAudizenが開発したMT9フォーマット――「Music 2.0」の商品名で呼ばれる――は、1つの楽曲ファイルをボーカル、ギター、ベースなど6つのチャンネルに分割する。楽曲を演奏するユーザーは、プロデューサーがミキサーを使ってやるように、各チャンネルの音量を上げたり下げたり、1つのチャンネルを分離することもできる。

 Korea Timesによると、MT9開発者は、同フォーマットはすべてのデジタル楽曲の標準としてMP3に取って代わると主張しているという。だが、音楽業界の現実がその目標の前に立ちはだかっている。

 技術的な観点から見れば、新しい標準がMP3に取って代わるのはどちらかと言えば容易だろう。デジタル音楽小売業者は、数カ月で新しいフォーマットを取り込んでデータベースを更新できる――NapsterやWal-Martがデジタル権利管理(DRM)付きフォーマットからすぐにDRMフリーフォーマットに切り替えたように。

 だがそうするためには、小売業者が提携レーベルから新しいフォーマットでエンコードされた楽曲を受け取る必要がある。つまり、大手レーベルと多数のインディーズレーベルすべてが新技術を使って音楽を販売することに合意しなければならないということだ。

 それから、オーディオメーカー――特にApple――に、そのフォーマットと機能に対応した製品を作ってもらう必要がある。現在のMP3プレーヤーの平均寿命は約8~12カ月なので、市場に新しいプレーヤーを投入するには時間がかかるだろう。

 新しいデジタル音楽フォーマットの導入には、レーベル、小売業者、メーカー間で類を見ないレベルの協力が必要になる。

過去の失敗

 コンピュータのみがMT9のフル機能を活用でき、携帯プレーヤーはゆっくり対応するといったような段階的な導入は可能だ。だが、そうした方法は、音楽ファンの関心を引かないだろう。

 「消費者にとっての価値命題は、機能性に関連している」とNapsterでMP3へのフォーマット移行を監督したCOO(最高執行責任者)クリストファー・アレン氏は言う。「だから、PCの再生ソフトでできることがWebや携帯プレーヤーでできなかったら、消費者にとって新しいフォーマットの価値は、そのフォーマットをエコシステム全体で活用できる場合ほど大きくはない」

 こうした問題が合わさって、新しい音楽フォーマットを阻んだことが過去にあった。2001年、Coding Technologiesはmp3PROフォーマットを開発し、MP3技術を管理するThomsonを通じてライセンス供与した。このフォーマットは、エンコードされたファイルのサイズをMP3の半分にできる高度な圧縮システムを備え、音質も向上していた。

 だが、mp3PROを採用した製品を作ったのはThomson傘下のRCAだけだったため、弾みがつくことはなかった。Thomsonは結局、同フォーマットの支援をやめた。

 Thomsonは2005年にMP3 Surroundで再びの挑戦に出た。このフォーマットはその名が示すとおり、対応デバイスでの再生にサラウンドサウンドの要素を加えたものだった。制限は少なく、MP3もサポートするあらゆるサラウンドサウンドデバイスに対応した。さらに、既にMP3のライセンスを受けている企業なら無料で利用できた。それでもこのフォーマットは依然として隅に追いやられたままだ。

 だが、困難を伴うにもかかわらず、新しいデジタル音楽フォーマットは、音楽業界がデジタル販売を促進するために必要としているものだ。現行の MP3は小売業者にとって、ファンが自分のCDからリッピングした音楽との十分な差別化を図れるほどのものではない。MP3をオンラインで購入する唯一の利点と言えば、若干音質が高いことくらいだ。それは、顧客をCDから奪うのに十分だとは証明されていない。

メモ。

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/20/news052.html

 米デジタル音楽サービスNapsterは5月20日、「世界最大」と称するMP3ダウンロードストアを立ち上げた。

 同ストアは米国向けで、すべての楽曲をDRM(デジタル権利管理)なしのMP3フォーマットで販売する。価格はシングルが99セント、アルバムはほとんどの場合9.95ドル。大半の楽曲はビットレート256Kbpsで、高解像度のアルバムアートが付く。品ぞろえは4大レーベルと多数のインディーズレーベルをカバーし、世界最大の約600万曲に及ぶとNapsterは主張している。

 Napsterは月額料金制のストリーミングサービスも提供している。ユーザーは定額料金で好きなだけ音楽を聴くことができ、DRMに対応する携帯プレーヤーに楽曲を転送することもできる。

DRM フリーでも、これまで以上に著作権者等への収益の配分が可能であるのならば、それでもよい。米国内であれば、それほど大きな問題にはならないのかも。違法なファイルが流通しやすいのは、実は東アジア人に顕著に現れる地域性かもしれない。

 

IT Pro の記事
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080408/298269/

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米imeemは米国時間2008年4月7日,デジタル著作権管理(DRM)技術を手がける米SNOCAPを買収したと発表した。

 SNOCAPは,米Napster創設者のShawn Fanning氏が設立した企業。アーティストや音楽レーベルがインターネットで配信される楽曲の著作権を管理できるように,コンテンツ認識プラット フォームと,音楽データを管理する「Digital Registry」データベースを提供している。

 imeemは,ユーザーが投稿した音楽やビデオをほかのユーザーがストリーミング再生できる広告ベースのサービスで,SNOCAPの技術を利用し ていた。アップロードされた音楽を自動的に認識し,著作権所有者が許可した楽曲のみ,ストリーミング配信する仕組み。著作権料も管理できる。

 SNOCAPは,米Fox Interactive Media(FIM)の「MySpace.com」などで,アーティストがデジタル音楽を直接販売できる「MyStore」サービスを提供しているが, imeemによる買収後も,同サービスをこれまで通り提供する見通し(関連記事:MySpace,ディジタル音楽販売サービスでSNOCAPと提携)。

 imeemは,同社サイトにおけるデジタル音楽のストリーミング配信に関して,大手レーベルと提携し,広告収入をアーティストと共有するというビジネス・モデルを構築している(関連記事:音楽SNSの「imeem」,UMGと提携し音楽やビデオも投稿可能に)。


SNSの事業者自体が、DRMの会社を買収するというのがどうなんだ、という気もするが、メインの顧客がほぼ唯一の顧客といえる状況であれば、そういう流れも自然か。DRMの技術だけで生き残ることができる会社もないだろう。

ZDNet Japan の記事
http://builder.japan.zdnet.com/news/story/0,3800079086,20369973,00.htm

 来週、来月、あるいは次の四半期に、Appleはどのような製品をリリースするのだろうか。同社の研究所や極秘プロジェクト、ゴミ箱などから集めた(かもしれない)とっておきのウワサを紹介しよう。

  • 音楽ファイルの無制限ダウンロード

 わたしがペットの恐竜を散歩させていた大昔から絶えない話の1つ。今回は「Financial Time」サイトがウワサの出所で(「Mac Rumors」サイトが紹介した)、「iPod」および「iPhone」での音楽ダウンロードを、デバイス本体にコストを上乗せすることで無制限にするという内容だ。Appleが検討しているとされるダウンロードし放題モデルは、月額料金を支払ってダウンロードを無制限化し、支払いを止めると Microsoftの「PlaysForSure」DRMにより音楽の視聴有効期限が切れる、AOLやNapster、Rhapsody、Virgin、 Yahooなどのサービスとは違うものになるという。

  • 3Dディスプレイ搭載ハードウェア

 3Dになった「Leopard」を想像してみてほしい。Appleが特許申請している自動立体化(autostereoscopy)技術は、特別なヘッドギアやメガネを使わずに、複数のユーザーが目の前の「Cinema Display」に表示される三次元映像を見ることを可能にする。だが、そうしたディスプレイはAlioscopyがとっくに販売しているし、NECも 3Dパネルを開発した。おそらくこのウワサは、Appleが新型ディスプレイを出すことを暗示しているのではないかと思う。

  • 3D両面パネル

 わたしは二つ折りの携帯電話があまり好きではなく、もっぱらストレートタイプを愛用している。Appleの特許申請書から推測するに、同社も同じ嗜好のようだ。最新の申請では、「どちらの側面からの接触でも感知できる両面パネルに転用可能な容量性アレイ元素」の利用法が論じられている。例のごとく曖昧な表現が使われているが、両面タッチパネルというのは実に魅力的である。

 このほかにも、ほとんど伝説と化しているApple DVRの登場や、ファームウェア経由のiPhone 3Gアップグレードといったウワサが耳に入ってきている。もちろん、「iTunes」でビートルズ楽曲の販売が開始されるはずなので、もうしばらくはほかのプレイヤーに浮気をしないほうがよいとの声も、あちこちから聞こえてくる。

あくまで噂だが、メモ。

IT Pro の記事
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080208/293368/


楽曲のファイル交換サービス収益性の見込みが少し見えてきたという解釈でよいのだろうか?
PC媒体以外の媒体での貢献が大きいか?
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