動画配信・DRM・VSEO・動画マーケティングで「ISP」と一致するもの



日経新聞の記事

 市場調査会社の米DisplaySearch社は2010年8月18日,テレビ市場に関するイベントを開催した。この日の目玉は,米Google社YouTube/GoogleTV,Group ManagerのShalini Govil-Pai氏による「Google TV」に関する講演。 同氏は,以前からインターネットとテレビをつなぐ製品は市場に存在したと指摘しながら,「ついに(普及に向けて)コンテンツ,通信や機器を取り巻く環境,そして収益化という3つの要素がそろった」と主張した。

アメリカの話。日本では相当に苦しいはず。
IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0910/09/news049.html

大手ISPがものまねでやっているようなサービスと比べれば、格段によくやっていると思うが、一般に広がっている気配もあまり感じない。ターゲットが良質の一般ユーザーに広がらないとなると、やはり「儲からない」というのは、厳然たる事実となりそうな気がするが。

IT Pro の記事
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081209/321037/?ST=network

このあたりは深刻な問題にも見えるが、ネットのトラフィック量の増加は設備増強だけでなく、需要と供給で適正なサービスの提供価格が決めて不当に巡回ロボットなどを利用して帯域を食いつぶすユーザなどの対処を淡々と行っていけば、解決しそうな気もする。
IT Pro の記事
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081204/320776/?ST=network&P=1

東京大学大学院情報理工学系研究科の江崎浩教授は「今後はP2Pファイル共有ソフトよりも,動画配信サービスのように"ユーザーのインタラクティブな操作 がきっかけで動作するサービス"が問題になるのではないか」と推測する。江崎氏らがISPの協力を得てまとめているデータを分析すると,この3年間で1日 のトラフィックの最低値と最高値の差が大きくなっているという
実際の調査データから出た興味深い見解。

確かに自動でぶん回しているP2Pはある程度制限をかけておけば、トラフィックは制御できそうだが、HD画質の動画を手動のアクセスが集中するほうが怖いかも。
マイコムジャーナルの記事
http://journal.mycom.co.jp/column/svalley/285/


米ケーブル大手Comcast(=ウチのISP)が10月1日から、一般向けインターネット接続サービスのデータ利用に上限を設ける。1カウントあたり250GB/月まで。超過すると、"過度の利用"を警告する連絡があり、サービスの品質を守るための利用ポリシー「Acceptable Use Policy (AUP)」について説かれるそうだ。そして6カ月の間に再び制限を超えると1年間のサービス停止の対象になる。

250GBのデータ量というのは4MBの音楽なら62,500曲、10MBの高解像度写真だと25,000枚、2GBの映画125本に相当する。 Comcastの契約者で1カ月に、これだけの量を使用するユーザーは全体の1%未満。ところが通信帯域全体の数十%を占めていることから、その突出した "過度な利用"を解消するのがデータ利用キャップの狙いだという。Comcastの詳細データが見あたらないので、ベイエリアで同社のライバルISPであ るAT&T(DSL)のデータを参考にすると、データ利用の多いユーザーの5%が通信帯域の半分近くを使用し、トップ1%が通信帯域の21%を占 めているそうだ。Comcastも、これに近い状態なのだろう。

Comcastによると「EメールやWeb、ストリーミングビデオを視聴する標準的なユーザーでひと月に2~3GB、毎月1,000枚規模で写真を アップロード/ダウンロードするユーザーでも10GB程度だ」と説明している。だとすると、わが家は間違いなく迷惑ユーザーに近い。メール/Webに加え て、iTunes Storeを使い、音楽のサブスクリプションサービスも契約している。Roku Playerを手に入れてからはNetflixの無料ストリーミングも頻繁に利用するようになった。ほかにもオンラインバックアップ、仕事のデータのやり 取り、写真/ビデオ共有など……。試しに8月30日のデータ利用量を測ってみたら3.6GBだった。標準ユーザーの1カ月分を、軽く1日で消費している。 単純に、それが30日だとしても108GB。250GBははるか先だが、今の画質を妥協した映画のストリーミング配信ですら1本1.5GB程度なのだ。た とえば夏の北京オリンピックはNBCのオンライン配信「NBCOlympics.com」で、テレビでは放映されないマイナー競技を見まくりだった。この ようにネット依存が進めば、ウチなど早晩250GBをヒットするのは間違いない。

警告にびくびくしながらインターネットを使うのはイヤなので、とりあえず質問をまとめてサポートに電話してみると、あまりスッキリしない答えが返っ てきた。違法ユーザーの締め出しが主な目的と期待していたのだが、適法でも過度の利用は、言い訳無用でブラックリストに載せる模様。「Comcastが計 測しているデータにアクセスできるか」「計測ユーティリティを提供するか」「将来の上限拡大の可能性は」「従量サービスを用意するか」「ビジネス向けサー ビスにも同様の制限を設ける可能性は」などをたずねたが、いずれも明確な答えが得られなかった。とにかく、制限の対象になるのが1%に満たないごくわずか なユーザーであり、「標準的なユーザーにとって制限はあってないようなもの」の一点張りだった。

5~40GBのキャップを検討するISPも

Comcastが250GB制限に至った背景にはBitTorrent問題がある。同社がBitTorrentユーザーのトラフィックを制限してい ると指摘され、ネットの中立性に反する行為と批判された。これに対してComcastは、帯域全体の多くをBitTorrentユーザーに占められた窮状 を訴え、ユーザー全体の接続品質を守るための対策だったと理解を求めた。だが、8月1日(米国時間)、米連邦通信委員会(FCC)がBitTorrent のトラフィックをブロックした行為を違法とする判断を下した。これを受けて、Comcastが至った結果が250GB制限だ。

ネットの中立性維持とトラフィック品質維持のバランスに配慮したソリューションと言えるが、ユーザーやメディアの反応は芳しくない。完全に自由なイ ンターネット利用ではなくなるし、ピーク時のサービス品質の低下は解消されないままだ。中には上質な広告をユーザーに提供するのを優先したトラフィック管 理であるとか、Netflixのようなビデオオンデマンドのライバルサービスを牽制する動きというような意見も見られる。

BitTorrent問題、そして今回の250GB制限の報道を通じて、Comcastはユーザーを軽視した企業のような印象を持たれているが、い ちユーザーとして同社には不満も好感も抱いていない。BitTorrentユーザーのトラフィックをブロックしたものの、その一方でBitTorrentと提携してP2Pを活用するプログラムを進めているし、 サービスアップグレードへの投資にも積極的だ。ユーザー本位の姿勢で、現時点でサービス品質を維持するために現時点では多少の制限を我慢してほしいという のならば、我慢しようじゃないか……と思う。ただ印象が極端すぎて、どちらが本当のComcastの顔なのか判断できていないのが現状だ。

心配なのは大手ISPのComcastが正式にデータ利用キャップを採用したことで、ビジネスのためだけに同様の制限を設けるISPが増えそうな点 だ。Time Warner Cableが一部地域でテストしているサービスは5GBから40GBの範囲でキャップが設定されている。Frontier Communicationsは5GB以上を従量制にするプランを計画している。いずれも、これからのネット利用を考えると現実的とは言い難く、 Comcastの判断がこのようなサービスを後押しする前例にはなってほしくない。

義務化では前に進まないインターネット

8月29日のNew York Times紙に、米国を迂回するインターネットトラフィックの増加を報告する記事が掲載された。インターネットの土台が築かれたことから、10年前は世界 のトラフィックのおよそ70%を米国を通過していたという。負担にはなるが、技術革新を育む土壌となるし、National Security Agencyが安全保障プログラムに活用するなど、米国にとって利点の方が多かった。ところが、その立場に満足し、インターネット技術に対する投資を怠っ た結果、グローバルデータネットワークにおける米国のメリットが急速に失われている。今では米国を通過するトラフィックは25%程度。トラフィック量自体 は今でも順調に増加しているのだが、米国外の伸びをはるかに下回るのが現状で、次第にアジアや欧州の企業にインターネットの主導権を奪われつつあるとい う。うまみを感じなくなった米国の通信会社は、さらにインターネット技術への投資を控えるという悪循環に陥っているとまとめている。

ネットワークキャパシティが制限として存在するのだから、ネットの中立性維持とトラフィック管理が大きな課題になるのは間違いない。ただNew York Times紙の記事の内容が正しいとすると、今のタイミングでのComcastのデータ通信量の制限はインフラの未整備から発生する問題を利用者に転嫁し ているだけにも思えてくる。

Comcastの2つの顔のどちらが本物か分からないと書いたが、BitTorrentのトラフィック・ブロックを違法としたFCC判断(=ネット ワーク中立性の義務づけ)に振り回されているのが実情ではないだろうか。判断を受けて現状のままのインターネットを守ろうとするあまり、P2Pの活用を含 めたトラフィック管理の取り組みが雲散霧消してしまった。

つまり今回の250GB制限は、ネットの中立性維持が旧態依然としたインターネットの保護に結びつき、インターネット技術やインフラへの投資を閉め 出した結果のように思えてならない。このように考えると、Googleなどが叫んでいるネットの中立性の"義務化"が必ずしも奏功するとは限らない。イン ターネットは本来、保護されるべきものではないのだ。ネットの中立性は意識として確立されるべきだが、技術革新によって維持されていかなければ、インター ネットのダイナミズムを引き出せないということだ。

日本でも自動ダウンローダ等を使って異常な量の帯域を利用しているユーザーがインフラを使いつぶしているというような問題が実際にはISP内部では起こっているらしいとは聞く。

日本で上記のような上限を設けたサービスを行うようなことをアナウンスしてしまうと、2ch を中心にたたかれかねないが、ComCastが主張しているように、実際にインフラを荒らしているのはほんの1部のユーザであるので、強制的にアカウント削除をするような運用をすることによって、相当に健全化する可能性はあると思うので、個人的には反対ではない。インフラ側が不当に費用を負担している状況はすぐにでも改善に向けて動くべき。

インフラも公共財でマナーを守って使いましょう、というような標語を掲げてすすめれば、案外受け入れられやすいかも。

BB Watch の記事
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/22134.html

  NECビッグローブが運営するBIGLOBEは、クラシック音楽専門のインターネットラジオ「BIGLOBE RADIO」を6月11日より配信する。利用は無料。

 「BIGLOBE RADIO」は、TBSラジオ&コミュニケーションズのデジタル/インターネットラジオ局「OTTAVA」で放送されているリクエスト番組「OTTAVA conbrio」を配信するもの。配信は、毎週月曜~金曜日の22時から25時にかけてライブ配信を行ない、このほかの時間はオンデマンド配信する。

 コンテンツのファイル形式はWindows Media Audioで、配信形式はストリーミング配信、ビットレートは44kbps、64kbpsを用意する。

GYAOですらコンテンツ配信事業では収益が上がっていない現状で、BIGLOBEのほうはどうなのだろう?ISPサービス全体の中で利益が出ればよいということであれば、それでもよいのだろうが。

IT Media News の記事
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/20/news026.html

 P2P動画配信技術の米GridNetworksは5月19日、米大手ISPのComcastとの包括的提携を発表した。また、Comcastによる出資を受けたことも明らかにしている。出資額は非公開。

 GridNetworksは、インターネット動画配信サービス「GridCasting」を、主にメディアやエンターテインメント企業に対して提供している。GridCastingは、HD(高精細)画質のフルスクリーン動画をISPネットワーク上でより効率的かつ低コストで配信することが可能だという。

 Comcastは「当社は現在、ISP上でのP2Pの効率改善を目指し、多くの技術企業や標準化団体のIETF(Internet Engineering Task Force)などと協力しているところであり、GridNetworksとの提携はタイムリー」とコメント。ISPネットワーク上で「著作権で保護されたコンテンツの合法的配信を可能にする」ためのP2Pの応用に興味があるとして、「GridNetworksはこの分野での経験があり、課題解決のために価値ある貢献をしてくれるだろう」としている。

 Comcastは、BitTorrentやGnutellaなどのP2Pファイル交換ネットワークを減速/遮断するなど「ネットの中立性」を侵害しているとして、デジタル権利擁護団体などから苦情を受けていたが、3月には新しい配信アーキテクチャの検討や開発に向け、BitTorrentをはじめ、ISPやテクノロジー企業と協力していく方針を打ち出している。

P2P については、これから先も盛んに議論されていく内容。ファイル交換のネットワークを制限するのは、民間企業である以上は、特に問題はない気がするが。

Nikkei TechOn の記事
http://www.nikkeibp.co.jp/news/manu08q2/570952/

NHKは、パソコンやテレビ向けのVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービス「NHKオンデマンド」の開始に向けたスケジュールを明らかにした。まず2008年10月をメドに、トランスコーダー(動画像データの圧縮に向けた符号化方式の変換装置)や、番組のメタデータやサムネイル画像の制作システムなどを自局内に設置する。そのうえで10月中に、NHKのトランスコーダーなどと、提携先であるISP(インターネット・サービス・プロバイダー)や情報システム開発会社など動画配信プラットフォームの提供事業を手がけるASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)や、ケーブルテレビ(CATV)事業者などのシステムを使い、動画配信のテストを行う計画だ。その後、約1カ月にわたり、NHKやASPなどの担当者が局内や社内のシステムの操作に慣れるようにするための訓練や、サービス開始時点で配信対象にする動画コンテンツの投入作業を実施する。NHKオンデマンドの開始日は決定していないが、「デジタル放送の日である12月1日に開始しようという雰囲気になっている」(所洋一アーカイブス・オンデマンド推進室副部長)という。

NHKはパソコンユーザーに対してASPの動画配信プラットフォームを利用して、NHKオンデマンドを提供する方針だ。現在、契約を結ぶASPの選定を進めている。パソコンユーザーには高ビットレートと低ビットレートの2種類の配信を行う方針で、具体的な数字としては1.5Mビット/秒と768k ビット/秒を想定している。テレビ向けの動画配信プラットフォームには、ジュピターテレコム(JCOM)のVODサービス「J:COMオンデマンド」と、アクトビラのVODサービス「アクトビラ ビデオ・フル」を採用することを決めている(日経ニューメディア、2008年2月4日号(同誌読者限定サイト)、p.2参照)。将来的には携帯電話機向けにも提供することを視野に入れているが、「実現はしばらく先になる」という。

メモ。
ビットレートが1.5Mビット/秒と768k ビット/秒というのはどちらも中途半端な感じ。ADSLの実測値では768K は厳しいのではないか。

ZDNet Japan の記事
http://builder.japan.zdnet.com/news/story/0,3800079086,20369973,00.htm

 来週、来月、あるいは次の四半期に、Appleはどのような製品をリリースするのだろうか。同社の研究所や極秘プロジェクト、ゴミ箱などから集めた(かもしれない)とっておきのウワサを紹介しよう。

  • 音楽ファイルの無制限ダウンロード

 わたしがペットの恐竜を散歩させていた大昔から絶えない話の1つ。今回は「Financial Time」サイトがウワサの出所で(「Mac Rumors」サイトが紹介した)、「iPod」および「iPhone」での音楽ダウンロードを、デバイス本体にコストを上乗せすることで無制限にするという内容だ。Appleが検討しているとされるダウンロードし放題モデルは、月額料金を支払ってダウンロードを無制限化し、支払いを止めると Microsoftの「PlaysForSure」DRMにより音楽の視聴有効期限が切れる、AOLやNapster、Rhapsody、Virgin、 Yahooなどのサービスとは違うものになるという。

  • 3Dディスプレイ搭載ハードウェア

 3Dになった「Leopard」を想像してみてほしい。Appleが特許申請している自動立体化(autostereoscopy)技術は、特別なヘッドギアやメガネを使わずに、複数のユーザーが目の前の「Cinema Display」に表示される三次元映像を見ることを可能にする。だが、そうしたディスプレイはAlioscopyがとっくに販売しているし、NECも 3Dパネルを開発した。おそらくこのウワサは、Appleが新型ディスプレイを出すことを暗示しているのではないかと思う。

  • 3D両面パネル

 わたしは二つ折りの携帯電話があまり好きではなく、もっぱらストレートタイプを愛用している。Appleの特許申請書から推測するに、同社も同じ嗜好のようだ。最新の申請では、「どちらの側面からの接触でも感知できる両面パネルに転用可能な容量性アレイ元素」の利用法が論じられている。例のごとく曖昧な表現が使われているが、両面タッチパネルというのは実に魅力的である。

 このほかにも、ほとんど伝説と化しているApple DVRの登場や、ファームウェア経由のiPhone 3Gアップグレードといったウワサが耳に入ってきている。もちろん、「iTunes」でビートルズ楽曲の販売が開始されるはずなので、もうしばらくはほかのプレイヤーに浮気をしないほうがよいとの声も、あちこちから聞こえてくる。

あくまで噂だが、メモ。

TecchCrunch Japanse の記事
http://jp.techcrunch.com/archives/japanese-isps-to-ban-file-sharers/

日本は、フランスと英国(両国とも同様の規制が提案されている)を抜いて、インターネット上のファイル共有を禁止する最初の国になりそうだ。

奇妙なことにこの施策は日本政府の主導ではなく、レコードおよび映画業界からの圧力(これは驚くにあたらないが)を受けた日本の4つのインターネット接続業者の団体の合意によるものだ。Torrent Freakによると、この合意により、著作権者はインターネット上のファイル共有を「特別な探知ソフトウェア」でモニタし、著作権侵害を発見するとISPに通報することになる。著作権を侵害してファイル共有を行ったユーザーは最初の違反の時点で警告を受ける。繰り返し侵害行為を行うとインターネットから永久的に追放される。(3回目の違反で追放されることなるのかどうかは現時点では不明)。

この措置は4月から正式に発効する。ターゲットは主にWinnyという日本でもっとも人気のあるファイル共有ネットワークだとされる。

〔参考:違法コピー常習者はネット切断、プロバイダー業界が合意 (読売新聞)など。本家記事には260以上のコメントがついている。アップデート:日本時間3/16 16:16 現在、本家のコメントは715件。アップデート2:その後本家のコメントは1000件を超えた。だだし、これは話題そのもののためだけではなく、Yahooのトップページにリンクが貼られたためでもあるとみられる。〕

世界的にもこのニュースはインパクトがあった模様。日本人に対しては、抑止力が強く働くので実際に追放されるのは少ないと思われるが。

TechCrunch Japanse の記事
http://jp.techcrunch.com/archives/global-or-die-is-there-a-future-for-local-startups/

私の友人のLoic Le Meurは「現在のスタートアップはローカル市場を狙って小さく固まろうとしてはダメだ」と主張している。彼はこの点について論ずる記事を寄稿したいと言ってきた。私は価値のある試みだと思ったので受けることにした。

Loicは最近家族ぐるみでサンフランシスコに引っ越してきて、新しいスタートアップ、Seesmic (同社には私もごく一部だが出資している )を立ち上げた。Loicの他の寄稿には「スタートアップが成功するための10の法則」がある。これは昨年12月にちょっとした議論を巻き起こした。

この後に彼の寄稿とビデオを掲載した。


90年代の初期にインターネットの商用利用が始まった頃の最初のスタートアップは皆ローカル市場に特化したローカル企業だった。たとえば検索エンジンだが、その当時、ヨーロッパ中にありとあらゆる異なったテクノロジーを利用する検索エンジンが溢れていた。名前が違うだけでなく、内容も違っていた。それぞれ地元の言葉による地元産のコンテンツに索引ををつけていた。

そういった検索エンジンのうち、現在まで生き残ったものは誰もいない。みんな最初はYahooその他に、その後はGoogleに買収されるか、潰されるかして消えてしまった。そのYahooにしても、いかにこの業界のリーダーシップが移ろいやすいものか思い知らされるこのごろだ。フランス人、ドイツ人はそれぞれフランス語とドイツ語のサイトしか見ず、外界にはほとんど目を向けなかった。当時独仏には何百というeBayのようなオークションサイトが存在した。そのうちどれだけが残っているだろう!

自分を安売りしたくないのであれば、スタートアップはグローバルな視点を持つ以外ない。ヨーロッパのインターネット業界を見てみよう。世界的なリーダー企業がいくつ存在する? 昔はSkypeがあったが、今はeBayに買収済みだ。昔ヨーロッパの旅行サイトのナンバーワンはヨーロッパ企業の LastMinute.comだったが今はSabreの傘下だ。こんな例はいくらでも続けられる。世界的企業に成長できる可能性のあったヨーロッパのサイトはたくさんあった。しかし今はみなアメリカに買収されてしまった。悲しいことだが、事実は事実だ。もちろん例外は存在する。出会い系サイトの Meeticは自主独立の欧州企業というスタンスを貫こうとしている。しかしこういう例は多くない。

サービスの内容とターゲットとするマーケットについて真剣に考え始めたスタートアップに対する私のアドバイスは以下のとおり。

1. ビジネスの枠組みを作るときからすでに世界的に考えろ。

これがまず難しい。自分の近場のことしか考えないのは人間の特性である。ランチも夕食も近所の仲間と食べて自分の母国語で考えたいのは人情。私は人生の大部分をパリに住んでいたから当然ながらまずフランス市場を考えた。家族といっしょにもっと国際的な都市、たとえばロンドンとかニューヨークとかサンフランシスコに引っ越すことを考えてもよい。

2. シリコンバレーに引っ越せ

引越しというのなら、シリコンバレーがスタートアップにとって世界でもっとも適した場所であるのは明らかだ。ここでならベストのチーム、ベストのパートナーを得られる。急速に事業を拡大できるチャンスも最大だ。ヨーロッパのビデオサイト、DailymotionはYouTubeより前にローンチしていたし、コピーキャットでもなかった。しかしYouTubeのほうがもっと速く成長し、結局10億ドル以上でGoogleに買収された。 Dailymotionは今も資金調達に苦労している。

3. サービスにはオリジナリティーを出せ―目新しく、毛色の変わったものを狙え

DiggやTwitterは新しいソーシャルな関係を作りだした。何百というコピーキャットが生まれたが、本家は依然としてオリジナルだという強みを生かしている。成功への最良の道はもちろんオリジナルな素晴らしいサービスを考え出すことだ。

4. 人真似をするな―買収されたいだけなら別

コピーキャットをするな。たとえ本家と地理的に離れた市場にいても、誘惑されるな。ただし、コピーキャットをすばやく作って本家その他マーケットの大手に売却してしまうのが狙いなら別。そういうことをことを専門にして成功している起業家もいることはいる。しかしどうせなら本家と提携してローカル版をローンチするほうがよい。人生はコピーのようなくだらないことに費やすには短すぎる。

5. 資金調達は世界で一流のベンチャーキャピタルを狙え

世界的なVCならあなたの会社を世界的にするべく手助けをしてくれる。しかしシリコンバレーに本拠を置いていなければ世界的VCから投資を受けるチャンスは少ないだろう。地元のVCに行くなら、いちばん国際的なところを選べ。

6. できるかぎり国際的に人材を雇え

アメリカ人はアメリカ人を雇う。フランス人はフランス人、スペイン人はスペイン人を雇う傾向がある。その方が簡単だが、本当はできる限り違う文化、言語の人間を雇うべきだ。異文化交流による受粉はすばらしい創造性を生み出す。

7. ドメイン名をターゲットにしている国で登録せよ(たとえ興味がなくても大国では登録しておく)

この点はスタートアップがいちばんよくやる手ぬかりだ。良いドメイン名を取得できるチャンスはきわめて限られている。しかしできるだけ努力すべきだ。

8. ブランド名を世界的に保護せよ

主要国で商標を登録するのに手間取るな

9. 開発の当初から多言語対応にしておけ。(たとえ英語をベースにしたプロジェクトでも)

毎日ウェブにアップロードされるコンテンツは英語より非英語のほうが多い。多言語にローカライズするのはサービスがローンチしてから順次実施してもよい。しかし少なくとも言語ファイルを分離して独立させておくべきだ。わかってるって? ただ、多くの言語では英語より単語がずっと長くなるのを忘れないように。このせいでユーザー・インタフェースのレイアウトが崩れることがある。フィンランド語、ドイツ語の例を見るとよくわかるはずだ。

10. プロジェクトの1日目から国際化を心がけよ

国際化は会社を始めたその日から始めなければいけない。開発メンバーを世界のいろいろな国から集めれば異なった文化のユーザーの視点を最初からサービスに取り入れることができる。われわれはまだSeesmicをローンチしていないが、すでに20カ国のユーザーにテストしてもらっている。そのつどわれわれは多くのことを学んできた。

11. それぞれの地域のユーザー・コミュニティーでいちばん積極的に活動しているメンバーと話して地域の特性を理解せよ。そしてそのメンバーに製品のエバンジェリストになってもらうように。

そういう積極的なメンバーは非常に強力なエバンジェリストになってくれる。また現地のパートナーを紹介してもらえる可能性もある。

12. ユーザー・コミュニティーが自分たちでローカライズできるような構造のアプリケーションを作ること

Facebookはさまざまな言語にローカライズされているが、サイト内で言語ファイルを翻訳するためのアプリケーションが用意され、利用されている。メンバーは訳語の選定にあたって討議し、どれがベストが投票することができる。これは品質の高い翻訳を短時間で手に入れる素晴らしいアイディアだ。この方法だと、当初ローカライズの対象として想像もしていなかったような言語への翻訳も可能になる。ただし、その後のメンテナンスをどうするか考えておかねばならない。

13. 単一の言語でも地域ごとに特色がある

フランスで話されるフランス語とケベックのフランス語は違う。マドリッドのスペイン語とメキシコのスペイン語も異なっている。単語の意味も同じではないことがある。eメールは、フランスでは(英語と同じ)「email」だ。ところがカナダのフランス語圏では「courriel」という。しかしフランスで「courriel」とか「pourriel」(スパム)とかいえば笑われるかもしれない。チャットにしてもそうだ。ケベックでは「clavardage」だが、フランスでは単に「chat」である。

14. イギリスは「ヨーロッパ」ではない

アメリカの会社イギリスでローンチすると「ヨーロッパ」に進出したつもりなる。しかしヨーロッパには20以上の言語があり、文化にしてもデンマーク、イタリア、ポルトガルではそれぞれ大きく異なっている。イギリスでうまくいったからといってオランダでうまくいくとは限らない。

15. 経費を適切に管理せよ

国際的といっても現地に自社のオフィスを開設したり、現地にパートナーを置いて提携したりするのはコストがかかる。事情を知らない国で現地の労働法、会計、その他慣行を遵守してしビジネスを展開する苦労を考えてみよ。一部の国では雇用にはきわめて強い規制が存在する。たとえばオフィスを閉鎖してチームを解雇する際には一年分の賃金を支払わなければならない国もある。

16. 絶対に五分五分の提携をしてはいけない

提携する際にはその比率が重要だ。もし50/50の提携をすると誰も決定権を持つものがなくなり、結局大混乱に終わる例が多い。いちばんいいのはもちろん自分の事業は自分で100%コントロールすることだ。

17. 提携するなら現地の大手とせよ

LinkedInは先ごろFranceに進出するにあたってフランス最大の人材供給組織APECと提携するという賢明な手法をとった。フランス市場におけるAPECの大きな存在はLinkedInがこの市場に進出する際のブランドイメージの確立と初期のユーザーを獲得するうえで大きな役割を果たすだろう。

18. 大手と組んだからといって、サービスが成功するとは限らない

その国の最大のISPなりポータルなりと提携したからといって、その相手が真剣にあなたの会社をプロモートしてくれるとは限らない。もしかすると優先順位867位のプロジェクトになっていて、誰も見やしないようなページに押し込められているかもしれない。まさかそんなことはしないだろう? とんでもない。私は何度もそういう経験をしている。大手と提携してクリスマスツリーの飾りの一つみたいな扱いしか受けられないくらいなら、小さいが真剣にプロモートしてくれるサイトと組んだほうがずっとよい。

19. 国際的な再販売組織をつくれ

収益を気前よくシェアするプログラムは提携先のやる気をかきたてる上で絶好の手段だ。ウェブ・ホスティング企業は再販売、特約、共同マーケティングなどのプログラムを提供して国際的な存在となることに成功してきた。

20. 地元のコピーキャットを潰せ

どんなに防止のために努力しても、成功すれば周囲にコピーキャットが生まれるのは避けられない。まずはやっつけることを考えよ。自分がリーダーならより多くのユーザーベースや資源が利用できるはずだ。

21. 潰せないなら買収してしまえ

コピーキャットを潰せないなら、その中でいちばん成長著しいものを買収してしまうのがよい。コピーキャットにとって最終的な収益化の道は多くない。ほとんどの場合本家に買収してもらうのを待っている。ただし、買収にあたっては相手のファウンダーだけでなくチームも会社に残るよう契約しておく必要がある。

22. 発想は柔軟に

ある種の市場ではジョイント・ベンチャーがよいし、別のところでは大手と提携がよくて、また別の地域では独自のチームを作るほうがよい。

23. 以上のことはアジアには当てはまらないかも

私はアジア市場についてどういうことが起きているのか判断を下せるほど詳しくない。しかし中国に進出したアメリカ大手企業の例を見ると、たいていは撤退しているか、苦闘中のようだ。日本市場にはそれぞれ独自の大手が存在するようだが、自分でもあまりよく知らない市場について独断的に語るのは控えたい。ただ私としてはアジア市場ではきわめて細心に注意を払ったほうがいいと思う。

24. 以上のすべてはロシアにも当てはまらない

皆ロシアのインターネット市場のことを忘れがちになるが、これは巨大でしかも急速に発達中だ。市場のリーダーはロシア人が経営する地元企業だ。彼らはアメリカのスタートアップさえ買収している。SupはSixApartからLiveJournalを買収したぐらいだ。

25. Tこれらの諸注意はインターネットのスタートアップだけに当てはまる。

私の経験はインターネットのスタートアップに限られている。他の若い会社には上記の諸点の多くは当てはまらないかもしれない。

[原文へ]

これは、良記事の多い TechCrunch Japanese の中でもかなりの良記事。 23の指摘も鋭い。日本で大企業とくんでも成功した例は少ない。

中国情報局NEWSの記事
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0304&f=column_0304_004.shtml


  日本でも話 題になっている中国の「インターネット視聴番組サービス管理規定」については、中国の国内ではちょっとした反発が発生している。この管理規定は Youtubeのような動画サイトを規制する法律で、今年の1月31日から施行されている。動画配信サービスを実施するには政府が認定したライセンスが必 要ということが重要なポイントの1つになっている。加えて、国家が経営に携わっている企業以外にはライセンスを付与せず、実質的にはライセンス取得が不可 能なことが問題にされている。

  しかし、規制が厳しいテレビ局に比べて、インターネットの動画配信の取り締まりに対する法的根拠がこれ までなかったことから、中国政府としても何かしらの規制がなければ、著作権侵害の蔓延を招くと判断したようだ。また昨年度から動画配信サイトは爆発的に収 益が伸びており、他者が作ったコンテンツの2次利用(ユーザー独自のオリジナルもあるが)による収益モデルであるところに、既存メディアからも不満の声が 挙がったのかも知れない。

  ちなみに、本規定には罰則が明記されていて、幾つかの事項に違反した場合は、是正命令の上、運営者に3万元 以下、出資者などには2万元以下の罰金が科されることになっている。ICPライセンスのようにサイトを停止するというところまでは明記されていないが、著 しい違反においては、広域テレビ管理条例にしたがって罰するとある。

  管理規定の施行から1カ月経過したが、今のところ大きな取締りは行われておらず、既存の有力サイト(土豆網、酷6網、優酷網、6度空間など)もこれまで通りの運営を続けているようだ。

   もちろん中国では本規定に対する反発が広がっており、オンラインリサーチ大手のiResearch社は、「ユーザーは自律的であり、動画配信メディアの 運営も健全であることから、“政策”は自然に存在意義を失うだろう」というコメントを出している。また、本規定を管轄する広電総局と情報産業部の責任者が 新華社通信のインタビューに答えたところによれば、「インターネット動画の発展は早く、日増しに影響が高まりつつある。膨大なインターネットユーザーの多 様性、個人の嗜好に終わりはない。しかし、性的、暴力的で低俗なコンテンツや著作権を侵害したコンテンツなどが少なからず見受けられる」という状況に対し て規制を強化する必要があると判断され、本規定が制定されたようである。

  急な規制に対して反発があるのは仕方がない。むしろ、日本で もテレビ配信に対して適用される法律が不明確であったことを考えると、きわめて妥当な判断かも知れない。しかし、ライセンスがないことに基づいて本当に罰 則規定を適用していくかどうかについては、まだ不透明だ。現実的には、そこまで厳しい対応をした場合は中国政府のイメージダウンにつながるリスクもあるた め、オリンピックを見据えつつ、著作権侵害コンテンツなどを規制していこうというのが狙いではないだろうか。

筆者:汪安迪(Andy Wang、網紀信息技術(上海)有限公司――日本名:ワンジーテクノロジーズ(上海)有限公司――総裁)
提供:ウェネバービジネス
免許制になったことはかなり大きく報道されたが、それ以降の状況については、それほど大きな動きはない模様。
ITPro のニュース
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080225/294685/


 総務省は2008年2月25日,NTT東西地域会社が2007年10月25日に行った,次世代ネットワーク(NGN)を使った活用業務の申請を条件付きで認可した(発表資料)。 今回認可されたのは,「次世代ネットワークを利用したフレッツサービスの県間役務提供・料金設定」,「次世代ネットワークを利用したIP電話サービスの県 間役務提供・料金設定」,および「イーサネットサービスの県間役務提供・料金設定」の3案件(東西分合わせて計6案件)である。

 ただし今回の認定には,公正な競争を促進し利用者の利便性を高める観点からNTT東西それぞれに対して8つの条件が設定された。この中でも特に動 画配信および地上デジタル放送のIP再送信に関連のあるものとして,(1)NTTの関係会社とほかのコンテンツ提供事業者やISP事業者とを公平に取り扱 うこと,(2)他のISP事業者を経由して配信するコンテンツ提供事業者を公平に扱えるようインターフェースの共通化について検討すること,という2つの 条件が付けられている。

 NTT東西がNGNサービスを開始するには,今回の認可のほかに現在情報通信審議会で審議中の「接続ルール」が確定する必要がある。接続ルールに ついては3月中旬の答申が予定されており,NTT東西は条件がそろい次第,3月下旬にもNGNを使ったサービスを開始する意向である。


smh.com.au の記事
http://news.smh.com.au/china-to-tighten-internet-control/20080106-1kdu.html

China is introducing strict regulations to control videos, podcasts and other audio-visual content on the internet, official media reported.

From next month, only state websites will be allowed to carry film or radio programs, the State Administration of Radio, Film and Television (SARFT) said.

Providers will not be able to offer material containing sex, violence or gambling as well as anything against state interests or security or that threatens social morals.

The regulations are mainly targeted at the increasingly popular video-sharing websites.

China has about 150 million internet users and is soon to replace the US as the world's largest online market.

Beijing also bans videos and programs attacking the country's unity, sovereignty and territorial integrity - a move directed at independence movements in Tibet, Taiwan or Xinyiang.

The disclosure of "state secrets", which is very broadly defined in China, is also banned. All programs and films - including cartoons - will have to be approved beforehand by the relevant authorities.

Offending videos uploaded onto websites have to be deleted by the operator.

The new rules will put many private video providers in China out of business as only websites fully or for the most part in state ownership will be allowed to offer films and other audiovisual products.

It remained immediately unclear, what consequences the regulations would have for international providers such as YouTube, who operate their servers outside China, or the popular China-based Tudou.com website. YouTube has been repeatedly blocked in China in recent months.

The new controls reflect regulations already in force for other internet offers. China is already blocking many foreign sites, such as the site of British broadcaster BBC, the Chinese service of German broadcaster Deutsche Welle (German Wave) or information provided by human rights organisations such as Amnesty International or Tibetan exiles' organisations.

Large international search engines such as Google or Yahoo self-censor in China as do their Chinese competitors. They do not display information critical of China to get their share Chinese internet market.

中国らしい話。中国国内での動画マーケットは全く読めず。

日本語記事
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2332676/2500122

毎日.jp の記事を引用
http://mainichi.jp/life/electronics/news/20071121org00m300015000c.html

 調査会社の米ネメルテス・リサーチは19日(米国時間)、インターネット利用によるトラフィックの増加が現在のペースで進むと、ネットワークの処理能力を上回り、早ければ2010年にも“大渋滞”が起こるとの予測を発表した。

 同社は、利用者増に加え、動画のストリーミングやダウンロード、ピア・ツー・ピア転送など、大容量データの利用拡大などでトラフィックが急増すると指摘。ネットワークのインフラ増強が現在のペースのままだった場合、3~5年後には処理能力が追いつかなくなるとしている。

 こうしたギャップを埋めるブロードバンド接続の増強では、米国で420億~550億ドルの追加投資が必要になると試算。米国のISPは現在720 億ドルの投資を予定しているが、さらに60~70%の追加を求められる計算となる。また世界全体では、推定で1370億ドルの投資が必要という。

 別の調査によると、5月に米国のネットユーザーの約75%がオンライン動画を平均158分視聴し、合計で83億本以上の動画をストリーミング視聴 したという。同社は、ネットの大渋滞が現実になった場合、動画のダウンロードにかかる時間が長くなるなど、一般ユーザーに影響するだけでなく、技術革新の ペースが遅くなり、企業活動にも悪影響を及ぼす、と警鐘を鳴らしている。【高森郁哉/Infostand】


あまり日本とは関係はないのではないかという気がするが、一応メモ。時間があれば詳細を読むか、というレベル。

NikkeiNet IT Plus の記事を全文引用 
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITba001007112007

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 2001年に生まれたP2P (ピア・ツー・ピア)用の通信プロトコル「BitTorrent(ビットトレント)」は、北米インターネット・トラフィックの3割から4割を占めると言わ れている。サンノゼで11月6~8日に開催されているストリーミング関連ビジネスの展示会「ストリーミングメディア・ウエスト2007」初日の基調講演 で、P2Pの老舗、ビットトレント社の社長で共同創業者のAshwin Navin(アシュウィン・ナビン)氏は、「動画によるトラフィックの急増で、従来型の配信方法はもたなくなる」との見方を示した。(ITジャーナリス ト・小池良次)

■IPビデオ急増でエクサバイト時代へ

 米国では、ユーチューブを筆頭に数えきれないほどのビデオベンチャーがひしめく一方、4大ネットワークが看板番 組をインターネットで配信するようになり、ストリーミングメディアがにわかに普及期を迎え、市場規模を拡大している。その半面、従来の大型ビデオサーバー による集中配信が難しくなり、アカマイなどのコンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)も伸びている。

ビッ トトレント:2004年設立で、本社はカリフォルニア州。共同創業者で現在はチーフサイエンティストであるブラム・コーエン氏が開発したP2P技術 BitTorrentを提供する。BitTorrentは通常のP2Pネットワークと異なり、人気が高いファイルほど速く転送できるという特徴を持つ。ク ライアントソフトは1億5000万ダウンロードに達し、1日に数万人単位でユーザーが増えているという

 そうしたなか、重要なビデオ配信技術として注 目を浴びているのが、BitTorrentだ。最近では、ユーチューブの対抗勢力として注目されている「hulu」にも採用が決まっており、講演したナビ ン社長は「ABCやNBC、ディスカバリー・チャンネルなど、大手メディアが我が社の技術を利用している」とビジネス分野への浸透ぶりを強調した。 huluはNBCユニバーサルとニューズ・コーポレーションの合弁によるビデオ配信サイトで、フォックスおよびNBCの看板番組を来年から本格的に配信す る予定だ。

 ナビン氏はシスコ・システムズの予測調査を示しながら、2008年を皮切りにIPビデオのトラフィックが急増す ると指摘し、「近い将来、インターネットのトラフィックはペタバイト(1000兆)からエクサバイト(100京)時代に突入する」との分析を示した。そし て、これほど大量のビデオ・トラフィックを処理する時代には、「従来のクライアント・サーバー方式やCDNでは十分な対応ができない」と強調した。

 さらに、ナビン氏は、単純なP2Pでもエクサバイト時代を乗り越えるのは難しいとして、「P2PとHTTP (ウェブの主要転送通信手順)を組み合わせた『Hybrid P2P/HTTP』方式によるビデオ配信の確立が必要だ」と訴えた。 同社は現在、Hybrid P2P/HTTP方式を採用した「BitTorrent DNA」を販売している。DNAはDelivery Network Acceleratorの略称で、現在利用しているCDNを効率化するとともに、高い品質を保証している。

■ お茶の間への進出はP2Pビデオの重要課題

 講演の後半、ナビン氏はP2P市場の動向について触れた。ビデオ配信の担い手となるP2Pプロトコルは現在、 HD(高精細)対応やTimeshifting(いつでも鑑賞できる)、Placeshifting(どこでも鑑賞できる)、PCからテレビへの展開、 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やWeb2.0への対応といった課題を抱えているという。特に、PCをベースにした配信形態から CATVやIPTVなど茶の間で楽しむテレビ環境にP2Pが対応することの重要性を指摘している。

 P2PであるBitTorrentは本来、SNSやWeb2.0との親和性が高く、「ブロードバンドの普及にともない、より多くのコミュニティーベースビデオに利用されることになる」と自信を示した。

 講演の最後では、会場からの質問に答え、P2Pプロトコルによるプライバシー問題やインターネット接続会社 (ISP)とのトラブルについても言及した。ナビン氏は「P2Pだけがプライバシー問題に悩んでいるわけではない」と述べ、同問題がP2P技術固有の課題 ではないことを指摘する一方、運用面での対応が「より重要だ」とした。

 P2Pトラフィックの急増はネットワークへ大きな負担をかけており、米国最大のCATV事業者であるコムキャス トを筆頭に、多くのISPがBitTorrentプロトコルを制限する処置(トラフィック・シェーピング)を行っている。ナビン氏は、「そうした状況を引 き起こしているのは、オープンソースとして流通しているBitTorrentプロトコルによるサービスである」と反論する一方、同社がネットワークの効率 化、配信ビジネス向けに提供しているサービスは「そうした問題を抱えていない」と訴えた。

◇   ◇   ◇

 BitTorrentと言えば、日本で問題となっているWinny(ウィニー)のようなファイル交換アプリケーションと勘違いされることが多い。しかし本来のBitTorrentは、HTTPやFTPなどと同様、P2Pを取り扱う通信手順に過ぎない。

一方、同プロトコルをベースに様々なP2Pアプリケーションやサービスがあり、それらをBitTorrent tracker(ビットトレント・トラッカー)などと総称している。このトラッカーに対しては、全米レコード協会(RIAA)や大手テレビ番組制作会社 (HBO)などが現在も著作権問題で激しい規制活動を展開している。

 こうした状況をふまえ、ナビン氏は「技術としてのP2PおよびBitTorrentが重要である」と述べるとともに、ストリーミングメディア業界が安心して利用できるビジネス用BitTorrentの開発が着実に進んでいることをアピールしていた。

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これは、大変な良記事。 P2Pの現状などが非常に丁寧に説明。日本での展開も発表されているだけに、記事中で説明されている問題点などがどのように解決されるのか、あるいは解決は困難なのかを見極めたいところ。



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