動画配信・DRM・VSEO・動画マーケティングで「総務省」と一致するもの
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081111/318982/
ライブ配信でのP2P の技術はなにげに少しずつ広がりができつつある。遅延の問題は大きいかも知れないが、あまり遅延が大きな問題ではないサービスについては、これからも大きく利用が広がるのかも。NECビッグローブとウタゴエ(本社:東京都渋谷区,社長:園田智也氏)は2008年11月11日,大量の同時アクセスを効率的に実現するweb上でのライブ動画配信のトライアルを,11月18日から実施すると発表した(発表資料)。視聴に必要となる専用ソフトのダウンロードを,トライアルサイト(こちら)において11日から開始した。
トライアルでは,P2P(peer to peer)技術を利用する。ビッグローブのサーバーからの動画配信に加えて,視聴者のパソコンからの配信も併用するグリッド方式のライブストリーム配信 サービスとなる。短時間にサーバーアクセスが集中するライブ動画サービスにおいても,「従来の10分の1程度のサーバーネットワーク設備で対応できる」と しており,低コストで短期間にインターネットを使った動画サービスを実現することが可能になると見込む。
今回のトライアルではこのP2P配信技術として,ウタゴエが開発したソフトウエア「UG Live」を活用する。Windows Media Rights Management方式によるDRMによる著作権保護に対応する。
配信コンテンツは「サムライ7」を用意する。黒澤明監督作品「七人の侍」をリメイクしたテレビアニメであり,2006年にNHKの総合テレビで放 送されたものである。この1~5話までを毎回配信する。配信に利用する帯域幅は1Mb/sで,最大1万人のブロードバンドユーザーを対象に実施する。実施 日程は11月18日,11月26日,12月4日(毎回午後8時から10時ごろ)の3回である。
トライアルの実施に合わせてNECビッグローブは,総務省が支援する「P2Pネットワーク実験協議会」(会長:浅見徹・東京大学大学院教授,事務 局:マルチメディア振興センター)に2008年10月より参加することにした(ウタゴエは以前より参加)。安全で効率的な動画配信の新たな可能性を検証し ていく予定である。
Nikkei Business Online の記事
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080804/167132/?P=1
これまでの議論は、議論にもなっていない感じだったので、総務省ではなく、経済産業省が動き始めることで、いろいろと決まってくることに期待。
日経エレクトロニクスの記事
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20080729/155594/
「映画だけコピー・ネバーで放送してくれれば…。混在でやってくれれば問題は一挙解決なんですけどねぇ」
7月24日に行われた「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」の記者会見に顔を出してきた。会見そのものは大荒れになった7月10日の文化庁 文化審議会の私的録音録画小委員会(Tech-On!関連記事)を受けて,権利者が従来の主張を繰り返すという内容で,正直言って新味に乏しかったし,実演家著作隣接権センター(CPRA)の椎名和夫氏の話なら先日たっぷり聞いている(Tech-On!「椎名氏へのロング・インタビュー」)。何となく気が進まず,他の取材などにかまけて後回しにしているうちに,気づいたらTech-On!にニュース記事を上げるタイミングを失っていました。すみません。代わりにITproの記事とPConlineの記事をリンクしておきます。
それでその会見の後に,出席者の一人である日本映画製作者連盟の華頂尚隆氏をつかまえていろいろ聞いた。会見に来た他の記者たちには,椎名氏と日本音楽著作権協会(JASRAC)常務理事の菅原瑞夫氏が人気だったので,ちょっとチャンスだったのだ。
華頂氏はいわゆる「見出しになる」発言が多い人物で,常々,「映画はもともとコピーを認めていない」と主張している。コピーを認めていないが,テレビ放送ではコピー・フリーもしくはダビング10として放送されてしまうから,その分を「私的録画補償金の対象にせよ」というわけだ。異論はあるだろうが,意見としては筋は通っている。
この論理だと,もしコピー・ネバー放送なら補償金はいらないはずである。そこを確認すると「そうだ」と言う。ならば,テレビ局にお願いして「映画はコピー・ネバーで放送してもらえばどうか?」と尋ねたら,冒頭の答えが出てきた。華頂氏は続けて「ダビング10とコピー・ネバーの放送を混在させることは技術的にはできるはずなんですけどね。なぜかできないと言われるんですよ。なんでできないんですかね」と逆に聞いてきた。
記者も華頂氏の言うとおりだと思う。地上デジタル放送は放送波に含まれたコピー制御信号によって,録画機側が放送をどう扱えるかを決められるしくみになっている。コピー・フリー(制約なしにコピー可),コピー・ワンス(1世代のみコピー可),コピー・ネバー(コピー禁止)が選べるほか,コピー・フリーのオプションとしてEPN(出力保護付きコピー・フリー)が選べる。さらに,コピー・ワンスのオプションとして「ダビング10」がこのほど加わった。
番組ごとにこれらの信号を切り替えて放送すれば,今言われているテレビの録画の問題の大半は解決できる。映画はコピー・ネバー,報道番組やCMはコピー・フリー,バラエティ番組などはダビング10,教育番組などはEPNなどと番組の特性ごとに切り替えれば,「クリエーターの保護」と「ユーザーの利便性の確保」の両立が十分に可能なはずだ。というか,そのための技術なのである。
しかもこうした制御はデジタル放送だから可能なのである。いわばデジタル・テレビならではのメリットなのだ。アナログ放送ではこうした技術がなかったから全部コピー・フリーにせざるを得ず,「クリエーターが不当に我慢を強いられていた」という側面は無視すべきではない。コピー制御信号の有効活用は本来であれば,アナログ放送からデジタル放送へ移行すべき最大の理由の一つになってもおかしくないと個人的には思う。
テレビがアナログからデジタルになって画質が良くなった,けど不自由になった,ユーザーも権利者も不満が増えた,ではつまらないではないか。デジタル革命はすべての人に等しく新たな自由をもたらすべきだと思う。記者は割とナイーブにそう信じているのだけど,どうだろうか。
そういえば,総務省 情報通信審議会の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会(デジコン委)」の2006年度の会合で,NHKの委員が「教育テレビの番組で一部EPN化できるものはないかについて検討しています」と発言したことがあった(オブザーバーで出席していたNHKの元橋圭哉氏が第6回,第12回,第13回でその趣旨の発言をしている。デジコン委のPDF議事録へのリンク,第6回,第12回,第13回)。あれはどうなったのだろうか。まだ検討中だといいのだが。
ちなみにこの話にはちょびっと続きがある。華頂氏は「もしそうなったら某タレント事務所の意向で,特定のCMだけコピー・ネバーになったりするかもしれないね」という。確かにそうかも。あの事務所ならやりかねない。けどね,録画できないCMタレントなんてスポンサーが拒否するでしょう。あるいは,それでも使いたいタレントなら,それはそれで「健全な競争」の成果という気がする,と答えておいた。
言われてみれば、確かにそうだな、という内容。基本的にDRMは個別にコンテンツごとにつけられるもの。
ただ、そういう運用にすると、テレビ局的には映画のみでなくすべてのコンテンツをコピーネバーにしたいということにもなりかねず、そうなるとさらに議論が混乱するか。
河北新報の記事
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2008/05/20080505s02.htm
山形県庁5階の記者会見室。4月某日、斎藤弘知事がさっそうと現れた。
「おはようございます」。笑顔であいさつした後、立ったまま記事になりそうな話題を提供する。背後にオレンジと緑の格子状の壁紙。広報室の職員がその姿をテレビカメラでとらえ、インターネット上に中継する。
2005年1月の当選以来、記者会見は累計で300回を超えた。「原則として毎日、記者会見する」と宣言した05年度は95回、06、07年度はそれぞれ99回に達した。本年度も週末や祝日を除くほぼ毎日、記者たちと向き合っている。
庁内には「毎日は無理」「そんなに話題がない」と異論も多かったと振り返る知事。それでも、「知事を県民に身近な存在にするため必要なこと」と、信念を曲げなかったという。
地元メディアにも当初、「実効性に疑問」「新任知事の気負い」と否定的なとらえ方もあったが、情報発信を続ける姿勢は意義あることと評価したい。
共同通信が昨年3月にまとめた調査では、06年に全国の知事が開いた記者会見の回数の平均は29回。山形は断然トップで、2位の北海道(63回)、3位の長野(57回)を大きく引き離した。
知事が何を考え、どんな政策を実行しようとしているのか、有権者が知る機会が多いに越したことはない。
「県民に何をPRするか、職員が競い合うように話題を出してくれるようになった」。斎藤知事は毎日会見のメリットをこう強調する。
民主的な県政運営を心掛けている姿勢が伝わってくるが、あえて1つ指摘したい。知事会見をめぐるネット配信のルール化のことである。
リアルタイムの動画配信は庁内サーバーを使い、税金で費用を賄っている。その便利な道具を駆使し、県の施策をPRするだけならいいが、公正さを担保する義務が生じる問題もある。
斎藤知事の任期切れを来年2月に控え、間もなく選挙のことが話題に上り始めるだろう。推薦・支持、あるいは対立候補の擁立など各政党の動きが次第に加速する。当然、記者会見でも選挙の動きに関連した質問が数多く出るはずだ。
一般的に選挙で圧倒的に有利とされる現職が、ネット配信という武器も手中にした実態について、総務省は「告示前であれば、選挙運動の性質がなければ公選法には抵触しない」(選挙課)との見解を示すが、現実は法律を超えて動いている。
斎藤知事は再選出馬するかどうかもまだ表明していないが、毎日会見する立場上、その責任は重い。法律論とはまた別の視点で良識ある運用ルールを定める必要があるのではないか。
地方自治体の動画での情報発信についてのルールについての提言の記事。このあたりは以前から公職選挙法の問題なども含めて、遅々として進んでいないところであるので、衆議院の選挙の時期などにまた議論が高まってくるかも。
RBB Today の記事
http://www.rbbtoday.com/news/20080317/49590.html
17日、BitTorrentは、P2Pネットワークによる動画配信技術であるBitTorrent DNAによる動画配信ソリューションビジネスでインプレスとの協業を発表した。
BitTorrentは、総務省が支援しているP2Pネットワークの共同実験にも参画し、角川グループなどとダウンロード型、ストリーミング型のコンテンツ配信などを行っている。インプレスとは2007年12月に資本提携を発表しているが、今回、インプレスが、インターネット動画関連事業をソリューション事業へシフトする再編計画のなかで、BitTorrentとの協業強化につながった。
インプレスグループのインターネット動画関連事業はair impressがインプレスTVや法人向けソリューション事業を展開していたが、今回の再編によりソリューション事業に特化する「インプレスイメージワークス」に商号変更し、インプレスTVはいったん終了させる。インプレスTVについては、現状のほとんどの番組については4月前後に新規の更新を終了させ、 9月にはサイトも終了となる予定だ。インプレスTVの番組コンテンツやインフラリソースについては、Impress Watchの各メディアが引き継ぐことになるが、詳細は未定としている。
これにより、BitTorrentは、インプレスイメージワークスのコンテンツホルダーや配信事業者など法人顧客にBitTorrent DNA技術やソリューションの展開が期待でき、インプレスイメージワークスは、商用P2P配信技術のグローバルスタンダードともいえる BitTorrentの技術を利用したソリューションビジネスが展開できるようになる。
P2P技術は、Winny問題などにより日本ではマイナスのイメージを持たれることがあるが、動画配信など大容量のデータ転送には、トラフィック制御という観点からP2P技術そのものはソリューションのひとつとして重要視されている。(中尾真二@RBB 2008年3月17日 18:23)
インプレスTVが終わるというのは、少々感慨深いが、最近は全くアクセスしたことがないので当然の流れか。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080225/294685/
総務省は2008年2月25日,NTT東西地域会社が2007年10月25日に行った,次世代ネットワーク(NGN)を使った活用業務の申請を条件付きで認可した(発表資料)。 今回認可されたのは,「次世代ネットワークを利用したフレッツサービスの県間役務提供・料金設定」,「次世代ネットワークを利用したIP電話サービスの県 間役務提供・料金設定」,および「イーサネットサービスの県間役務提供・料金設定」の3案件(東西分合わせて計6案件)である。
ただし今回の認定には,公正な競争を促進し利用者の利便性を高める観点からNTT東西それぞれに対して8つの条件が設定された。この中でも特に動 画配信および地上デジタル放送のIP再送信に関連のあるものとして,(1)NTTの関係会社とほかのコンテンツ提供事業者やISP事業者とを公平に取り扱 うこと,(2)他のISP事業者を経由して配信するコンテンツ提供事業者を公平に扱えるようインターフェースの共通化について検討すること,という2つの 条件が付けられている。
NTT東西がNGNサービスを開始するには,今回の認可のほかに現在情報通信審議会で審議中の「接続ルール」が確定する必要がある。接続ルールに ついては3月中旬の答申が予定されており,NTT東西は条件がそろい次第,3月下旬にもNGNを使ったサービスを開始する意向である。
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/20893.html
Jストリームは、日本経済新聞のニュースを動画配信する「日経ブロードバンドニュース」を用いてP2P配信の実証実験を2月7日より開始する。海外では P2P が盛り上がってきているようだが、日本で受け入れられるかどうかは疑問。無駄にインフラが普及しているのと、P2Pへの心理的な抵抗が大きいのではないか?
今回の実証実験は、総務省が支援するP2Pネットワーク実験協議会の実証実験に参画して行なうもの。コンテンツ配信には、米 BitTorrentのP2Pを利用したコンテンツ配信ソフト「BitTorrent DNA」を使用し、配信コンテンツのホスティングやCDNの提供をJストリームが行なうことで、P2Pの周知やP2Pによるトラフィック削減効果の確認、 低コストのコンテンツ配信手法の実現を目指すとしている。
配信コンテンツは、日本経済新聞デジタルメディアと共同で「日経ブロードバンドニュース」を配信する。実験期間は2月7日から3月31日までの予定で、視聴にはBitTorrentのクライアントソフトとFlash Playerが必要だ。
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=AS3S0502C%2006122007
総務省の有識者研究会は6日、通信や放送を規制する九つの法律を一本化し、2010年に「情報通信法」(仮称) を制定するよう求める最終報告書をまとめた。インターネットの普及などの技術革新に対応し九つある関連法を整理。通信・放送の垣根を超えた事業を進めやす くする狙い。ただ、情報の内容への規制が強化される可能性があり、法案成立までには曲折がありそうだ。通信と放送の関連の法律が整理されるというのは歓迎されるべきこと。ここ1,2年の法律関連の動きには注目。「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」(座長=堀部政男一橋大名誉教授)が6日の会合で最終報告をまと めた。総務省は報告書の内容を年明けに情報通信審議会(総務相の諮問機関)に諮問し09年中に答申を得る予定。10年の通常国会に「情報通信法」を提出す る考えだ。
Fuji Sankei Business i の記事
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200711130041a.nwc
ウォルト・ディズニー・ジャパンは12日、ソフトバンクモバイルの通信網を利用し、来春から携帯電話事業「ディズニー・モバイル」を開始すると発表した。同日、携帯電話事業参入の届け出を総務省に提出した。ディズニーのブランド力を活用し、個人を対象に市場を開拓したい考えだ。
ディズニーはMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる既存通信網を利用する手法を利用し、通話やインターネット接続サービスを提供する。携帯電話端末はソフトバンクと共同で開発。全国約2500のソフトバンクの販売店網で販売し、利用者はディズニーと契約を結ぶ。
キャラクターを活用したデザイン性の高い端末や、アニメなどの独自の動画配信サービスで他社と差別化を図る。
ディズニーは昨年、米国で同様の手法を使い携帯電話事業に参入した。ただ、動画配信サービスなどが普及していない米国では、利用者獲得で苦戦しており、今年12月にサービスを中止する予定だ。しかし、日本ではディズニーの人気が高いうえに、動画サービスも普及していることから参入の好機と判断した。
ソフトバンクモバイルは契約者が約1700万件に到達。安価な通信体系を軸に急速にシェアを伸ばしているが、保有する電波帯にはまだ余裕があるため、回線を貸し出して有効利用を図る。
◇
【用語解説】MVNO
Mobile VirtualNetwork Operatorの略で仮想移動体通信事業者の意味。MVNOは、自らが通信設備を持たなくても携帯電話サービスが行えるため、多様な業種からでも参入できる利点がある。欧米では一般的な形態として普及している。英ヴァージングループのヴァージン・モバイルは成功事例として知られ、多くのユーザーを獲得している。
ディズニーの参入はインパクトの大きいニュース。米国で苦戦しているのはうなずけるが、日本でも苦戦となるとこういったビジネス携帯自体の成功の可能性自体が急速にしぼむ可能性もあるか。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/10/22/17264.html
BitTorrent株式会社は22日、角川グループホールディングスが同社に資本参加し、デジタルコンテンツ事業を共同展開していくと発表した。
22日、東京都内で開催された「BitTorrent Conference 2007」において、BitTorrent株式会社の代表取締役社長である脇山弘敏氏が講演で明らかにし、日本における新たな戦略などを述べた。同カン ファレンスではまた、米BitTorrentの共同創業者兼社長であるAshwin Navin氏、共同創業者兼チーフサイエンティストでBitTorrentの開発者でもあるBram Cohen氏も出席し、コンテンツ配信プラットフォームとしてのBitTorrentの強みをアピールした。● 角川の資本参加や、CDN事業ではJストリームと協業
米BitTorrentのビジネスモデルの3本柱としては、1)映画などのコンテンツを配信するWebポータルサイ ト、2)BitTorrentのクライアントソフト提供、3)コンテンツ配信プラットフォームの提供という3つがある。このうちWebポータルは、動画コ ンテンツなどを配信する「BitTorrent Entertainment Network」が提供開始されているが、脇山氏によると「BitTorrent株式会社が映画販売をやるということはない。技術提供に特化して事業を進 める」という。すなわち、残りの2分野が日本での事業内容となる。
BitTorrent株式会社代表取締役社長の脇山弘敏氏 BitTorrent DNAによるコスト削減効果をアピール
コンテンツ配信プラットフォームとしては、既存CDNにオーバーレイ可能で、帯域コストを削減できる「BitTorrent DNA(Delivery Network Accelerator)」をコンテンツフォルダーらに提供していく。なお、BitTorrent DNAを展開するにあたっては、同ネットワークを集中管理するトラッカーを日本に設ける。現在、BitTorrentが商用サービスのために設置・運用す るトラッカーは、サンフランシスコで6ラック程度あるが、その半分の規模にあたる3ラックを11月にも東京都内のデータセンターで稼働開始するという。
クライアントソフトとしては、PC用のソフトのほか、ルータやNAS、ゲーム機やHDDレコーダーにライセンス提供し、それらの機器において、 BitTorrent DNAで配信されるコンテンツを見られるような環境を普及させたい考えだ。同社と提携・協業している国内機器ベンダーとして、バッファローやコレガ、ア イ・オー・データ機器、プラネックスコミュニケーションズ、インフォシティなどを紹介した。
このほか脇山氏は、総務省の支援による「P2Pネットワーク実験協議会」が実施している実証実験に同社が参加し、「東京ネットムービーフェス ティバル」の作品を配信しながらBitTorrent DNAの信頼性や安全性、効率性などを検証していると説明した。また、Jストリームとの協業も発表。通常のCDNではコストが合わない顧客に対して、既存 のCDNとBitTorrentを組み合わせたハイブリッド配信ソリューションを提供していくとした。
なお、BitTorrentが試算したところによれば、日本の従来のCDNで配信する際、1GBのファイルを送るのに100円程度かかるため、 DVDを1枚配信するのに400~500円かかるという。その結果、「板に焼いて配った方が安く、オンラインでは商売できない」。これに対して、 BitTorrentのようにコスト的に有利な方法で配れば、「オンラインで商売が初めて可能になってくる」とした。
さらに脇山氏は、角川グループホールディングスがBitTorrentに資本参加し、デジタルコンテンツ事業を共同展開していくことも明らかにした。これにより、BitTorrent日本法人の株主は、米BitTorrentと角川の2社になるとしている。● P2P動画配信サイトを2008年に開設
BitTorrent Conference 2007では、角川デジックス代表取締役社長の福田正氏も講演した。福田氏は、海賊版が流行る背景には、これを売って儲けようとする人の存在以外に、きち んとコンテンツをユーザーのもとに届けることができていないという事情もあると指摘。「エンターテイメント業界は、ファンなくしては成り立たない。著作権 者を守りながら、ユーザーにコンテンツを届けていくのが我々コンテンツプロバイダーの役目。そのために何が必要なのかを角川は常に考えている」と述べ、 DVDやシネマコンプレックス、CATVやネット配信などもその1つだとし、その中におけるBitTorrentの役割に期待しているという。
角川デジックス代表取締役社長の福田正氏
なお、BitTorrent日本法人の資本金は公表されていないが、福田氏は角川の出資額が約10億円であることを明らかにした。また、 BitTorrentについてはCDNとしての期待が高いことから、まずは「技術会社」としてBitTorrent日本法人を共同展開していくスタンスを 示した。
さらに、日本法人の設立には、米国における違法トラッカーによる違法配信に対して、日本にBitTorrentの拠点を置くことで対抗していく 側面もあると説明。トラッカーのサーチエンジンをフル活用して、角川だけでなく、日本のコンテンツの違法配信撲滅のために訴訟も辞さない構えを示した。
角川グループでは2006年11月、角川映画の米国法人がBitTorrentとコンテンツ配信契約を締結。2007年2月から BitTorrentのP2P技術を活用した映像コンテンツ配信を行なっており、約60作品を提供。米国で入手困難な作品など好評を得ているという。ま た、日本国内でも2007年8月から、角川デジックスが前述のP2Pネットワーク実験協議会の実証実験に参加。この10月から、BitTorrent日本 法人とともに東京ネットムービーフェスティバルのP2P実証実験サイトを開設し、BitTorrent DNAを活用したコンテンツ配信を実施するなど、P2Pに積極的に取り組んでいる。
なお、この実験では、多くのユーザーが視聴する人気コンテンツにおいては、一次配信サーバーの負担率はわずか5%にとどまり、ピアの負担率が 95%以上に上る結果も出ているという。その結果、平均では一次配信サーバーの負担率が20~30%、ピアの負担率が70~80%になると予測している。
今後、角川では、2008年7月から9月頃にかけてP2P動画配信サイトをプレオープンした後、同10月から12月頃にも正式オープンする予定だ。
P2P配信における今後の計画 今後のスケジュール ● BitTorrentはDVDの代替案になるとアピール
米BitTorrentのNavin氏は、BitTorrentがなぜ重要なのかということについて、「DVDのフォーマットがなくなるということに議 論は必要ないと思う。デジタル配信の代替案がインターネットで提供されるからだ。問題はそれがいつなのかということだが、それがまだ十分に理解されないの は、インターネットの設計がこのような配信用に出来ていないということ。HTTPよりもよいプロトコルで大量の情報を多くの人に提供できるようにしなけれ ばならない。それがBitTorrentというプロトコルだ」などとコメントした。
また、Cohen氏は、自身がBitTorrentの開発に至った背景などを説明した後、脇山氏からの質問に一問一答するかたちでコメント。 BitTorrent DNAと他のP2P技術との違いについて、「BitTorrentは基本的にWebの一部」と述べ、ダウンロード元のサイトのドメインから信頼できる情報 かどうかを判断するなど、配信されるコンテンツの信頼性を判断するにあたってはWebと変わらないと説明した。また、「BitTorrentでは何かをダ ウンロードすると、セキュアハッシュアルゴリズムを使う。ファイルの一部をダウンロードしてハッシュをかけ、どこからダウンロードするのかを検証するのた め、非常にセキュリティが高い。セキュリティ面でも、しっかりとしたものを作ることができる」と強調した。
最近追っかけてないので、よく分からないけど一応チェック。P2Pについては、個人的にはもう少し勉強が必要。
米BitTorrent共同創業者兼社長のAshwin Navin氏 米BitTorrent共同創業者兼チーフサイエンティストで、BitTorrentの開発者でもあるBram Cohen氏