フォーマット変換は犯罪ではない, Veohがポルノ訴訟で勝訴
Tech Crunch Japanese の記事
http://jp.techcrunch.com/archives/20080827transcoding-is-not-a-crime-says-court-in-veoh-porn-case/
実際に一二度インターネットを訪れてみてから判決前の審理をしてくれる裁判官がやっと現れた。カリフォルニア州北部地区地裁のHoward Lloydは、アダルトエンタテイメント企業IO GroupがVeohに対して2006年に起こした著作権侵犯の訴訟を今日(米国時間8月27日)却下した。当時Veohは、ユーザがアップロードしたポルノを掲載していたが、それらが実はIO Groupのものだった。DMCA(デジタル・ミレニアム著作権法)通告による素早い取り下げにもかかわらず、IO Groupは訴訟に踏み切った。
訴件の核は結局、VeohがユーザがアップロードしたビデオをFlash形式に変換したことで、同サイトがDMCAのセーフハーバー保護を失うのか失わないのかだ、ということになった。このフォーマット変換は、オンラインのFlashビデオサイトが毎日のようにやっている。
IO Groupは、フォーマット変換によってVeohは直接の権利侵犯者になる、素材は同社の管理下にあった、と主張した。これに同意しなかったLloydはこう言った、「Veohはユーザが投稿したコンテンツを自動的に処理してユーザが視聴可能なフォーマットに変えるソフトウェアシステムを設営しただけである。そのソフトウェアはサードパーティー製品であるが、Veohは使用に際して各種のパラメータを事前に設定できる。ただしVeoh自身は、ファイルのアップロードに関して積極的な関与や監督を行っていない。またVeohは、アップロードが完了する前にファイルのプレビューや取捨選択を行っていない。ビデオファイルは自動的な処理によってアップロードされるのであり、その処理を発動するのは完全にVeohのユーザの自由意志である」。
要するに、IO Groupの訴訟は見当違いということ。
Viacom-YouTubeをはじめ、インターネット上のビデオ関連の訴訟が“大流行”しているが、今回は善玉が勝利した。ただし、勝訴した Veohのサイトでは今後アダルトコンテンツを見れる、と期待しても無駄だ。Veohは2006年にすでに永久にそれを禁止した。この訴訟は純粋にお金目当てだ。
少々争点のポイントが分かりにくいのだが、趣旨としてはファイル変換のプラットフォームを用意すること自体は業者側には全く責任は問われない、という判断がなされたということのよう。
ViacomとYoutubeの場合には、ユーザーの著作権侵害に対しての対処が十分でないことが争点であったはずなので、上記事案についてはVeohは対処をしているから、全く問題がないという解釈だろう。それであれば妥当な判断と思える。
ただし、この判断がViacom-Youtube の判断に影響があるとは考えにくいか。