YouTubeもニコ動を勉強中、日本向けUIなど検討課題
BB Watch の記事
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/22722.html
グーグルは4日、同社が展開するサービスの新機能などを紹介する報道関係者向けの「定例説明会」を開催し、「YouTube」に最近追加した機能などを紹介した。
この定例説明会はグーグルが毎週月曜日に開催することにしたもので、「毎日のように出している」という新機能や新サービスについて、テーマを決めてまとめて紹介するしていく。冒頭、製品企画本部長の辻野晃一郎氏があいさつし、日本法人が広告分野のほかに最も高い優先度で取り組んでいる分野として、同社のコアコンピタンスであるサーチ、日本で特に強いというモバイル、YouTube、地理関係の4つを挙げた。1回目となる今回の説明会では、このうち「YouTube」「Google モバイル」「Google 検索」を取り上げた。
YouTubeに関しては「日本は動画好きカルチャーだと思っている」とし、米国に次ぐ2番目のトラフィックを日本が集めているとした。ただし、米国で開発されたサービスをそのまま日本語化して提供しているのが現状だという。今後、「ニコニコ動画などでやっていることを十分理解しながら、より日本のユーザーに根ざしたプロダクトやUIなどを考えていきたい」とした。■ YouTube日本版の独自機能「急上昇ワード」
YouTubeについては、プロダクトマネージャーの粕谷英司氏が説明。検索されている人気キーワードをランキングする「急上昇ワード」や、 YouTube側であらかじめ用意している楽曲を、投稿した動画に入れることができる「AudioSwap」などの機能を紹介した。
急上昇ワードは世界に先駆けて日本版だけに7月下旬に導入したもので、1時間ごとにトップ20のキーワードを掲載する。キーワードをクリックすることで、該当する動画がリストアップされるだけでなく、関連する情報を「ウエブ」「ニュース」「ブログ」のリンクからGoogleで検索できる。
粕谷氏は、実際に急上昇ワードにランクインしている「天才バカボン」「エスカレーター」などのキーワードでニュース検索してみせ、赤塚不二夫氏の死去や東京ビッグサイトで起きたエスカレーター事故のニュースを示し、「そのキーワードがなぜ関心を持たれているかもわかる」と説明した。エスカレーター事故については、YouTubeで公式チャンネルを持つテレビ局「TOKYO MX」のニュース映像のほか、ユーザーが投稿した映像もあったという。
なお、急上昇ワードで表示されるのは、あくまでもキーワード検索で多く入力されている言葉だ。新しすぎて動画がまだアップロードされていなかったり、逆に権利上問題があるなどで削除されてしまった場合など、必ずしも該当する動画がYouTubeで見られるわけではないという。また、アダルトなどのキーワードもあらかじめ排除しているとした。■ 投稿動画のBGMを差し替えられる「AudioSwap」正式提供
AudioSwapは、日本時間の7月24日から提供している機能。従来、新機能を試験的に公開する「TestTube」で公開していたものを正式機能に移行したかたちになる。アップロード済みの動画に対して、あらかじめ用意された楽曲から選んで音声部分を差し替えられる。正式な楽曲数は明らかにしなかったが、かなりの種類があり、ジャンルやアーティストから選択していく。動画と同じような長さの楽曲を絞り込むオプションもある。
ここで用意している楽曲は、Googleが音楽レーベルなどのパートナーから提供を受けたものだ。今のところ、他のユーザーが用意した楽曲も使えるようにするといった考えはまだないという。あくまでも、自分の撮影した動画にBGMを入れる場合を想定したもので、YouTube上で投稿コンテンツを組み合わせて活用できるような方向性は今後の検討課題になるとした。■ 撮影場所での検索や、UI言語だけ変更機能も
YouTubeについてはこのほか、動画に“吹き出し”などのかたちでコメントを重ねて表示できる「動画アノテーション」、Internet Explorer用「Google ツールバー 5」に用意した「YouTubeガジェット」、場所による動画検索、UI言語の変更機能を紹介した。
場所による動画検索は、地名をキーワードとして検索した際、通常の検索結果の上部に「近くの動画」枠で表示される。いくつかの動画のサムネイルとともに「Google Maps」の地図も表示され、それをクリックすると地図が拡大。その地名を中心にした円が示され、それを移動することでも撮影場所から動画を検索できる。
UI言語の変更機能は、YouTubeのローカルコンテンツとUI言語を別々に設定できるもの。先週より追加された。例えば、日本版のトップページのYouTubeロゴの横には「日本|日本語」と表示されているが、左側がローカルコンテンツ、右側がUI言語を示している。ローカルコンテンツは 20地域、言語は15言語から選択できる。これにより、例えばフランスで人気のある動画を探したい場合も、UIは日本語のままで行うことができるようになった。■ 「東京ドームは霞ヶ関ビル何杯分か」も検索可能に
このほか、検索に関しては、電卓機能の新サービスとして「東京ドームを霞ヶ関ビルで」と検索すると「1東京ドーム=2.48霞ヶ関ビル」と表示される機能や、「映画 渋谷」で検索して、時刻に合わせてその近辺で上映されている映画館の情報などを表示する「映画検索」機能を紹介した。
映画検索は5月からすでに提供しているものだが、同様の機能としては、天気検索も紹介した。英語版では従来より提供していたもので、2週間ほど前から日本語版でも可能になった。例えば「天気 渋谷」で検索すると、付近の天気のアイコンなどが検索結果上部に表示される。
ニコニコ動画に常駐しているユーザーが日本人一般の特性をつかんでいるわけでもなく、むしろ日本人の中でも少々特殊な属性があると思えるので、Youtubeがニコニコ動画に追従するようなことはしないほうがよい気がするのだが。