GoogleとViacom、YouTubeユーザーの匿名性で合意
Tech Crunch Japanese の記事
http://jp.techcrunch.com/archives/20080714googleviacom-agree-to-preserve-user-anonymity-in-data-shakedown/
YouTubeのユーザーデータ引き渡しに関するGoogle対Viacomの対決はいちおう終わったようだ。 現在係争中の著作権侵害訴訟で、ユーザーID、IPアドレス、YouTubeで視聴したすべてのビデオに関する情報をViacomに引き渡すようGoogleに命じる決定が下されていた。両者はこの決定の内容を変更することで合意した。
インターネット中に巻き起こった抗議の嵐に驚いて、Viacomは「個人を識別可能な情報を要求したことはない」(実はしていた)と弁解した。 次には「得られた情報に基づいて個人を訴えることはしない」と約束した。この約束が信じられるかどうかについては、われわれも含めて多くの人々から疑義が呈された。
今夕(米国時間7/14」)発せられた新しい命令によると、GoogleはユーザーIDとIPアドレスをユニークかつ匿名のIDに置き換えることとしている。新しい命令の全文は下にエンベッドしておいたが、キーポイントは次のようなものだ。
この命令に基づいて〔YouTubeの〕ログイン・データベースから必要なデータを抽出するに当って、被告〔Google〕は以下のデータ・フィールドにおいてはユニーク性を維持したままで別個のデータに置き換えるものとする:ユーザーID、IPアドレス、訪問者ID。両者はこのデータの置き換えをいかなるプロトコルに基づいて実施するかについて、可能な限り速やに合意するものとする。ただし、あらたに生成されるデータにおいては、値を置き換える際に、元データにおける各フィールドにおけるユニークな値のユニークさ及び元データに存在するデータ間の依存関係が維持されなければならない。被告は速やかに(すわなちこの条項の決定後、7営業日以内に)問題のプロトコルを提供しなければならない。両者がプロトコルについて合意をみるため、被告は必要に応じて原告のコンサルタントと合議することを承認する。
IPアドレスとユーザー名が取除かれれば、Viacomがどの個人がどのビデオを視聴したか決定するのは格段に困難になる。プライバシー保護の観点からして、私としては、この条件でデータが引き渡されることになるなら、さらに反対はしない。ただしViacomには際限ない訴訟を止めて、もっと革新的なビジネスモデルでコンテンツの利用を図るよう引き続き望むものだ。
CGMサイトで著作権を侵害する行為があったことが確認された場合に「得られた情報に基づいて個人を訴えることはしない」という約束については、確かに不思議。日本では犯罪行為の書き込みなどは、当局の申請に基づいて2ch 等では情報を提供し、それに基づいて訴えられているのだし。
個人を訴えることをしないとなると、申告罪である著作権を侵害する行為を行っている人に対して、誰が訴えるのか?
サイトオーナーが、著作権侵害行為ができる状態にしていたことに全面的に責任を持つのだろうか?
サイト運営側が全責任を負うとなると、CGM自体が存在できなくなる気がするが。
法的な解釈については、後日確認。