「4年後の単年度黒字目指す」,NHKオンデマンド室副部長がケーブルテレビ ショーで講演
IT Pro の記事
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080620/308979/
東京ビッグサイトで開催している「ケーブルテレビショー2008」で2008年6月20日,2008年12月1日に開始する予定のインターネット経由でNHKの放送番組を有料配信する「NHKオンデマンドサービス」について,日本放送協会(NHK)NHKオンデマンド室副部長の所洋一氏が講演した。
NHKオンデマンドサービスは,高速インターネット回線に接続したパソコンおよびテレビでNHKが放送した番組に限り,過去の人気番組や“見逃し需要”を狙った過去1週間分の番組を国内限定で展開するサービス。昨年末の放送法改正により,近く実現することとなった。
所氏が講演で「実現に向けて一番大きな話」として紹介したのは,NHKオンデマンドサービスを事業として展開するための収支バランスの問題だ。
放送法改正でNHKがBtoCの事業を行うことが認められることとなったが,一方で「営利を目的としてはならない」「受信料収入を使ってはならない」という制約がある。そのため,独立採算で動画配信サービス事業を展開する必要があり,売り上げと投資のバランスが釣り合うよう,システム投資では動画配信システムにASPを活用するなどしてコストを切り詰めた。
一方,NHKが独自コンテンツのみの展開なのに対し,「Yahoo!動画」など競合となる動画サービスはNHKの番組の一部も取り扱える。「見逃し需要向けコンテンツ(過去1週間分の番組)は他社に提供しない」(所氏)というが,過去1週間分の番組だけの差別化で,大幅に売り上げを伸ばすことは難しそうだ。
番組の販売価格については,所氏は現時点では「競合他社と変わらない価格帯になる」(同)と述べるにとどめた。正式な価格発表は,10月をメドに行う計画。また,今後の収支計画としては「4年後に単年度黒字,7年後に累積損失の一掃を目指す」(同)と語った。
「営利を目的としてはならない」という規定があるのが厳しい。他の民間の放送局で、放送とネット配信を完全に切り離して考えなければならないとしたら、その時点でビジネスが成立しない。通信と放送の融合などが議論されているのに、少し不自然にも思える。
4年後の単年黒字も若干厳しいか。
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