MP3で音楽を購入できる音楽配信「MUSICO」
http://www.asahi.com/digital/column04/TKY200805230120.html
一般紙向けの内容。メモ。
聴きたい曲をパソコンですぐにダウンロード購入し、デジタルオーディオプレーヤー(以下、デジタルオーディオ)に転送できる音楽配信。アップルの 「iTunes Store(アイチューンズ・ストア)」やレーベルゲートの「mora(モーラ)」、HMVジャパンの「HMV DIGITAL」、そし てそのほかにもさまざまな音楽配信サービスがありますが、今回は「MUSICO(ミュージコ)」について紹介しましょう。
MUSICO(画面1)はNTTコミュニケーションズが運営する音楽配信サービスで、07年2月よりスタートしました。もともとは別々の音楽配信サービ スとして運営されていた「OCN MUSIC STORE」と「goo Music Store」が統合されて名称が変更されたという経緯があるため、ス タート当初から配信曲数は100万曲に迫る品ぞろえで、邦楽・洋楽ともに豊富にそろっています。
音楽配信サービスを選ぶとき、重要なチェックポイントはどんなファイル形式で配信されているかです。ダウンロードした曲をパソコンで聴く分には、 その音楽配信を利用するためのソフトウエア、たとえばiTunes Storeであれば「iTunes」、moraであれば「SonicStage CP」をダウンロードすれば再生可能となるので問題はありません。しかしダウンロードした曲は、すべてのデジタルオーディオに転送できるわけではなく、 ファイル形式によって対応機種が限定されるので注意が必要です。
MUSICOで配信されている音楽ファイルの形式は、主にWMA(Windows Media Audio)となります。東芝の 「gigabeat(ギガビート)」シリーズやクリエイティブメデァの「ZEN(ゼン)」シリーズなど、多くのデジタルオーディオに転送できます。ただし WMA未対応のアップルの「iPod」シリーズや、WMAの再生は出来ても著作権保護されたWMAファイルには未対応のソニー「ウォークマン」シリーズに は転送が出来ません。
しかしMUSICOは、WMAのほかにMP3というファイル形式でも配信されている楽曲があるという大きな特徴があります。先ほど「主にWMA」 と書いたように、MP3のファイルが用意されているのは一部の楽曲に限られます。MP3で配信されている曲は、MUSICO内の検索画面で探す(画面3) ことが出来ます。
そしてこのMP3配信曲の特徴は、他の配信ファイル形式では必ず施されている著作権保護機能が掛けられていません。これをDRMフリーなどと呼び ます。そのため、他の配信サービスでは購入した曲のバックアップには専用ツールが必要であったり、また音楽CDを作成するときの枚数などに制限があります が、MUSICOでダウンロード購入したMP3ファイルはそういった制限はありません。個人使用の範囲であれば、たとえばデスクトップパソコンとノートパ ソコンの2台にMP3ファイルをコピーして聴くことも出来ます。
またMP3はiPodやウォークマン、そしてそのほかのデジタルオーディオのほとんどで転送・再生をサポートしている、標準的なファイル形式で す。そして先に触れたようにMUSICOで購入したMP3ファイルはDRMフリーなので、iTunesやSonicStage CPといったソフトを使え ばiPodやウォークマンに転送することが出来ます。これまでiPodを使っている人はiTunes Storeでしか音楽は購入できませんでしたが、 MUSICOは新たな選択肢になったわけです。
なおMUSICOで配信されているWMAファイルとMP3ファイルは、同じ楽曲であっても違いがあります。それは音質を左右するビットレート。 WMAファイルのビットレートは一般的な設定の128kbpsで配信されています。それに対してMP3ファイルではよりビットレートが高い320kbps で配信されており、これは音楽配信としてはかなり高音質な設定です。その分ダウンロードしたファイルのサイズも大きくなりますが、音質にこだわるならば、 WMAファイル対応のデジタルオーディオを使っている人でもMP3ファイルを購入する意味もあるでしょう。
使っているデジタルオーディオを選ばず、また高音質なMUSICOのMP3ファイル配信。楽曲数はWMAファイルに比べてまだ少ないものの、今後の展開が楽しみなところです。