京都大学、YouTubeで講義内容を公開
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/04/09/006/
これは、Youtube(Google)ではなく、国内のプラットフォームではできないのが悲しいところか。日本国内でがんばっているニコニコ動画は、どう見ても学術用途にはそぐわず、AmebaVision やNTT、Nifty のサービスでも弱すぎるということなのだろう。京都大学は8日、講義内容などの動画をYouTubeで一般公開したと発表した。これは、同大学が進めるオープンコースウェアプロジェクトの一環によるもの。京都大学では、4月8日時点で約200の動画コンテンツを保有しているが、3月上旬より徐々に動画をアップし、この日の一般公開に至った。
オープンコースウェアは、2001年に米マサチューセッツ工科大学が始めた講義をオープンにすることで、人類の知識を広げていこうとするプロジェク ト。京都大学でも学長の強い意向により、2005年からスタートさせている。これには、人類の知的資産の蓄積に貢献するとともに、同大学の視認性を高め、 世界中から優秀な教員や学生を集めたいという狙いがある。
海外では米国の大学を中心にオープンコースウェアの動きが進んでおり、特にUCバークレーでは、すべての講義をYouTubeで配信している。
京都大学ではいままで、他社のサーバを利用するなどして動画を公開してきたが、フォーマットの問題や専用の閲覧ソフトが必要だったりしたことで、視聴者から「見られない」といった苦情が寄せられたほか、アクセス集中時のレンスポンスなどにも問題が生じた。 そこで、動画共有で実績のあるYouTube上で公開することで、これらの問題を解決する。 また、京都大学 学術メディアセンター教授の土佐尚子氏によれば、オープンコースウェアを運営する上でもっとも大変な動画のサーバ管理の問題が解決されるのも大きいという。
動画配信サービスとしてYouTubeを選択した理由について土佐氏は、無料であることと、ブラウザやマシンなどの制限がない点を挙げ、「これらはオープンコースウェアの『誰もが、どこででも見られる』というコンセプトにも合致する」と述べた。
今回の動画配信については、京都大学とYouTube側で業務提携を結んだ。これにより京都大学は、YouTubeの動画1本あたり10分までという制約に縛られず、無制限で動画をアップできる。また、大学固有の入り口であるトップページもYouTube側が提供した。
YouTubeは現在19の国と地域で展開しており、その量は1分あたり10時間以上にもなる。日本においては、昨年の6月19日よりサービスを開始し、現在米国に次ぐ世界第2位の視聴者数を誇る。
Google Japan 代表取締役社長の 村上憲郎氏は、 「普通の方々だけでなく、専門性のある動画についてもパートナーシップを結び、より良い動画のプラットフォームとして展開していきたい」と語り、今後もコンテンツパートナーとの連携を拡大していく意向を示した。
日本ではすでに、音楽レーベルやアニメの会社、タレント事務所、政党などもYouTubeで動画を配信しているほか、大学については京都大学以外に、嘉悦大学や明治学院大学もYouTubeを利用し始めている。
京都大学では動画をアップするにあたり専門の委員会で内容をチェックするほか、弁護士に著作権等の問題がないか相談しているが、何をアップするかは先生たちの自主性に任せているという。
なお、動画についてはいまのところドコモだけだが、携帯でも視聴することができる。
いずれにしても、国内のIT企業のサービスのレベルがあがってきていないことは問題。